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平成18年 6月定例会本会議-06月27日-02号

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  1. 長野県議会 2006-06-27
    平成18年 6月定例会本会議-06月27日-02号


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    平成18年 6月定例会本会議-06月27日-02号平成18年 6月定例会本会議 平成18年6月27日(火曜日)  出席議員(57名)   1 番 村上 淳       27 番 小林伸陽   2 番 田口哲男       28 番 藤沢詮子   3 番 備前光正       29 番 鈴木 清   4 番 木内 均       30 番 西沢正隆   5 番 田中清一       31 番 保科俶教   6 番 清水 洋       33 番 小松 稔   7 番 林 奉文       34 番 佐藤友昭   8 番 北山早苗       35 番 宮澤敏文   9 番 宮川速雄       36 番 牛山好子   10 番 小林利一       37 番 佐野功武   11 番 小原 勇       38 番 本郷一彦   12 番 永井一雄       39 番 村石正郎   13 番 毛利栄子       40 番 木下茂人   14 番 今井正子       41 番 向山公人   15 番 丸山賢二       42 番 望月雄内   16 番 清沢英男       43 番 下村 恭   17 番 清水保幸       44 番 塚田 一
      18 番 柳平千代一      45 番 高橋 宏   19 番 宮本衡司       46 番 平野成基   20 番 髙見澤敏光      47 番 倉田竜彦   21 番 小池 清       48 番 宮澤宗弘   22 番 高木蘭子       49 番 森田恒雄   23 番 小松千万蔵      50 番 島田基正   24 番 柳田清二       51 番 石坂千穂   25 番 竹内久幸       52 番 服部宏昭   26 番 高村京子       53 番 寺島義幸   54 番 下﨑 保       57 番 小林 実   55 番 萩原 清       58 番 石田治一郎   56 番 古田芙士  欠席議員(1名)   32 番 小林宗生         ───────────────────  説明のため出席した者   知事        田中康夫    企画局長      太田 寛                     副出納長兼会計   副知事       澤田祐介    局長        牧野内生義   出納長       青山篤司    公営企業管理者   経営戦略局長    松林憲治    職務執行者・企   総務部長      原 修二    業局長       峯山 強                     財政改革チーム   社会部長      田中 透    リーダー      関 昇一郎                     教育委員会委員   衛生部長      髙山一郎    長         松田泰俊   生活環境部長    木曽 茂    教育長       丸山 愰   商工部長      山極一雄    教育次長      吉江速人   農政部長      柳沢直樹    教育次長      米澤修一   林務部長      加藤英郎    警察本部長     渡辺 巧   土木部長      原 悟志    警務部長      河野 真   住宅部長      井澤一夫    監査委員      丸山勝司   経営戦略局信州   広報・ブランド   室長        武田雅宏   危機管理局長    鎌田泰太郎         ───────────────────  職務のため出席した事務局職員   事務局長      野池明登    議事課企画員    山岸秋夫   議事課長      飛沢文人    総務課企画員    塚田邦彦   議事課課長補佐   高橋和成         ───────────────────  平成18年6月27日(火曜日)議事日程    午前10時開議    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑      ─────────────────────────  本日の会議に付した事件等    諸般の報告    行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑         午前10時1分開議 ○議長(萩原清 君)これより本日の会議を開きます。  本日の会議は、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑であります。          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ △諸般の報告 ○議長(萩原清 君)次に、諸般の報告は、お手元に配付したとおりであります。朗読は省略いたします。       〔議案等の部「2 諸般の報告」参照〕          ━━━━━━━━━━━━━━━━━━行政事務一般に関する質問及び知事提出議案 ○議長(萩原清 君)次に、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案を議題といたします。  お手元に配付いたしましたとおりの議員から行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑の通告がありましたので、報告いたします。朗読は省略いたします。  順次発言を許します。  最初に、村上淳議員。       〔1番村上淳君登壇〕 ◆1番(村上淳 君)皆さん、おはようございます。木曽郡選出、県民クラブ・公明の村上淳です。  質問の前に、このたび、5月7日に任期付職員の今橋里枝さんが突然お亡くなりになりましたが、心より御冥福を申し上げます。  今橋さんは、この3月まで、木曽郡王滝村に県の派遣職員として村役場で働いてこられました。今橋さんは、村の財政再建問題や村営おんたけスキー場の民営化の問題等の解決に向けて精力的に仕事をされ、実績を上げました。まさに寝食を忘れての日々だったのです。告別式は東京の中野斎場で行われましたが、雨の日にもかかわらず、王滝村の村長さんを初め、役場の職員や、今橋さんが心を通わせることができた村のおばちゃんたちも、最後のお別れに参列しておりました。彼女は、自分の命と引きかえに長野県や王滝村のために尽くしたと言っても過言でありません。私自身も、今橋さんから地方自治のあり方について勉強をさせていただきました。まことに残念な思いです。  ことし2月の定例議会の一般質問で、私は今橋さんを王滝村にぜひ残してほしいと知事に何度もお願いしたわけですが、今考えると、何とかして今橋さんの意思を貫いて王滝村に残ってほしかったです。  そこで、知事は、今橋里枝さんの御逝去を今どう思い、彼女から何を学んだのでしょうか。御所見をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)今橋里枝さんにおかれては、大変に本県のために、また、昨年度は、王滝村において、王滝村から本県をよりよくするということに関して大変な御尽力をいただいたことに私は心から感謝をいたしております。そして、彼女が天国の地におかれてもさらにそうした広いお気持ちを持たれて多くの方々のために尽くされる、そうした志を輝き続けてくださることを心から願っております。       〔1番村上淳君登壇〕 ◆1番(村上淳 君)知事にお聞きをいたします。  いわゆる任期付職員は、県職員の意識改革をするために県職員として採用されたわけでございますが、その効果を知事は現段階でどのように評価をされているのでしょうか。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)私は、この議場においても、小布施町の事例を挙げて、よい意味でのばか者、よそ者、若者というものが社会をよりよくしていくということを述べているかと思います。  私も含めた県職員は県職員のために働くわけではありませんで、県職員もまた、その前に県民であり、一人の父親や母親や、あるいはお兄さんやお姉さんであります。そうした方々のために働く。しかしながら、ともすれば、巨大な組織というものは、今までのその組織の前例であったり、理屈であったり、都合であったりというもので後ろ向きに、内向きになりがちであります。  任期付任用職員は、まさに信州から日本を変えるという私たちの歩みというものに賛同し、そして、その一員として、よい意味でよそ者である者が、従来のまだピラミッドの意識を本人は変えようと思っていてもなかなかフラットな社会のあり方というものにさまざまなあつれきがあり、歩み出せない者にとってのよい意味での触媒となることが求められております。多くの任期付任用職員は、そうした職責というものを果たすべく奮闘してくださっていると思います。  同時に、この任期付職員においても、自分が所属している組織に安住をするということの方がどんなにか楽であろうかという誘惑に駆られるということは、人間でありますからして想像にかたくはありません。その自分に対しても、あるいはその周囲に対しても、あるいは今までのそうした内向き、後ろ向きな流儀に対しても、それを振り切るだけの気概というものが、これは無論県職員にも課せられております。そして、私が思うに、少なからぬ職員はそうした思いを今抱いてくださっていることに感謝をしておりますが、任期付任用職員においても、わけても彼らや彼女らにおいてはそうした自身と闘うということをも大きく課せられていると思いますし、また、そのことを乗り越えていくことができてこそ、まさによそ者として私どもの仲間であるということのあかしになろうかと思います。       〔1番村上淳君登壇〕 ◆1番(村上淳 君)さて、今回6月定例議会冒頭で、知事が次回の県知事選挙に出馬する意向を表明いたしました。私は、田中県政6年間を振り返り、功罪を含めてきちんと検証するべきだと思います。  さて、思えば、6年前、田中知事が県知事に就任したときに、多くの県民は今までの長野県にないタイプの知事として期待を持ちました。田中知事は、今までの県政のしきたりを壊し、長野県政に変革をもたらし、さらに、数多くの車座集会を開催する中、県民にとって県政が身近になるという期待を大いに感じさせました。  また、知事は、既成政党では国は変わらないという意思を持ち、昨年、新党日本を立ち上げて、全国から164万票を超える支持があり、新党日本の党首になりました。国政に対しても直接意見を述べる立場になったわけです。  一方、県職員は田中県政をどのように評価しているのでしょうか。  そこで、県職員労働組合が昨年11月18日から12月9日までに行った県職員の意識調査がありました。その結果、知事と県職員の信頼関係は、88.1%が評価しない、あるいはやや評価しないというふうになっています。また、田中県政が始まってから長野県は全体によい方向に向かっていますかという問いに対して、4.1%がよい方向に向かっていると答え、よくない方向に向かっているという答えが実に66.8%と答えています。なお、よくわからないと答えた方は27.9%です。  さらに、知事就任以来、職員の長期療養休暇、休職をとっている方のうち、精神疾患で休んでいる職員、行政職の皆さんは、平成12年に33人、平成13年に29人であったのが、平成16年には72人、平成17年には79人と、まさに倍にふえてきたわけでございます。労働環境がかなり悪化していることも、数字にここに出ているわけです。知事はこの結果を御存じと思いますが、知事の身近で仕事をし、知事のことを一番よく知っている職員が知事の政治姿勢にノーと答えているわけです。  知事はこの件についてどう思いますか。職員との関係改善に向けての努力がされているのでしょうか。あるいは、そんなことは必要がないと思っているのでしょうか。御所見をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいま、議員から、田中県政の6年間を振り返り、功罪を含めてきちんと県議会は検証するべきだという御発言がありました。  無論、この6年間、あるいは4年間に関して県議会のあり方もきちんと検証されることが望まれているわけでございます。それであってこそ、まさに車の両輪でございます。  私は、まさに信州から日本を変えると申し上げてきたわけです。したがいまして、その多くの部分の発想も、あるいは手法も、あるいはその目指すところも、あるいはその過程も、これは恐らく他の都道府県、あるいは本県においても、私が就任する前とは多くの部分において異なるあり方であったり、やり方であったり、議論であったりということが当然想定されるわけでございます。従来と同じ発想で、手法で、進め方で行うのであるならば、これは信州から日本を変えるということにはつながらないと私は思います。  そして、これは、同時に政・官・業、政・官・産とも言います。あるいは、政・官・業・学・報と呼ばれるような強固な、内向きな、後ろ向きなピラミッドというものの既得権益を溶かしていくということであります。したがいまして、こうした既得権益の中で安住をされていたり、あるいはこうした既得権益からの垂直依存を受けていた方々にとっては、これは少なからず戸惑われる過程であったと思います。  先ほど申し上げましたが、県職員は、私も含めて、県職員のためにのみ働くわけではございません。県職員を含めた県民、あるいはひいては本県を愛して期待してくださる方々のために、これは県外においても国外においても、そうした方々とともに本県を変えていくということであります。  過日、塩尻の広丘の地にございます総合教育センターの場所で、私どもの部長あるいはチームリーダーといったメンバーが二百数十名ほど集いまして、それぞれの意見発表、あるいは目指すべき県の議論がございました。このときに、一人の農業改良普及員の女性職員が、私たちにおける地域食材の日を設けていこうということを行うときに、なぜ農改職員である私が教育委員会の者と一緒に各市町村の教育委員会やあるいは学校を回って地域の食材の日をつくりましょうなどということを行わねばならないんだろうかと当初は大変に戸惑った、けれども、多くの学校の教職員や父母や児童生徒がそのことを非常に期待してくれたり、喜んでくれたりすることを見て、自分も一人の県民として、あるいは、息子か娘は既に義務教育年限を過ぎているかもしれないけれども、まさに一人の母親としてそこに喜びを感じたということを述べてくれました。当初は戸惑いがあろうとも、そこで県民にお金に換算できない喜びや感謝を抱いてもらえることが喜びだという意識は、この問題にとどまらず、私は、多くの分野において多くの職員において着実に芽生え、そしてはぐくまれているものであろうというふうに思います。  提案説明の中でも述べましたが、それぞれの農業の試験場から信州サーモンであったり、信州黄金シャモであったり、こうしたものが開発をされてきていることもそうであろうと思います。  以前から申し上げているゼロ予算事業という、自分たちの人件費は自分たちの生活の糧だけでなく、これこそが最大のよい意味での県民に総合愛情産業総合奉仕産業として仕事をさせていただく原資なのだという考えを多くの職員が持つに至っていることは、私は大変うれしく思っているところであります。  その意味におきまして、いかなる組織においても、恐らく、現在、日本において大変に評価を得ているようなシャープでありましたり、あるいは松下電器産業でありましたり、短期間の間に急激な変化を遂げている。これは私どもの食材を用いてくれている全日本空輸とて同様です。強いリーダーシップのもと、明確な方針をそれぞれの経営トップが示して、そして、社会的に大きく評価を得ている企業の中においてもその方向性に戸惑う方はいらっしゃろうと思います。そして、その戸惑いというものを憶せず逆に語れることが、より開かれた改革、変革へとつながるわけであります。  ある意味では、私どもの県政のあり方に関して百花繚乱、百家争鳴の形であるということは、これは決して悲しむべきことではありません。と同時に、そこで議論のみで本県が終わるのでなく、実践をして成果をおさめていくというときに初めて、議論好きである信州の県民というものがより全国においても評価をされ、より成果をおさめることになろうかと思っております。  いずれにいたしましても、従来とは異なる発想であったり、目標であったり、行い方であったりであるということです。そして、その方策をいかによりよくするかということに関して、これは、だれもが、手前みそでありますが、私が就任する前よりは、はるかに職員も、県民も、マスメディアも、何ら憶することなく意見を述べられるというのが現在の本県であろうと思っています。そして、その上に立って、議論の先を私たちはより目指すべきであります。       〔1番村上淳君登壇〕
    ◆1番(村上淳 君)私は、ただいま知事が答弁された内容、確かにもっともだと思っています。しかし、知事と県職員の良好な信頼関係は県政運営に大変大きな影響を与えるわけです。どうして知事と職員の信頼関係が結べないんでしょうか。一番大きな理由は、知事が職員を信頼していない点にあるんではないでしょうか。  また、人事異動が頻繁にありまして、平成13年4月には2,363人、平成14年4月には3,226人、そして平成17年4月には2,765人。とうとう2,000人から3,000人の方が毎年人事異動で動きます。余りにも頻繁に人事異動がされているわけでございます。  私は、公であろうと私企業であろうとも、トップの立場にある人間が部下のほとんどに信用されていないという、信頼されていないという立場にあることは、大いに疑問を感じます。やはり、田中康夫さんが知事として長野県のために努力していることは私はわかります。やはり、部下から信頼されていないようでは、これからの県政運営をされるには本当に私は疑問に思うわけです。私は、田中知事が就任以来、一番壊してしまったのは知事と県職員との信頼関係だと思います。  そこで、作家の堺屋太一さんは、著書「次はこうなる」の中で、こう述べています。西郷隆盛も桂小五郎も高杉晋作も坂本竜馬も、破壊の英雄であり、建国の才人ではない、その点では幕府の官僚たちが指摘したとおりである、だが、彼らが一度更地にしてくれたからこそ、伊藤博文や山県有朋らが登場するチャンスができたと述べています。  まさに、私は、田中知事は平成の破壊の英雄であって、6年間でその仕事は見事に完了したと思います。これからは県政の本当の意味での再建です。新しい時代に合った指導者を県民は望んでいます。伊藤博文や山県有朋に匹敵する人はなかなかあらわれないかもしれません。しかし、私は、清水の舞台から飛びおりる気持ちで、大変失礼ですが、田中康夫さんには知事としてのワンマンショーにみずから幕を引き、ステージからおりるときが来たとあえて言わせていただきます。再び県知事として立候補することは、私は県民益としての観点から反対です。  次に、長野県の南北格差の問題に移ります。  8年前、長野オリンピックが終わりました。大きな借金が残りましたが、東北信は、新幹線、高速道路が整備され、うらやましいくらいのインフラ整備ができました。これから県の中南信に力を入れるときが来たと思った県民は多かったのですが、見事に裏切られた気持ちです。  それでは、田中知事にお聞きします。  知事は、長野県の南北格差の解消についてどのように努力をし、解決されてきたのか。そして、その結果どうなったのか。御所見をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)南北格差のお話でございますが、その前に、この6年間の私が次なる信州の飛躍のために大変に成果をおさめたという過分なお言葉をいただいたことを、この場をおかりして感謝申し上げたいと思います。そして、まさに手続ではなく、成果を大変に評価いただいた。惜しむらくは、その評価をいただくまでの過程において、議員が、車の両輪として私に対して、至らぬところのみならず、よりさらに推し進めるところも願わくはもう少し御助言をいただき、御協力をいただければ幸いであったかと思います。  ただいまのその南北格差という言葉でございますが、これは、私は、昨日も市町村の方々が集まってのブランドに関するシンポジウムというのを行いました。ここで、徳島県の上勝町の「いろどり」という企業を営まれる横石知二さんの講演がございましたが、その前に私が30分ほどお話をさせていただきました。  そこで述べましたのは、例えば、皆様御存じの、ダボス会議が開かれるダボスという場所がスイスにあります。菅平にもそういうゲレンデがございます。このダボスの地は、イタリアのミラノのマルペンサの空港からも、あるいはスイスのチューリヒの空港からも、車をどんなにか疾走させても約4時間半ほどかかります。この場所に世界の経済人や政治家が集うわけです。のみならず、多くの方がリゾート地として四季を通じて世界からいらっしゃるわけです。こうした方々はジェット族だからヘリコプターで来るとお思いかもしれませんが、しかし、ヘリコプターは天候に大きく左右されます。すなわち、1分1秒が貴重であられる方々にとっては、もし訪れたときに、往路はヘリコプターであっても、復路が天候的に無理ならば、それはあきらめねばなりません。しかし、そのリスクを負っても、あるいは空港から陸路でなぜダボスの地までお越しになられるかということを私たちは深く考える必要があろうかと思います。  すなわち、高速道路から近いということが逆に通過地点になったり、長野市のビジネスホテルの方々が大変に御努力をなさってもなおいたし方ない部分があるように、まさに新幹線が開通したことで逆に長野市のビジネスホテルは松本市のビジネスホテルよりも大変に苦しい戦いを強いられているわけです。  すなわち、南北格差と言いますが、私は、私が住民であった下伊那郡の町村長のみならず地域の方々が、これは本県民に本来潜在的にはあると思いますが、まさに自主、自律、自己責任の中で歩み出す。歩み出す中で、水平補完のみならず水平協働として県や国や他の地域や人々が手伝っていく。これがリージョナル・コモンズです。  ですから、その意味においては、木曽谷においてもかつては中央西線が走っているわけでございますから、それは、中央本線という本線名から言えば、飯田線というかつて支線と呼ばれたものよりも国家的に大変に重きを置いていたということです。そのことの投資も行われたということです。確かに地勢的には大変に険しい場所ですし、香川県と同じ場所に4万人に満たない方々がお住まいという事実はあります。  しかし、南北格差というのは、インフラと呼ばれるものを整備すれば解消するということではありません。すなわち、そこにおいてどのような志があり、そしてそれをどのようにお手伝いしていくかです。  ですから、私たちは、木曽谷に図書館がないということをお聞きしたときに、仮に潤沢にお金があっても図書館という箱をつくるまでには3年、4年かかります。そうではなく、現在の木曽高校、そして蘇南高校に児童書や乳幼児の本、あるいは成人をした者が読める本も置いて、そしてそこを地域の方々に活用していただくというようなことを行いました。  箱をつくること、つまり起債で行えるような道路や公園や建物が南北格差の解消のみになるわけではありません。すなわち、こうした中において人々の志を一緒にはぐくむということを行います。  ただ、同時に、木曽川に関しましては、国道19号線の交通量が多いという中で、そこにおいて事故が起きたときも、地域の生活道路としてのよい意味での迂回路というものを、地域を通過する方々でなく、地域の方々のためには確保していこうということで、これが私どもの木曽川右岸道路の計画というもの、またその努力につながっているわけであります。       〔1番村上淳君登壇〕 ◆1番(村上淳 君)知事から木曽地域の話も出ましたけれども、今木曽地域で一番問題になっているのは、木曽川右岸道路がいつまでたってもできない。知事の公約の中で早くこの道路をつくろうということをおっしゃっても、なかなかこの問題が解決していない。  それから、第2点。おんたけ交通の問題もあります。木曽郡民の手となり足となり、本当にこの広い地域を路線バスが走っているわけですが、このバス会社が経営難でいよいよ破綻の状況です。この株式を買うのは広域連合であり、木曽の町村でございます。本当に弱小町村がこの会社を救わなきゃいけない。100億円を投資してしなの鉄道を救った長野県が、どうしてこういった地域の小さいバス会社を救うことができないのでしょうか。まさに行政の差別ではないんでしょうか。知事の御所見をお願いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)おんたけ交通株式会社は、いわゆる巨大な公共交通機関であります名古屋鉄道株式会社が株式を保有する企業でございます。平成17年の11月に、この名古屋鉄道株式会社がおんたけ交通株式会社の保有株を地元自治体に譲渡したいということを表明されたわけです。以来、私どもは、当時の企画局の交通政策課を中心として、木曽広域連合やおんたけ交通株式会社等の相談に応じてきております。  この中においては、議員選出の場所であります各町村は、おんたけ交通の路線の維持ということには必ずしもこだわることなく、各町村が交通システムを運営し、よりきめ細やかな住民サービスを提供していきたいという方式をみずからの選択として選ばれているわけでございます。これは、木曽町において、合併で広くなった町域をカバーするべく、ゾーン内の100円均一と乗り継いでも200円均一という巡回バスとディマンド乗り合いタクシーを組み合わせた新たなシステムを町が運営していることからも明らかでございます。  県では、コモンズ交通システム支援事業によって、昨年度、また今年度、このシステムへの移行を支援をさせていただいております。  このように、各町村の意向というものを御一緒に相談に乗らせていただき、よりよいシステムへとし、その中で支援をしていくという形でございます。  なお、名古屋鉄道株式会社は、おんたけ交通株式会社が有する借入金を清算をして経営改善を行った上で、地元町村へ株式を無償譲渡するというお話でございまして、62.3%を広域連合と6町村合計で保有されるというふうに伺っております。       〔1番村上淳君登壇〕 ◆1番(村上淳 君)田中知事には、おんたけ交通や木曽川右岸道路、さらにさかのぼれば山口村の越県合併の問題にいたしましても、やはり長野県庁から、あるいは長野市からこの地域を見ているということで、我々のような財政力の弱い町村は本当に今困っています。これからどのように生き抜いていくのか、長野県を本当に信用していいのかどうかというところまで私どもは追い詰められているんです。そういうことをぜひとも知事には御理解をいただきまして、きょうの一般質問を終了させていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○議長(萩原清 君)次に、小松千万蔵議員。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)県民クラブ・公明の小松千万蔵でございます。  まず、知事に、今定例会初日の提案説明の中で3期目を目指す出馬声明をされましたが、みずからの県政評価と公約を県民に明らかにすべきと思います。  県の中長期ビジョン、「コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」には具体的政策や数値目標が盛り込まれていないわけでありますが、6年間の県政評価するに当たり、その基準や達成度、未達成の理由などを明らかにしていただきたいと思います。  また、出馬するに当たり、新党日本の党首として出られるのか。あわせてお伺いをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)先ほどの村上議員の御質問のときにもお答えしたかと思いますが、まさに従来型の、箱を幾つつくるといった数字が私たちの真の豊かさではないということです。このことを6年前から述べてきており、先般の提案説明においても、まさに私どものこの山河を守りはぐくんでいくということこそが、ここに生きる人々を守りはぐくむことになり、より多くの方々に私どもの県に御期待をいただけるということにつながっていることです。ですから、その意味におきますと、山河を私どもがいたずらに壊し続けるようなことをまず避けるということが大きな私どもの県の目標であります。  今、恐らく、議員の御質問は、何か数字として説明をせよというようなことかと思いますが、これは、2月の定例会、あるいは今議会の定例会の冒頭の提案説明の中で、私どもが、この5年8カ月というもの、私を含めて行わせていただいたさまざまなことは述べているところでございます。これらを逐次述べるということは、いたずらに議員の御質問の時間を消費することになろうかと思います。  これらの多くは、決して手前みそでなく、本県において初めて行われた、あるいは本県のみが、あるいは本県を含むわずかの都道府県が行い得ているということはたくさんあろうかと思います。そして、前から述べておりますように、皆様に残念ながら御同意いただけなかった条例や予算も含めて、それらの今まで私が申し上げてきたことは、これからも本県が目指すべきマニフェストであるというふうに述べているところでございます。  今、新党日本に関して御質問がございましたが、まさに新党日本は、リージョナルなコモンズ、地域のきずなというものを再生していこうという、いわば新しい農本主義に立脚した考え方の政党でございます。  従来、日本においては、中央と地方、すなわちセントラルとローカル、あるいは都会と田舎、アーバンとルーラルというような非常に不毛な二項対立でありました。そして、何か地方というのは一段中央よりも低いかのごときピラミッドの意識がしみついていました。そうではなく、私たちにとっては、それぞれの地域というもの、それは、700人、500人の清内路村や平谷村も一つのリージョンです。220万人の本県も一つの地域、リージョンです。1億2,700万人の日本も一つのリージョンです。これがまさに、ミルトン・フリードマンの近著にありますように、フラットな社会としてネットワークを構築をしていくということです。ですから、縦軸のピラミッド志向がここで認識を改めていただかないと、それは従来の既得権益の社会へと戻っていくベクトルになってしまうということです。  ですから、新党日本は、以前にもお話したように、フランスにおいて例えば首相がパリ市長やリヨン市長を国会議員が兼ねるように、ある意味では地域における改革というものを国の制度疲労した仕組みを根底から変えていくということへとつながっていくということであります。  ですから、私にとりましては信州から日本を変えることであり、信州から日本を変えることに関しては多くの方々に御賛同いただけると思いますし、その一つとして新党日本に集っているサポーターを含めた、あるいは議員も、その私の志を応援してくれるものであるというふうにとらえております。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)党首として出られるかということをお聞きしておりますので、もう一度答弁をお願いします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)私は、一人の有機体である田中康夫でありますし、新党日本の代表でありますし、至らずながら私は文章を書いたり発言をする表現者でございますし、作家でございますし、同時に信州・長野県の知事であります。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)今、新党日本の代表であるというふうに言われましたので、党首として出られるというふうに私は理解をし、なお訂正がありましたら後でしていただきたいと思います。  それでは、具体的に6年間の成果の指標がございます。  平成12年度から平成16年度までの中期5カ年計画の達成度は、128項目のうち、達成は50項目、未達成は78項目であります。これをどのように評価をされますか。知事にお伺いをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ちょっと御質問の趣旨が私の限られた頭脳ではいま一つ判明しなかったところでございますが、提案説明でも申し上げたように、「未来への提言 コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」を今までも及ばずながら拳々服膺をするという中で、さまざまな変革を行わせていただいていましたし、それはきょうもまた変わらないところでございます。その中期5カ年計画というものでございますが、ちょっと今手元に具体的な資料がございませんが、私どもは、少なくとも2回目の選挙のときの5直し8宣言に掲げたもの、これは60項目ほどございましたが、この中の55項目は既に具体的な施策化をされているものでもあります。  また、信州モデル創造枠というものを設ける中で、これに関しましても、信州モデル創造枠の実質的な執行率というものは平成16年度は94.4%、17年度は92.6%であります。こうした中において、30人規模学級でありましたり、宅幼老所、あるいはコモンズ支援金の創設というような形も出てきているわけであります。  なお、先ほどの御質問でございますが、私は田中康夫という有機体だと申し上げたわけです。まさに田中康夫が立候補させていただきたいということを表明したわけです。そして、その田中康夫には、軽井沢町民であったり、信州・長野県現職の知事であったり、あるいはさまざまな肩書がついているわけでして、これは有機体である田中康夫にとっての不可分なものでございます。やはり、この考え方を御一緒に御理解いただいた上での御議論でありませんと、なかなか既得権益を壊してつくっていくということに関しての基本認識のスタート地点を同じくできないのではないかという気がいたします。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)中期5カ年計画も検証されていないようでございますけれども、厳しい財源の中で、改革を進め、新たな長野県をつくるために、他の予算に優先して特別枠を編成した長野県モデル創造枠予算の不執行額は、平成15年5億9,200万円、平成16年8億5,900万円、平成17年11億9,800万円となっております。執行率がゼロの事業は3年間で15事業に上っております。一貫性のない思いつきの事業でなかったのか。経営戦略局長にお伺いをいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  信州モデル創造枠事業についてでございますが、信州モデル創造枠予算というものは、これは、厳しい財政状況にあっても縮み思考に陥ることなく、医療、福祉、環境、教育、産業、雇用など、県民にとって真に必要な施策を重点的に実施していくためのものでございまして、これは平成15年度から実施しているものでございます。  事業の実施に当たりましては、入札差金の不執行、これを徹底するとともに、執行方法の工夫などによりまして経費削減に努めてきたところでございます。  こうした節減額を考慮いたしますと、先ほど議員がおっしゃいましたけれども、信州モデル創造枠予算の実質的な執行率、これにつきましては、平成16年度は94.4%、それから17年度は92.6%となっておりまして、30人規模学級や宅幼老所への支援、それからコモンズ支援金を初めとしまして、これまで多くの成果を上げてきているところと自負をしているところでございます。  平成18年度におきましても、信州モデル創造枠予算を活用いたしまして、161事業、予算額で97億4,472万2,000円を予定しておりまして、県民の皆様の要望にこたえるため、最少の経費で最大の効果が上がるよう事業執行に努めてまいるところでございます。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)それでは、視点を変えて質問をいたします。  誇るべき山河を守り、はぐくみ、持続的な信州・長野県をさらに確たるものにしていきたいと出馬表明で述べております。  誇るべき山河は、中山間地農業ではぐくまれ、現在でも集落のきずなや農業用水を通して共有の財産として守ってまいりました。  田中県政になってからの農業政策はどうでありましょうか。一般会計総予算に占める農政部予算の割合は、平成12年度は7%であったものが平成18年度は3.5%とその比率は半分に落ち込み、特に公共事業は平成12年度対比27.8%、県単は40%と、土地改良事業にかかわる予算は激減であります。  このように、農政部予算は他の部局に比べ大きく落ち込んでいます。その結果、農業総生産額は、平成3年の4,292億円をピークに、平成17年度は2,718億円と37%も落ち込んでいるのであります。さらに、販売農家戸数は、9万戸であったものが5年間に1万5,000戸減少し、7万5,000戸となっているのであります。私が何回か指摘してきた遊休農地は、県全体で1万7,093ヘクタールで、総耕地面積の13.4%に当たり、全国平均の約2倍となっているわけであります。  このような現状から、長野県農業の位置づけはますます低下し、集落機能や中山間地農業は衰退していくばかりであります。  知事の言われる誇るべき長野県の山河は守られるのでしょうか。知事の公約の重要な視点であると思いますが、どのように考えておられるか。知事に。  また、具体的施策は農政部長にお伺いをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)繰り返しお話をしてきておりますけれども、少子社会、高齢社会の中で、私たちは、量の拡大でなく、質の充実を図るということを基本方針に掲げているわけです。したがいまして、まさに少子社会になってくれば人口は減少するわけですから、今議員がおっしゃられた、すべてのところが水田や畑になるということは、これは逆に単価が落ち、消費がされずに売れ残るという形になります。  ですから、逆に言えば、こうした山河を守るということであるならば、そうした遊休農地というものに梅の木を植えるというような形だけでなく、植林をしていく、そしてそのための特区申請をしたり、そのために県のみならず市町村や国も水平協働のもとで事業を進めることで地域雇用を確保するという発想の転換が私は必要であると思っております。  議員は今、農業予算が減っているというお話がありましたが、議員もその中でいみじくも御指摘になられましたように、農業土木の公共事業が減っているということです。しかし、これは、戦後60年間、第1段階、あるいは第2段階としての土地改良事業というようなものは、これはほぼ尽くされているわけです。そして、今行われていることは、高齢になられ、あるいは御子息や御令嬢が両親のもとに戻ることなく、高齢である両親が自己負担をもしてさらなる土地改良の費用を出し、その先に未来は見えないという形です。  私どもは、生活環境部において、まさに水と緑と土と空気をはぐくむという観点のよい意味での組織対応にしております。この点に関して皆様からはいまだ御理解が必ずしも完璧には得られていないようでございますが、私は、過日、本県の土地改良組合連合会でございましょうか、正式名称は、ここは名前を水土里ネットと変えたわけでございます。水土里ネットというのは、水と土と里と書くわけでございます。まさに、土地改良事業を営まれてきた方々こそが私たちと同じ発想の転換をなさっている。残念ながら変わっていらっしゃらないのはこの議場の方々のみであるというようなことが生じないことを私は切に願っております。なぜならば、皆様は、議員のためではなく、あるいは既得権益者のためではなく、県職員の中で意識が変わらない者のためではなく、民度の高い県民のために働くことによって禄をはんでいらっしゃるからです。  したがいまして、私たちは、そのようなあいている農地が農地に戻ることが必要なのか、より質の充実を図るならば、そうした土地を山河を守るために山河に戻していくということも大事なことであると思っております。そして、そうした中で、より質の充実と利益率の高い農業にするために私たちはレス50あるいはレスザン50という事業を大きく掲げて、まさに水土里ネットの方々の意識変革と御一緒に歩もうとしているわけでございます。それを妨げるようなことはゆめゆめなさらぬよう、この場で皆様にお願いをするところです。  なお、先ほど、第2次長野県中期総合計画、これは私が就任する前に、平成12年度に策定をされたものであります。私どもは12年度からスタートしたというものでございます。私は12年度の10月26日に就任しております。そして、その後、私どもは先ほど申し上げた「未来への提言 コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」を新たな県の基本理念、実効性のある理念としているわけでございます。  恐らく、皆様は県政の継続ということをよくおっしゃってこられましたが、私ではない者が仮に知事になれば、浅川ダムを初めとして、ダムは、県政の継続ではなく、県政の転換、断絶としておつくりになられるようになると思います。他の私どもが見直しをしてきた事業も進められるかもしれません。それがよい意味でのサーバントリーダーであります。したがいまして、私どもは、私が、山河を守る、そのことによって人々がはぐくまれるということを脱物質主義の中において述べ、それを皆様に共有していただくために「未来への提言」が生まれているわけでございます。したがいまして、この第2次長野県中期総合計画というものは既に眠りについたものであります。       〔農政部長柳沢直樹君登壇〕 ◎農政部長(柳沢直樹 君)お答えいたします。  今お話のありました、特に遊休農地対策ということになろうかと思いますけれども、耕作放棄地対策でございますが、これは、広く国民の食糧の確保の問題、あるいは国土保全機能の低下といったような問題から、重要な問題と認識しております。  しかし、この問題は、地域条件とか、特に取り巻く環境というのが非常に異なるわけでございまして、身近な市町村ごとに、この辺の問題、その地域の特性を生かした対策を講じておりますし、これからも講じていかなければならないと考えております。  県はこれらの対策について支援をしていきたいと思っておりまして、特定法人貸し付け対策事業による民間企業の農業参入の支援とか、あるいは田舎暮らし案内人、今回、5月1日から配置しておりますけれども、こういったことによって農地の有効利用を進めたいというふうに考えております。  それで、具体的にというお話でございました。それで、とにかくまず遊休農地の実態の把握というのをもう少し詰めなければいけないだろうと。これは、平成17年9月に農業経営基盤強化促進法が改正されまして、市町村基本構想に体系的な遊休農地対策を盛り込むということが位置づけられております。市町村では現在この遊休農地の実態把握を行っておりまして、遊休農地の所在を明らかにして、農業上利用すべきもの、そして他へ転換するものということに振り分ける作業、これを行っているところでございます。  こうして、農業上利用すべきものにつきましては、今田中知事から話があったとおり、質への転換という中で、今ございます制度としては中山間地域の直接支払い制度の活用によってその発生を防止するとかであります。あるいは、先ほど申しました企業等の農業への参入の推進を図っていかなければならない。あるいは、国の事業としては遊休農地再生活用総合対策事業。あるいは、県単のまさにコモンズ支援金の活用によります遊休農地の解消ということに努めてまいる所存でございます。  また、都市、農村交流によりまして市民農園の整備等の促進、こういったものも図ってまいらなければならないというふうに考えているところであります。  こういったように、集団的な解決に努めていかなければならないんではないかということでございます。  また、その中で他へ転換しなければならないというものもあるわけでございまして、こういったものについては、あるものは家畜の放牧の利用に使ったり、また山林への転用、林地化でございますが、こういったところに図る必要のある農地も出てくるんではないかというふうに考えているところでございます。  以上でございます。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)今、遊休地対策の答弁がありましたけれども、遊休地対策だけでなくて、長野県の農政をどうしていくんだというところを私はお聞きしたつもりでございますので、また後ほどお願いをしたいと思います。  集落機能は年々低下をしているんです。平成17年度に支払われた中山間地直接支払事業の支払い額は前年度より2億8,700万円も減少しているわけであります。集落の協定数403の減少や実施面積628ヘクタールが減っているわけであります。どのように分析をしておりますか。農政部長にお願いします。       〔農政部長柳沢直樹君登壇〕 ◎農政部長(柳沢直樹 君)中山間地支払事業でございますけれども、第1期が12年から5年間、12、13、14、15、16とやってまいりまして、その成果として87億8,000万円ほど支払われているわけでございますが、また、17年度からは第2期ということでございまして、新たな5カ年計画でやっておりまして、17年度の実績が16億6,738万4,000円という形になっております。  今、小松議員の方からお話ございましたけれども、17年度からちょっとその辺の仕組みが変わっておりまして、今度は、今までと同じことをやっていてはその支払いを受けられない、それ以上に熟度を上げていかなければならないということがございまして、当然、先ほどの話でもあるわけでございますけれども、同じようなことをやっているんではなくて、やはり質を高めていかなければならないというのがこの事業の中にもあろうかと思います。  そんな中から、今お話がありましたとおり、16年度までのものとはやはり件数あるいは交付額も変わっておりますけれども、例えば17年度の実績と比べましても、本年度、18年度は、同じ協定数、あるいはその協定面積、若干ふえておりますけれども、その中で若干上回る事業、交付金額等見込んでおりますし、そのように、実際のこの中山間地の集落において、本当にその地域の人たちがその地域の質を高めるために計画をつくって進めていく事業に対してこのような支援をしていくという制度でございますので、そういう意味で、若干、数字の面では今小松議員のおっしゃった面もあるかもしれませんけれども、決してそれは後ろ向きの姿ではなく、新しい集落地を救うための取り組みが今まさに進んでいるんではないかというふうに私認識しております。
     以上でございます。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)制度が変わったことは私も承知をしておるところでございますが、前年対比628ヘクタール減っているというところに農政部が努力をしていない。地元へ入ってしっかりと説明をし、そして努力をしていないというところにつながっているんだというふうに思っているところでございます。  中山間直接支払事業の検討委員会からも、国の施策だけではだめだ、県独自の支援を考えるよう意見も出ているのではありませんか。何の手だても考えていないという、そういう検討委員会からの指摘でございますが、これに対して農政部長の答弁をお願いいたします。       〔農政部長柳沢直樹君登壇〕 ◎農政部長(柳沢直樹 君)お答えいたします。  今、私も委員の皆様方ともお話をさせていただいて、私の聞いている範囲では、こういったものについて積極的に活用すべきではないかというようなお話も先日来いただいております。  ただ、金を支払うというこの直接払い、国の制度でございますが、そればかりではなくて、長野県の場合はコモンズ支援金もございますし、まさに地域の中で話し合って、いろいろ計画を進めていく問題について今長野県としても支援しておりますし、そういったイールドを高める作業について私どももっと支援をしていく必要があろうかというふうに考えております。  それも、説明がされてないんではないかというようなお話ございましたけれども、その辺のところは、私ども、農業自律チーム、あるいは農業改良普及センター、本年度から一緒になってまさに一体的に進めているところでございますので、まさに地域に入って地域のために一緒になって汗を流してまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)普及センターの職員は、平成12年度対比、市町村派遣を除いて50人減っているわけです。そういう体制の中で農村の再生がどうしてできましょうか。その辺のところをきちっともう一度検証をしていただきたいと思います。  次に、ポジティブリスト制度に対する県の取り組みはどのようになっているのか。衛生部長にお伺いをいたします。       〔衛生部長髙山一郎君登壇〕 ◎衛生部長(髙山一郎 君)お答えします。  まず、ポジティブリスト制度というものですけれども、これは、食の安心、安全、安定の確保を守るための制度でありまして、県民の健康を保護し維持増進するために必要不可欠な制度であり、また、県政の基本的な課題であるというふうに考えております。  具体的には、ポジティブリスト制度ですけれども、残留基準が設定されていない農薬などがございます。その農薬等、799項目ですけれども、これが食品の中に一定以上、非常に微量ですが、0.01ppmという濃度でありますが、残留している場合、その食品の流通を原則的に禁止するという、そういった制度になっております。  衛生部といたしましては、生産から消費までの間、流通している食品の検査を行います。その上で、この制度は食品衛生法に基づくものでありますので、違反が発見された場合にはこれを迅速に市場から排除する、そして消費者の健康を保護するといったところをきちんとやっていくのが役割であるというふうに考えております。  また、農政部でも、同様に、安心、安全な農作物を消費者に供給するための努力をしております。生産者に対しましてポジティブリスト制度を周知する、また、農薬の適正な使用、その正確な記録、あるいは散布時における飛散防止指導といったことを行っております。衛生部が消費者に安心して安全な農産物を消費していただけることを支援をする。また、農政部は、生産者に安全に生産していただけるように助言、指導するといった組み立てで、県内の農産物、畜産物から残留基準を超えて農薬が検出された場合には、連携を密にして、この究明、あるいは再発の防止といったところに対応してまいりたいというふうに考えております。  以上です。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)この制度は3年間の準備期間があったわけでありますが、農家や農産物加工会社への徹底は本年度に入ってから始めたのであります。取り組みが遅かったのではないか。JA以外の県内の農産物集出荷者や直売所のすべてまで、私が調査したところ、徹底されていないのであります。県の意識が甘いのではないか。今までの取り組みに対して、農政部長、衛生部長のそれぞれ御答弁をもう一度お願いいたします。       〔農政部長柳沢直樹君登壇〕 ◎農政部長(柳沢直樹 君)ポジティブリストについて農政部の対応についてお尋ねでございます。  農政部といたしましては、先ほど衛生部長がお答えしたとおり、ポジティブリスト制度を生産現場である農家へ普及、啓発するということによりまして、安全、安心な農産物を消費者の皆様にお届けするということが最も重要な務めであろうというふうに考えております。  このため、今、今年度からというお話がございましたけれども、平成15年5月の食品衛生法の改正以降、衛生部の方と連携をいたしまして、農家や農業技術者に対しまして、各種会議、研修会など、あらゆる機会をとらえて農薬の適正使用と飛散防止について周知徹底を図ってまいりました。これまで延べ1,000回を超える啓発活動を実施したところでございます。  なお、本年5月29日に、ポジティブリスト施行後も農家から各地の農業改良普及センターの方へ、例えば農薬の適正な散布時期はいかがなものかとか、農薬が飛散した場合の責任の所在、あるいは栽培品目が多くて農薬の使用記録が難しい、こういったような御相談もこれまで集計したところ25件ございました。これらにつきまして、それぞれに説明し、個別に対応をしてきているところでございます。  また、農薬飛散防止対策、いわゆるドリフト対策でございますけれども、これにつきましては、近隣の田畑の農薬散布による飛散が原因で農産物から基準値を超える残留農薬が検出されることのないよう、農家に対する技術的な支援を実施しております。  具体的な指導内容といたしましては、例えば早朝など風のないときに農薬散布を実施するであろうとか、農薬散布時には隣接圃場の園主に必ず声をかけるなど飛散防止を徹底するということ。あるいは、飛散低減ノズル、障壁作物、防薬ネット、こういったものの飛散の低減技術を導入すること。さらには、先ほどもありましたけれども、農薬などの使用記録を徹底する。こういったことについて、農薬飛散の防止に万全を期するようにお願いをしてきているところでございます。  また、さらに、果樹試験場におきましてスピードスプレーヤによる飛散状況確認調査、あるいは低風圧防除効果、飛散低減ノズルの効果など、こういった農薬の飛散低減効果を確認するための試験も実施しているところでございます。  以上でございます。       〔衛生部長髙山一郎君登壇〕 ◎衛生部長(髙山一郎 君)お答えいたします。  ポジティブリストに対応する衛生部の取り組みについての御質問ですけれども、私ども、生産指導あるいは農薬の使い方といったところは今農政部長がお答えしたとおりでありますが、衛生部といたしましては、正確な検査、正確なデータを出すというところが最も本質的な部分と考えまして、検査体制の充実を図ってまいりました。  具体的には、ポジティブリスト制度の導入に当たりまして、食品検査体制の充実、整備といったところが必要になります。そういたしますと、例えば、昨年、平成17年度に高速液体クロマトグラフ質量分析計という非常に精密な食品検査ができる機械を環境保全研究所に導入したところであります。また、現有機械では農薬の検出基準であります0.01ppmの精度を保つといったところが非常に努力を要する部分がございまして、この精度を保つために、あるいは対象農薬の増加に対応するために、平成18年度、今回ですが、ガスクロマトグラフ質量分析計の導入を考え、お願いをしているところでございます。  そのような体制を整えた上で、私どもは、県できちんと分析が行える体制をつくり、またその項目をふやしてまいりたいというふうに考えております。具体的には、SOPという分析の標準的な方法をきちんと県で決めた農薬数をふやしてまいりたい、そして農薬の検査が必要に応じて適切に行える体制をつくってまいりたいというふうに考え、鋭意努力をしているところでございます。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)補正予算で残留農薬検査機器が環境保全研究所に設置されることとなっております。3年前に制度で決定しているにもかかわらず、補正予算で慌てて導入することや、環境保全研究所の検査機器は古く、効率が悪いので、新しく導入するよう監査委員から指摘をされていたものであります。このことこそ泥縄と言わざるを得ないのであります。  安全、安心は最も重要なことでありますが、どう考えておられるか。衛生部長に。  また、組織再編の結果がここにあらわれているんじゃないかと思いますので、経営戦略局長にお伺いをいたします。       〔衛生部長髙山一郎君登壇〕 ◎衛生部長(髙山一郎 君)お答えいたします。  ただいまお答えした部分と一部重複いたしますが、私どもの基本的な考え方としては、ポジティブリスト制度にきちんと対応したい。それは、大きく考えれば食品検査体制をきちんと整備していきたいという考え方であります。  このポジティブリスト制度というのは本年の5月29日から実施されておりますが、799という膨大な検査の対象の農薬が定められております。その検査の対象となる農薬のうち598の農薬に関しましては、平成18年の5月に国から試験法が示されたといった実情もございます。  こういったいわゆる国の動き、あるいは私どもの全体的な整備の中で、今回、この検査機器、ポジティブリスト制度に対応する検査機器、ガスクロマトグラフ質量分析計というものがこの時期に必要であって、もしこの時期にこの機械が導入することができたならば今年度中に計画的にSOPの作成を進めていくことが可能である。また、そのSOPというのが、具体的には400項目くらいを年度内に整備したいと考えておりますが、もし400項目の整備ができるとしたならば、これは国の検疫に準ずる程度の項目数になりますし、長野県のポジティブリストに対する対応、あるいは農業に対する姿勢、考え方といったところをきちんと示せるといったところも考えまして、ぜひにとお願いするものであります。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えをいたします。  組織再編に影響が出ているんじゃないかと、こういう御質問でございますけれども、農薬、肥料の規制等の業務、これは、従来、農業の生産性の向上という側面から農政部の所管でございましたけれども、今回の組織改正では、農産物が食品であり、その安全性に影響するという面からとらえまして、保健衛生に関することを所管いたします衛生部に移管したところでございます。  農産物の安全、安心を高めるための業務を一括して衛生部で所管することによりまして、食品たる農産物の安全性の向上を図り、消費の拡大に結びつけることを目指したものでございます。  食品における残留農薬の検査は、従来より、これは先ほど衛生部長からも説明ありましたけれども、食品衛生法を所管する衛生部が行っておりますけれども、今回の組織改正によりまして、農薬取締法も所管することで、農産物から残留基準を超えて農薬が検出された場合、その原因究明のための生産調査から流通までの一連の調査を保健所が行うことができるようになりまして、調査のスムーズな実施が見込まれているところでございます。  ほかにも、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律、いわゆるJAS法でございますけれども、この所管が衛生部となったことによりまして、食品の安全、安心とあわせまして、農作物に係る表示監視指導と一体的に実施できるようになったわけでございます。  その他、家畜保健衛生所が衛生部の現地機関になったことによりまして、食肉衛生検査所、それから保健所との情報共有が今まで以上に進みまして、鳥インフルエンザやBSE発生時の情報伝達、それから危機管理体制の構築、予防指導、こういった食の安全、安心に関する体制の強化が図られているところでございます。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)衛生部の対応が遅いわけでありますし、また、組織再編によります連携が一つもとれていないと、そんなことを強く思うわけでございます。  ポジティブリスト制度で一番気を使うのは、農薬の飛散であります。平成17年度当初予算概算要求で、農政部は、県下の市町村に防薬ネット、防風ネットの設置希望調査をし、65%補助で5億9,000万円の事業要求をいたしました。この金額、全額が知事査定で落とされてしまいました。農薬飛散防止、ポジティブリスト制度対応予算であったものであります。  今、果樹農家は、防薬ネットを導入し、設置を急いでおります。また、動力噴霧器やブームスプレーヤの噴霧口を変えて、できるだけ飛散しないためのシャワーノズルに交換するよう進めています。ブームスプレーヤの場合、1台15万円かかるとのことであります。レタスの産地、洗馬地区だけでも300台、4,500万円かかると言われております。  長野県農産物の安心、安全をアピールするため、防薬ネット、シャワーノズルの交換等に補助をすべきと思うが、どのように対応されるか。農政部長にお伺いをいたします。       〔農政部長柳沢直樹君登壇〕 ◎農政部長(柳沢直樹 君)私も、2年前の話、防風ネットということで話は承っております。  今後、ポジティブ制度でございますけれども、ポジティブ制度に限らず、今、頑張っていらっしゃる農家の皆さんにどうやって支援していくか、声をいろいろ聞いていきたいというふうに考えております。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)補助をするのかしないのか。もう一度お聞きをいたします。  衛生部長にお伺いをいたしますが、ドリフトに起因する残留農薬の基準値を超えた場合の事故発生時の公表基準はどのように考えておられるか。また、万が一の場合の危機管理体制についてもあわせてお伺いをいたします。       〔農政部長柳沢直樹君登壇〕 ◎農政部長(柳沢直樹 君)先ほどもお答えいたしましたとおり、農業者、先ほどもございますけれども、レス50、レスザン50とか、新しい農業を取り組まれる皆さんに対して、またポジティブリストの関係もございますが、そういった皆さんの声をお聞きしながら支援策等について検討してまいりたいというふうに考えます。       〔衛生部長髙山一郎君登壇〕 ◎衛生部長(髙山一郎 君)お答えします。  済みません。お答えの前に、先ほど私が、いわゆる公定法にかかわる農薬598項目が本年の5月に通知されたと申し上げましたが、正確には18年4月18日付の厚生労働省の医薬食品局食品安全部長通知によるものでございました。ちょっと数字を間違えて申しわけございませんでした。  その上で、このポジティブリストの対応に関します例えば公表基準といったお尋ねでありますけれども、このポジティブリストに対応するためのきちんとした検査、分析の体制を整え、またその精度を上げてまいります。その上で、実際の対応に関しましては、私どもとまた農政部ともきちんとよくお話し合いをいたしまして決めていきたいというふうに考えております。  その上で、実際に、このポジティブリスト制度というのはまさに議員の御指摘のとおり、危機管理にもかかわるところであろうと思います。要するに、これまでは作物ごとに使っていい農薬というものが決められており、逆に使っていい農薬にしか細かい決まりがありませんでした。それが、今度は、基本的に検出されてはいけない0.01ppm以下という濃度であるという制度に変わりまして、しかも、その農薬が799種類もあるというそういう制度に変わったわけです。  実際にそういったところでもし何かが起きた場合、確かにそういう農薬が検出されないかもしれない、何も起こらないかもしれないわけですけれども、何かが起きた場合にはこれはいわゆる危機管理の考え方になるわけで、そういった場合には大量に集中した検査のニーズといったものが発生するであろうというふうに考え、私どもは、前もって想定され得る検査項目に対してきちんと集中しても県で検査ができるように対応していきたい、そのための体制をつくりたいというふうに考え、今準備をしているところであります。  また、その体制が今の段階から準備が可能になりまして、予定どおりに体制の整備が行われた場合には、他の自治体よりも項目数も多く、きちんと対応できる体制ができるというふうに考えております。  また、このポジティブリスト制度ですけれども、最初に申し上げましたとおり、基本的に食品衛生法にかかわるものでありまして、流通、収去による検査がよいものと考えておりますが、例えば、これも農政部とも十分に協議をいたしまして、生産段階における農作物の検査、簡易検査といったことが実際に現場では行われているわけで、そういった場合のトラブル、アクシデントといったところにも柔軟に対応できるというように考えてまいりたい。それらをもって私どもの危機管理の考え方といたしたいと考えております。       〔23番小松千万蔵君登壇〕 ◆23番(小松千万蔵 君)この制度は5月29日からもう施行されているわけでございまして、公表基準もまだできていない、危機管理もまだできていない。風評被害とか、長野県の農産物がどういう形で、この基準を超えた農薬が出たときになるのか。その辺が農政部と衛生部が一致していない。個々ばらばらの政策でやっているところに…… ○議長(萩原清 君)小松千万蔵議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆23番(小松千万蔵 君)原因があるんじゃないか。そのことを申し上げまして、質問を終わります。 ○議長(萩原清 君)次に、林奉文議員。       〔7番林奉文君登壇〕 ◆7番(林奉文 君)あおぞらの林奉文でございます。初めに、大型風力発電計画への対応についてお伺いいたします。  昨年来、マスコミでも数多く取り上げられていますが、伊那市高遠、長谷から諏訪郡富士見町に連なる入笠山、鹿嶺高原にて、民間企業2社による大型風力発電計画がされています。その規模は、丸紅の子会社である三峰川電力株式会社が1,000キロワット風車、最高地上高100メートルを最大30基、青木あすなろ建設は1,670キロワット風車、最高地上高110メートルを最大33基を建設する計画が公表されております。  須坂市の峰の原高原に1,600キロワット11基、栄村の鳥甲牧場にも計画されるなど、県下各地に大規模な風力発電計画が持ち上がっています。その背景は、2002年3月に地球温暖化対策推進大綱が閣議決定され、再生可能な風力発電を当時の31万キロワットから300万キロワットに拡大することが盛り込まれ、新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOの助成によって積極的に推進しているからであります。  風力発電はクリーンエネルギーの一つとして評価できますが、自然の生態系や景観への影響等想定され、日本野鳥の会や多くの山岳会、長野県自然保護連盟、環境会議諏訪、三峰川みらい会議等14団体が入笠山周辺の風力発電をやめさせる会を結成し、先月27日には100人余が参加した現地の学習会が行われ、霧雨の中、私も参加してまいりました。  この周辺は、保安林に指定されており、また、2004年に長野県が作成したレッドデータブックに記載されている絶滅危惧種の猛禽類の生息地であり、えさ場でもあることや、絶滅危惧種のミヤマシロチョウなどが生息し、我が国でも貴重なチョウの宝庫であることを現地で学んでまいりました。  あおぞらでは、5月末に、石川県企業局が設置した能登半島の碁石ケ峰風力発電所を調査してきました。この発電所は、NEDOの補助金を50%受け、平成10年に2億4,000万円余で建設し、一般家庭230戸に相当する600キロワットアワーの発電能力を持ち、北陸電力に1キロワット当たり11円10銭で15年間の売電契約を結んでいました。  小高い丘の上に立つ59メートルの風車は、たびたび雷の直撃を受け、200トンのクレーン車でなければ修理できず、平成17年度は600万円の赤字、当初の計画では20年間で採算がとれる見込みでしたが、現在の試算では29年でようやく黒字が見込まれ、県議会でたびたび追及されているそうであります。建設については、計画の段階から自然保護団体や野鳥の会とも協議を重ね、合意を得てきたことと、県立公園内であるが、景観上問題を指摘する声はなかったとの説明でしたが、近くでは風車の歯車のカタカタという音が少し気になったわけであります。  一昨日、伊那市において、「自然エネルギーと私たちの未来」と題して、伊那谷の環境にふさわしい新エネルギーを探るシンポジウムが開催され、各分野から200名を超える皆さんが参加され、関心の高さを感じたところです。基調講演された神奈川工科大学の森武昭教授は、風力発電はコストを追求すると大型化し、環境問題が生じて設置場所も限定されてしまう、これからのエネルギー政策は、節電と、各家庭が太陽、風力、水を使った小規模発電が大切なのだと問題提起されております。日本野鳥の会の自然保護室長は、猛禽類の生息地の破壊や、バードストライクと呼ばれる風車への衝突による死亡が各地で発生していると指摘されました。また、工事用道路の開設に伴う自然破壊を懸念する意見も出されました。  こうした声を踏まえ、企画局長にお伺いいたします。  地球温暖化防止の観点からクリーンエネルギーの活用は歓迎されるべきものですが、設置場所によってはそれ以上に環境に負荷を与える大型風力発電については、環境や景観保全の視点からガイドラインを設定し、設置すべきでない区域を明確にして公表すること、二つ目には、石川県の例に見られるように、計画の段階から関係する地域住民や団体の声が反映され、合意を得てから推進するルールをつくる2点についてお答えください。  次に、一定規模以上の風力発電の建設については長野県環境影響評価条例の対象とすべきと思いますが、生活環境部長の御所見をお伺いいたします。       〔企画局長太田寛君登壇〕 ◎企画局長(太田寛 君)お答え申し上げます。  近年、日本におきます風力発電の導入というものは急速に進んでおりまして、建設適地でございます海岸線の立地区が一段落してきておることから、今後、県内の立地計画が増加する可能性がございます。  風力発電につきましては、自然エネルギー利用の観点から、その推進を図ることが必要であると考えております。  一方で、自然環境や景観等に影響を及ぼすおそれのある場所への大型風力発電施設の建設につきましては十分な検討が必要と考えます。その検討が必要な場所の要素といたしましては、保安林など森林機能の保全が必要な地域、自然公園や鳥獣保護区のように自然関係や鳥などの生態に影響を及ぼすおそれのある地域、希少野生動植物に影響を及ぼすおそれのある地域、景観に影響を及ぼす稜線等の地域の四つを考えております。  これらの要素を踏まえまして、法令の規制の強さや環境、景観の保全の観点から大型風力発電施設の建設を避けるべき場所、これを図面に示しますいわゆるアボイドマップを作成、公表していきたいと考えております。  御指摘のありました入笠山周辺につきましては8月末を目途に作成し、順次全県に広げてまいりたいと考えているところでございます。  それから、2点目でございますが、風力発電施設の建設に際しまして、住民等関係者の意思が適切に配慮されるということが必要であるということでございます。  アボイドマップによります回避や変更を指導、助言することに加えまして、森林法等の各種許認可等に先立ちまして、事業者から十分な情報をいただいた上で事業計画を公表し、住民、地元市町村を初め関係者の皆様によります意見交換の場を設けることにより、いただいた意見が事業計画に十分反映される手続、こういったものを要綱に定めていきたいと考えております。  この要綱につきましては、この後、生活環境部長からお答え申し上げます大型風力発電施設を環境影響評価条例の対象に追加することとあわせて検討していきたいと考えておるところでございます。       〔生活環境部長木曽茂君登壇〕
    生活環境部長(木曽茂 君)大型風力発電計画への対応についてお答えいたします。  現在の長野県環境影響評価条例の対象は、道路の建設など、規模が大きく環境影響の程度が著しいものとなるおそれがある14種類の事業となっております。風力発電施設建設事業につきましては対象となっておりません。  風力発電を初めとする再生可能エネルギーの活用は、地球温暖化対策を推進する上で重要な取り組みであると認識しております。しかしながら、規模の大きな風力発電施設については、自然環境や景観等に少なからず影響を及ぼすおそれがあると指摘されております。そのため、一定規模以上のものにつきましては長野県環境影響評価条例の対象とすべく検討してまいります。       〔7番林奉文君登壇〕 ◆7番(林奉文 君)私が提案した方向での検討がされるという答弁でしたので、全県に及ぶ問題ですから、早急な対応を強くお願いしておきたいと思います。  次に、幼児対象の野外における環境教育の推進についてお伺いいたします。  あおぞらでは、環境先進国のスウェーデンやドイツにおける幼児期の野外における環境教育を紹介し、長野県での実践を幾度か提言してまいりましたが、保育所や幼稚園、学校での環境学習の実践例は数多くあるものの、子供たちが自然の中に身を置いて体の五感を通じて学ぶ、実践を通じて裏づけられた日本野外生活推進協会のカリキュラムを謙虚に学んで、本県の幼児教育に生かしていただきたいと改めて提案いたすものであります。  スウェーデンで40年ほど前から始まったムッレ教室と呼ばれる野外教育とは、五、六歳の幼児を対象とした自然の中での遊びや観察活動を通じて、自然を楽しみ、自然の大切さを学んでいく保育活動です。ムッレとはスウェーデン語で土を意味する言葉ですが、子供たちには森をきれいにする妖精と説明されており、子供たちの友達としてさまざまな自然のメッセージを運んでくれるファンタジーな世界となっています。  スウェーデンでは800万人のうち既に200万人以上がこの教室に参加した体験を持ち、今日の環境先進国を築いてきたと言われており、ヨーロッパ諸国はもとより、日本でも数年前から兵庫、滋賀県等の保育所で取り入れられ、注目されてきています。  あおぞらでは、この5月、兵庫県の元市島町の保育所で、野外保育の経験の長いリーダーの引率する幼児と一緒に水田のあぜ道を歩きながら、咲き誇る菜の花やイズノオドリコソウを摘み、森まで歩き、リーダーが、ごみを捨てるとお花さんが隠れてしまい、かわいそうだよねと語りかけると、摘んできた草花を入れるために持ってきた袋へ目につくごみを拾い集める行動が自然に行われ、感動的な体験をすることができました。この町では、多くの保育所でこうした保育が組織的に実践されています。  滋賀県では、市島町の実践に学んで、国松知事が、環境問題の解決に向け、行動する人間を育てるには幼児期に体験を通じて環境を学ぶことが大切だ、全県での実施を目指すとして、エコライフ推進課に環境学習支援センターを設置し、環境学習に取り組む県民、地域団体、NPO、事業者や行政の主体的取り組みの充実やネットワークづくりをサポートしています。  私たちが訪問した支援センターは、本当に狭い部屋でしたが、3人の常勤職員がおり、環境学習に関する情報提供や、環境学習のリーダー養成講座の企画と実施、幼児自然体験プログラムの検討、普及などについて、専門的な非常勤講師とともにタイアップした幅広い活動が行われておりました。  こうした先進事例を真摯に受けとめ、教育委員会のこども支援チームが中心となって生活環境部などの関連部局と連携をとり、系統的な幼児の野外保育の実施を改めて提案するものですが、教育長に御所見をお伺いします。  また、滋賀県の環境教育の実態を調査された生環部長に、部としての対応策についてお伺いいたします。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)幼児対象の環境野外教育の実践についてお答えいたします。  県教育委員会では、平成17年3月に、長野県幼児教育振興プログラム、「0歳からの信州子育ちのために」を策定いたしました。  その一つとして「いろいろな人やもの、自然と友だちになる」があり、各市町村や幼稚園、保育所、地域や家庭が連携して取り組めるように、環境野外教育の先進的事例を挙げております。  具体的には、休耕田を借り上げて体全体を使った泥遊びで気持ちよさを感じるとともに、田んぼの中の生き物と触れ合う事例、近くの山を遊び場にして丸ごと自然の中で遊ぶことの楽しさを味わいながら心や体づくりを行っている事例、継続的に植物や生き物を育てることにより発芽や命の大切さに触れている事例、スウェーデンで開発された自然教育プログラム森のムッレ教室の事例などを紹介しております。  幼児期における自然体験活動や自然体験プログラム等については、その重要性を認識しており、体全体で自然に浸り込み、感動体験を通して自然について学ぶところを期待するところであります。  系統的な幼児の自然体験プログラムの検討、普及のためには、議員御指摘のとおり、指導者の養成や関係機関との連携が重要であると認識しております。このため、幼児教育振興プログラムの実践とあわせ、自然観察インストラクターや県環境保全研究所が行っている自然触れ合い講座等と連携し、各園の実情に応じた環境学習が推進されるように市町村や関係団体に働きかけてまいります。  また、就学前教育から小学校教育への円滑な接続が重要であることから、幼稚園、保育所、小学校の職員等を対象とした幼児期における自然体験活動の研修会も計画しており、教員や保育士の力量を高め、資質の向上を図ってまいります。       〔生活環境部長木曽茂君登壇〕 ◎生活環境部長(木曽茂 君)幼児対象の環境教育についてお答えいたします。  幼児から高齢者まで、それぞれの年齢層に応じ、あらゆる場において相互に連携を図りながら環境教育、環境学習に取り組むことは、大変重要なことでございます。  例えば、子供たちが水辺の観察会やごみ拾いなどのさまざまな環境活動に取り組むこどもエコクラブの活動を通じて、本年度から幼児の皆様にも参加いただけることになりました。このことから、県教育委員会と連携し、幼稚園、保育所へも募集案内を行い、新たに495名の幼児の皆様を登録し、活動していただくこととなっております。  系統的な幼児教育の実践のためには、長野県幼児教育振興プログラムを策定している県教育委員会と連携しながら、地域の実情に応じた環境学習の取り組みを進めることが重要でございます。例えば、植物、昆虫や地質などの各分野の知識を有する自然環境インストラクターなどの人材派遣や、環境学習情報を積極的に提供してまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔7番林奉文君登壇〕 ◆7番(林奉文 君)最後に、田中知事の目指す県政についてお伺いいたします。  知事は、今議会の初日に、三たび知事選に立候補されることを表明されました。議案の提案説明で詳しく述べられましたので多くは申しませんが、前県政でつくり出された1兆6,000億に達する膨大な借金財政を立て直すために財政改革推進プログラムを策定し、平成12年から17年までの5年間に923億円の県債を減少させ、利息だけでも1日当たり1億4,200万円から、今年度の当初予算では8,700億円にと、県民に見える形で財政の健全化へ大きく前進したことは高く評価できるものです。また、福祉、教育、環境を重視した県政は多くの県民の誇りとするところです。  しかし、現在の自民・公明政権は、さきの国会での医療制度大改悪によって国民や医療機関にその責任を押しつけ、金がなければ真っ当な医療を受けることができないことや、一度廃案になったはずの障害者自立支援法が息を吹き返し、高齢者とごちゃまぜにした障害認定によって現場での混乱や本人負担の大幅増など…… ○議長(萩原清 君)林奉文議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしましたので発言を終了願います。 ◆7番(林奉文 君)世界第2位の経済大国とは名ばかりの医療や福祉、年金制度の後退は許しがたいものです。  そこで、就任5年8カ月の間に福祉・医療分野での県政の到達点と、これからの4年間の知事の目指す方向について御所見をお伺いし、私の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)繰り返しますが、量の拡大から質の充実ということであります。そして、私どもが長寿日本一であり、そして老人の医療費が全国で最も低いということは、逆に言えば、永遠の1位はございませんから、より気を引き締めねばなりません。そして、そのことはやはり常に基本に返るということです。  高齢な方の働く率が全国で最も高い、女性の方の働く率が最も高い。それは必ずしも終戦直後や戦中のような貧しさからではないということです。人が人として生きている実感を感じられる瞬間が、それは苦痛としての労働でなく、喜びとしての労働としてあるから結果として長寿になっているのだと思います。  昨日のそのグランドセミナーにおいて、ごみに関しましてゼロエミッションを実現していくという徳島県の上勝町。私たちは、いたずらに巨大なガス化溶融炉を設けたり、ごみの処理施設を設けていくということでの新たな箱物行政で自治体の負担をふやすということは、これは本県の目指すところではありません。そして、これは市町村が行う、広域が行うのだとしても、私たちは基本的に水平協働をしていこうと言っているわけでありますから、これは上勝町のような形が2,000人だからできるけれども、220万人ではできない、30万人ではできないというのは、言いわけにすぎません。  この上勝町は、同時に、お年を召した方々が、横石知二さんの指導のもとに、この方も徳島市出身のよそ者でした。そして、「いろどり」というところがさまざまなつまものを扱って、月収でも200万を超えるようなお年を召した方がいます。80歳の方々も元気に働いています。それは、やはり、そこに生きている実感を得られる喜びがあるからだと思います。  基本的なさまざまな施策は今まで私たちが行ってきていますし、今年度、例えば心友・傾聴ボランティアといった、お元気なお年寄りがお年寄りのところを訪ねてお話を黙ってお聞きして、心を開いて、そこでお互いに元気になっていく、こうした事業を初めさまざま出てきます。  ただ、基本は、以前にもお話したかもしれませんが、アフリカのマリ共和国のドゴン族の言葉は、収穫をすることとお祭りをすることが同じ単語だそうでございます。宇宙学に関しても、そして芸術に関してもすぐれたこのドゴン族は、決して語彙数が、ボキャブラリーが少ないわけじゃありません。スワヒリ語よりも多い民族です。しかし、その人たちが収穫をすることとお祭りをすることが同じ単語であるのは、それはやはり人間がその瞬間生きている確かさの喜びです。  そして、そのことが、本県の低額な医療費によって、そして高齢である。今、国が本県の数字のみを求めて導入しようとしていることは、まさに、小泉純一郎氏、竹中平蔵氏、宮内義彦氏に象徴される非常に効率主義の社会です。そうではない私たちは、真の充実の社会をつくるということを引き続き行う。それが山河を守り人々をはぐくむことで、全国のモデルとなってより輝いていく信州から日本を変えることだと思っております。  こうした理念は、「コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」でいち早く述べていることです。それに基づいて個々の政策を皆様と行っていくわけで、この基本理念を共有しない限りは、それは本県の変革は進みませんし、あるいは、巷間よく言われる理解が進まない、溝があるという形です。この理念を共有できない方々は、そうではない信州をどうつくりたいのかをお示しになるべきだと思います。  ただ、あえて言えば、それは恐らく私以前に戻るという変革でありまして、それは県民の多くや国民の多くが望み期待するところでは決してないと思います。 ○議長(萩原清 君)昼食のため午後1時まで休憩いたします。         午前11時50分休憩          ──────────────────         午後1時1分開議 ○副議長(佐野功武 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  藤沢詮子議員。       〔28番藤沢詮子君登壇〕 ◆28番(藤沢詮子 君)精神障害者支援について質問をいたします。まず、精神障害者への福祉医療給付事業対象範囲の拡大について伺います。  福祉医療あり方検討委員会の提言に基づき、福祉医療制度のあり方が見直され、2003年度から新規に精神障害者が福祉医療の対象に加えられました。しかし、福祉医療対象範囲が、身体障害者は身体障害者手帳1級から3級まで、知的障害者は療育手帳A1、A2、B1までとなっていますが、精神障害者は精神障害者保健福祉手帳1級で、しかも通院のみとなっています。  厚生省発行の精神保健福祉法詳解の中で示されている等級の程度の比較で見ても、福祉医療の対象とされる身体、知的障害の等級と精神障害者保健福祉手帳2級は同等のレベルと考えられています。この問題についてはさきの2月県議会で永井県議も質問されておられますが、答弁は、市町村とともに見直し方法も含め協議していきたいと述べるにとどまっていますので、改めて私からの質問をさせていただきます。  精神障害者に対する福祉医療の対象は精神障害者保健福祉手帳2級まで拡大し、あわせて入院も含めるべきと思いますが、衛生部長に御答弁いただきます。  次に、所得制限の改善について伺います。  身体障害者手帳の1級、2級、知的障害者療育手帳A1、A2、B1所持者は所得制限が特別障害者手当準拠、これは年間約620万円相当に当たります。しかし、精神障害者は市町村民税非課税世帯、年間100万円程度です、のみとなっており、所得の面からも他の障害に比べ対象範囲がごくわずかに限られています。  精神障害者についても所得制限を特別障害者手当準拠とすべきであると思いますが、同じく衛生部長、答弁をお願いいたします。  次に、精神障害者憩いの家事業の存続について伺います。  作業所やデイケアにも通えない、在宅での精神障害者の日中の居場所や相談、交流場所としての憩いの家事業は、国の法律の谷間を埋めてきた県独自のすぐれた施策であります。しかし、憩いの家事業は自立支援法には該当しない施策であるため、利用者、家族を初め設置者からも不安の声が上がり、事業の継続が望まれております。この願いにこたえていただく今後の対応を求めるものですが、社会部長、お答えをいただきます。       〔衛生部長髙山一郎君登壇〕 ◎衛生部長(髙山一郎 君)精神障害者の福祉医療に関するお尋ねです。  まず、精神障害者に対する福祉医療の対象を精神保健福祉手帳2級まで拡大し、あわせて入院も対象とするようにするべきではないかという御指摘、また、所得制限に関して特別障害者手当に準ずるべきという御指摘でありますが、2点についてあわせてお答えいたします。  まず、御指摘のとおり、長野県の精神障害者に対する福祉医療制度ですが、精神保健福祉手帳1級該当者を対象としております。また、市町村民税非課税世帯という所得制限を設けており、通院医療のみを対象としております。御指摘のとおりです。  この精神障害者に対する医療費の助成額ですけれども、平成17年度の実績額が581万円、平成18年度予算額は、障害者自立支援法の影響を考慮して、950万円を計上しているところです。  身体障害者あるいは知的障害者などに比べまして、精神障害者への支援について格差があるということにつきましては、関係団体からも改善の要望をいただいており、これは課題として認識をしているところです。  この制度の見直しにつきましては、市町村の状況や意向を把握するための調査を行い、また、調査実施の上で内容の分析などを行う必要があります。また、障害者自立支援法施行による福祉医療への影響なども考慮した上で、市長会、町村会、また県の3者で見直しの方法等も含め協議し、進めてまいりたいと考えております。  御指摘の精神保健福祉手帳2級までの拡大、あるいは所得制限につきましても、この協議の中で議論をしていただく予定でおります。  以上です。       〔社会部長田中透君登壇〕 ◎社会部長(田中透 君)お答えいたします。  憩いの家事業は、精神障害者や引きこもりの方の社会参加を促進するため、平成14年度に国に先駆けて導入した県の単独事業でございまして、憩いの家事業は現在県下に15カ所設置されております。平成17年度には運営費に661万3,000円助成をしており、定員総数は143名、実利用人員は年間2,749名、年間延べ利用実績は1万6,173名でございます。  このような実績から見ましても、本県におけます本事業は障害のある方の自律生活や社会参加を促進するために重要な役割を果たしていると考えておりますので、県としては引き続き支援していきたいと考えております。  また、障害者自立支援法のもとで、10月からは市町村が実施主体となる地域活動支援センターなどに移行が可能な場合もございますので、設置者と相談しながら移行の支援もしてまいります。  今後とも、市町村と水平協働の精神にのっとりながら、国の制度のはざまにある方々への支援を充実してまいります。  以上です。       〔28番藤沢詮子君登壇〕 ◆28番(藤沢詮子 君)憩いの家事業につきましては引き続き御実施いただくということですし、自立支援法に基づいても御検討いただくということですので、ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。  それから、福祉医療給付対象範囲の拡大についてですけれども、市町村の状況把握ということで今御答弁ございましたが、精神障害者福祉医療の県下の実施状況を見ますと、2級まで拡大は10市町村、それから3級まで拡大が29市町村、県を超えた等級というのは合わせて39市町村に上っております。また、入院、通院ともに実施が42市町村、所得制限では特別障害者手当制限なしが34市町村です。  既に多くの市町村は県の対象範囲を超えて拡大しているわけでありますので、県が対象を拡大すれば本人のみならず実施市町村も応援することになるわけです。対象範囲の拡大はまさに道理にかなったものであります。強く見直しを求めるものですけれども、ことしは福祉医療の見直しの年にも当たりまして、先ほど御答弁の中で市町村と協議というお話がございましたけれども、私ども、福祉医療のあり方の見直しにつきましては、かつて私もこの本会議の場におきまして、当事者を抜きにしての検討委員会はあり得ないということで申し上げた経過がございます。ぜひ、受給者をこの検討の場に入れていただいて見直しを図っていただきたいと強く申し上げておきます。この点につきましては知事に御所見を伺いたいと思います。  次に、難病患者への支援について伺います。  医療法の改悪を初め、介護保険法、障害者自立支援法など、相次ぐ国による国民負担増大につながる改悪が難病患者の生活環境を悪化させております。  県は、国に対して、難病に苦しむ患者と家族への総合的な支援を求めるとともに、県においても安心して治療と生活のできる温かい支援をしてほしいという関係者の願いは切実であります。  そこで、県難病患者連絡会からも強く要望されております難病特別対策事業の充実とウイルス肝炎医療費給付制度の継続について質問をさせていただきます。  2003年度から始まった難病相談支援センター事業は、難病患者と家族の療養上の問題を初め生活での悩みや不安解消の相談活動を通して、社会参加促進など地域での具体的な支援体制を構築していく事業として、昨年度末までに北海道を初め20都道府県で開設をされ、残りの県でも準備が整いつつあります。都道府県が実施主体でありますが、患者会や支援団体などが主体的にかかわれるよう事業運営を患者会などへの委託も可能です。そんな中で、今もって取り組みが開始されていない数県の一つが当県であります。設置に向けての取り組みの状況についてお聞きをいたします。  あわせて、専門医療拠点病院と協力病院、地域の医療機関が連携、協力して入院など医療の確保を初め、福祉施設への専門的な助言など支援体制確立のための難病医療連絡協議会の設置と事業推進のための難病医療専門員を配置する重症難病患者入院施設確保事業も早期促進が必要と考えますが、衛生部長に御答弁をいただきます。  次に、ウイルス肝炎医療費給付制度の継続について伺います。  この10月からウイルス肝炎医療費給付制度が変更され、医療費の自己負担に対する給付が原則入院のみとされ、通院での治療を受けている患者の負担が大きくふやされることになりました。患者を初め、家族の皆さんからは怒りと落胆の声が上がっております。私のところにも先日患者の方からのお電話がございました。  衛生部長の名前で、通院補助打ち切りの改正の経緯と考え方を示した通知が届いたが、補助を打ち切られてしまえば治療を続けられないという訴えでした。この女性は、1週間に一回のぺグインターフェロンとレベトールという薬を併用しての治療をしているが、現在は1カ月1万円から2万円で済んでいるが、補助がなくなれば1カ月8万円から9万円かかるようになる、とても治療を続けてはいかれないというものです。  この通知によって通院補助打ち切りが現実のものであることに切ない叫びを上げている患者と家族の思いを県は改めて受けとめて、善処をしていただきたい。心から願って、以下3点質問をいたします。  2月県議会で、高村京子県議が、全国に誇るこのすぐれた事業は現在の対象者については継続をと求めたことに対し、衛生部長は、フィブリノゲン製剤等の使用歴のある患者は医療機関での証明があれば通院についても原則給付の対象にすること、証明についてはカルテにフィブリノゲン等の使用の記載があれば認めたいと答弁しています。また、受給者への通知にもこの旨記載されております。  そこで、伺いたいのですが、医療現場での周知はどのようになっているのでしょうか。  さて、ウイルス肝炎の発症への認識について伺いたいと思いますが、現給付対象者への県の通知には、病気の中には重い病気であっても医療給付がないものが多くある、長野県には県が支援し、援助を行わなければならないウイルス肝炎以外の患者がたくさんいる、この皆さんに肝炎への医療補助を見直して福音を分けてほしいという文面がございます。  そこで、長野県が25年間にわたりウイルス肝炎医療費助成制度を続けてきた基本的な考えの一つである、医原病としての性格を有するこの疾病に対する見解を伺います。  長野県は、ウイルス肝炎の発症が針刺し、輸血、非加熱製剤の使用など医療行為によって引き起こされたものが多くあり、医療行政の不備に起因するものについては行政としての支援が必要という立場に立ち、これまで支援を続けてきたのではないでしょうか。この長野県の取り組みは、道理にかなうすぐれた先進的施策として、県内は言うに及ばず、全国のウイルス性肝炎の皆さんの希望の光でした。全国的にも、ウイルス肝炎訴訟では製薬会社や国の責任が問われ、患者の皆さんの主張が認められてきております。他の疾病と同列視することは世の流れに逆行することであります。  長野県は、すぐれた施策の実践者として、患者や家族とともにこの先進的な取り組みを全国に発信し、医療費助成を国の制度として実らせる努力こそ求められているのではないでしょうか。御見解を伺います。  次に、給付対象者の生活実態をどのように把握されているのか。お伺いをいたします。  通院補助外しの理由の一つに挙げられているのが、仕事をしながら通院できるようになった、つまり経済的には自立できるようになったから支援の必要性は薄くなったということでありましょうか。
     そこで、所得階層別の給付対象者の分布状況と年齢構成についての現状をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)まず、先ほど来の精神障害者に対しての福祉医療の点でございますが、これは、御存じのように、まさに水平補完として市町村も協働しなくちゃいけないことであります。これを見ますと、例えば長野市であったり松本市というものは県の補助基準に従った形でございます。所得制限はあるにせよ、軽井沢町であったり塩尻市といったところは、より広げた形、3級までの方々への支援をしておりまして、勘案いたしますに、それぞれの自治体長のお考えもあろうかと思います。あるいは、さまざまな該当される方の人数による市町村の負担額というようなこともあるのかもしれません。  ですから、この点に関しまして、就学前の児童の無料化というものに関しても私どもの方から市町村とお話をする中で実現したわけでして、この精神障害者に関しても、とりわけこうした松本市や長野市のような、あるいは掲げていることとしては福祉の充実ということを掲げていらっしゃるところが今申し上げたような実情でございますから、こうした方々のお考えというものを精神障害に関しましても改めてお聞きをする必要があろうかというふうに思います。  無論、水平協働ですから、皆様のお知り合いの議員の方々がそのような活動をなさるということも有効なことです。  難病患者に関してでございますが、無論、ウイルス肝炎、とりわけ、先般、最高裁判所で出ましたB型肝炎訴訟のもの、あるいは大阪地方裁判所で出ましたC型肝炎訴訟のものは、集団予防接種あるいはフィブリノゲン製剤による感染というものに関して国あるいは製薬会社の責任というものを明確に認めたわけであります。  つまり、これは権力による国民に対しての危害であったわけでありますから、このことが司法の場においても明確な責任が明らかになったわけです。その意味においては、こうした中で高額な医療費に苦しまれたり、あるいは日常の生活、就業を初めとして著しい制約を受けられたり、あるいは社会の目としての差別を受けられたりといった方々がいらっしゃるわけですから、ウイルス肝炎に関しての本質的な救済策というものを国家として講ずる必要があると。これは改めて述べるまでもないことだと思います。  本県は、北海道、東京、富山県、愛知県と並んで、国ではこうした問題に関しての医療費給付制度が存在しない中、従来から医療費給付を行ってきております。これは他の4都道県と比べましても最も高い水準というものを保っておりまして、見直し後におきましても、人口1人当たりの給付額というものは最も高いという県でございます。ですから、本県を初めとする取り組みを参考にして、国がこうした問題に関しての支援措置を打ち出していくということは極めて肝要でありまして、この点に関しては、皆様も同じ思いであられるならば、ぜひとも一緒に御協力いただきたいと思っております。  また、本県の給付制度は、C型肝炎訴訟の争点となっておりますフィブリノゲン製剤、いわゆる血液製剤の使用歴のある患者の方への医療費給付については引き続き通院医療費も対象とさせていただいているわけでございます。また、本県では、ウイルス肝炎の早期発見や早期治療を目指して、患者の方々に対する適切な医療を提供すべく、無料検査の実施や診療協議会の開催などを引き続き行っていくところでございます。       〔衛生部長髙山一郎君登壇〕 ◎衛生部長(髙山一郎 君)お答えをいたします。  まず最初に、難病特別対策事業にかかわる2点の御指摘に対しましてお答えをいたします。  発生の原因が不明で、かつ治療方法が確立されていない、いわゆる難病の患者さんに対しましては、総合的な相談、支援や、あるいは地域における受け入れ病院の確保を図るため、この難病特別対策推進事業を進めています。  まず、難病相談支援センター事業ですが、地域で生活する患者さんと、その家族の皆さんの日常生活における相談や支援、地域交流活動の促進などを行う拠点施設を設置して、患者さんあるいは家族の皆さんのさまざまなニーズに対応していくという趣旨です。本県では、県内の10の保健所あるいは長野県難病患者連絡協議会、いわゆる難病連への補助事業として実施している難病相談事業などの中で、患者さんあるいは家族の皆さんへきめ細かい支援を行っているところです。  今後も、患者会など皆さんと連絡をとりながら、患者さんや家族の皆さんにとってどのような形での支援が必要であるか、これを把握するとともに、他県の具体的な取り組みを調査しながら、このセンターの設置の必要性を含めて検討を行っていきたいと考えています。  次に、重症患者入院施設確保事業についてです。  居宅での療養が困難で、入院治療が必要になった患者さんに対しまして適時適切な入院施設の確保が行えるように、地域の医療機関の連携による難病医療体制の整備を図るものでありまして、本県を含めまして全国で42の都道府県が実施をしています。  本県では、神経難病患者さんを対象といたしまして、協力病院を平成13年の12月に信州大学附属病院など24カ所を指定しております。また、緊急の入院に対応するため、平成14年2月に神経難病医療連絡協議会を設置いたしました。これら協力病院のネットワークの体制の方針、運営について検討を行っているところです。  今後ですが、拠点病院の指定、また連絡相談員の配置等につきまして神経難病医療連絡協議会において必要性を検討し、難病相談支援センターとも密接な関係がありますことから、このセンターの設置とあわせまして検討を進めてまいりたいと考えております。  続きまして、ウイルス肝炎に関するお尋ねです。  まず、フィビリノゲンの使用歴のある患者さん等に関しまして、医療現場にどのように伝えられているかという周知に関するお尋ねでした。  まず、このことに関して基本的な認識は、本年の2月議会で答弁をいたしましたとおりであります。重い肝硬変あるいは腹水や黄疸が出現した場合や肝がんといった病気になった場合などは、これは本来の難病の性格が強いものと考えております。  フィビリノゲン製剤の使用歴の証明についてですけれども、具体的には、現在、長野県のウイルス肝炎診療協議会というものを立ち上げ、その中で協議をしていただくことを予定しております。この協議会ですが、現在、患者会の代表の方、肝臓病の専門医、開業医などの皆様から人選をいたしまして、また御協力いただけるかどうかについて確認をいただいている最中であります。7月中には開催をいたしまして、製剤使用の証明方法などについて具体的に決定をしていきたいと考えています。  また、診療協議会おきまして、証明に当たっての方法、手順について決定され次第、これは速やかに御通知を申し上げ、新たな医療費給付制度を適切に運用してまいりたいと考えております。  それから、今の患者さんの生活、所得に関しての把握をどのように行っているかという御指摘でしたが、所得の階層別の給付対象者の分布ですが、昨年度末の受給者の数が全体で4,897名です。このうち、所得が一番低い区分になります生計中心者が市町村民税の非課税である方々は1,603名でありまして、受給者全体に対して32.7%です。  なお、生計中心者が市町村民税非課税の方々につきましては自己負担はないという状況です。反対に、所得階層が高い生計中心者の所得税が年額14万円よりも多く負担されている方々は942名でありまして、受給者全体に対しまして19.2%となっています。また、年齢構成ですけれども、B型肝炎の感染者は50歳代が181名で30.7%を占めており、C型肝炎の方は60歳代が1,596名、37%であり、全体では60歳代が1,735名、35.4%となっておりまして、これがそれぞれ一番多い年齢階層になっております。       〔28番藤沢詮子君登壇〕 ◆28番(藤沢詮子 君)精神障害者の福祉医療のあり方について知事から御答弁をいただきましたが、私は市町村との協議をしなくてもよいと言っているわけではございません。このあり方を検討するに当たって、当事者の御意見をしっかり聞く場をつくられるかどうかということを伺ったのでありまして、この点については再答弁を求めます。  それから、相談支援センター、衛生部長から御答弁ございましたが、保健所の相談会というのは年7回、それから患者会が事業補助を受けて開催している相談会というのは先ほどお話がありましたように年間10カ所で行われているわけですが、これはまさに患者会の善意に支えられたものです。県としての日常的な相談・支援体制の確立が必要である、もっと真剣に努力をすべきではないかということで質問をさせていただいたわけですが、患者会への相談活動への事業補助というのは年間64万円です。相談会でかかる費用をお聞きしましたら、最低でもその倍額、130万円になるとのことでありまして、患者の方も御家族も経済的に大変な中で身銭を切っての相談活動をしているわけでございます。  そこで、私は、もう一度、現在行われている相談活動、患者の皆さんの支援充実のために何が必要であるのか。先ほど衛生部長からも御答弁がございましたが、患者の皆さんからよくお話をお聞きして、それとともに全国的な取り組みからの教訓に学んで、促進に向けて一歩進めるように強く御要望を申し上げておきたいというふうに思います。  さて、ウイルス肝炎の給付制度の継続の件でございますが、知事は、国の責任、この問題はもちろん私もそう思います。しかし、国の責任ではあるけれども、県としてこれまで築いてきた25年間の実績といますか制度、これは今幾ら全国的にも優位な立場に立つものであっても、患者の皆さんからすれば後退であることには変わりがないわけです。所得階層別の給付対象者の分布状況、そして年齢構成の現状について御答弁をいただきましたが、まさに高齢者、そして低所得の層にこの受給者が集中しているということではないでしょうか。  低所得層の方というのは、まさに54%を占めているわけです。働けるようになったからというお話がございましたが、60代の方が一番多い、この皆さんに、自分たちの家計をつくっていくためにもう少し働けということでしょうか。  この皆さんというのは、これまで無料か、外来は月額2,250円で治療を受けられた患者さんたちです。この配慮があったからこそ、治療を継続してこられたのではないでしょうか。年間100万円程度、生活費が月8万の患者さんが、高額療養費制度で対応しても2万4,600円の医療費を払わなくてはならない状況に追い込まれるんです。私が先ほど紹介したペグインターフェロンとレベトールを併用しての治療には1年近くかかるとのことであります。圧倒的多くの救済されない患者さんで経済的な理由で治療を中断せざるを得ない患者さんに対して、県は手を差し伸べるべきではないでしょうか。  治療をすれば完治できるときを迎え、それも難治性の患者は2割弱と言われています。あと五、六年たてば8割近くの患者の皆さんが完治の可能性を持ち得ると言われている現在、私は、せめて低所得層に対しての救済措置を、通院補助の継続をと考えるべきと思いますが、知事の温かい答弁をいただきたいと思います。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまの御質問に関してでございます。  長野県ウイルス肝炎診療協議会というものをフィブリノゲン製剤等の使用歴の証明方法に関して設けて、この中で協議をしていくということを予定をいたしております。この協議会は、現在、患者会の代表の方や肝臓の専門医あるいはそのほかの医師等を含めて人選をしていこうというふうに考えております。早い時期にこの会を立ち上げて、製剤使用の証明方法というものに関して明確な形で決定をいたしていきたいというふうに思っております。  先ほどの精神障害の部分に関しての御質問のところもございましたが、各市町村においてもそうした悩まれている方々が入った形での協議会があるとは限らないわけでございまして、大半のところは、乳幼児の医療のときもそうでございますけども、こうした住民の参加がないまま決定をされてきているというところがあります。私どもは、この点に関しては、きちんと受給者も協議の場に参加をしていくという形であります。それぞれ市町村におかれても、やはり水平協働を望まれるのであるならば、こうした形を各地域においても行っていただけるということが望ましかろうというふうに思っております。       〔28番藤沢詮子君登壇〕 ◆28番(藤沢詮子 君)確かに福祉医療制度は市町村が主体でやっておりますけれども、私は県の対応によって市町村も変わると思います。そして、何よりも当事者の皆さんの声をきちんと把握できる場をつくってほしいというふうに申し上げたわけでございます。  先ほど審査会のお話もありましたが、通院助成の対象となる医原病、ウイルス肝炎については、医療現場からの申請で始まって、最終判断は県を初めとする審査会ということでありますが、私は、ここで、可能性のある方は最大限生かす努力を強く求めておきたいと思います。  なお、私は、今でも、これまでの対象者は全員給付すべきであるという考えに変わりはないことは申し上げておきたいと思います。  さて、ウイルス肝炎について知事に御答弁いただいたわけですけれども、私は、低所得の皆さんへの温かい支援をぜひやってほしいと、このことをお聞きしたわけです。月に8万円程度の方が2万円もの医療費を払わなくてはならない。知事さんも衛生部長も、このことをおわかりになりませんか。ぜひ真摯にとらえていただきたい。低所得層だけでもとりあえず結構です。減免制度をぜひつくっていただきたいと再度質問をさせていただきますので、お答えいただきたいというふうに思います。  知事は、先ほど、信州から日本を変える、高い理念をお話されました。公共事業でも借金返済でも、実践を通して国に働きかけ、信州・長野県から国を変える、頑張ってこられたのではありませんか。全国で注目され、国としての責任が問われているウイルス肝炎への対応も、患者の立場に立ちきるという確固とした実践を貫いて国を変えていただきたいと強く申し上げたいと思います。  駐車禁止での道交法に基づく営業車両への駐車許可証の発行について伺います。  この6月1日から、民間監視員による駐車違反の全国一斉の取り締まりが始まりました。配達、集荷、運送にかかわる中小業者への対応について伺います。  長野県においても、長野中央警察署と松本警察署管内の市街地を中心とした規制強化路線、地域を民間の駐車監視員が巡回し、駐車違反の確認を行うことになりました。  もちろん、悪質で危険、迷惑な駐車違反の取り締まりは当然のことでありますが、営業用車両への配慮をしてほしいというのが事業者の声であります。道交法45条1項では、駐車禁止区域で人の乗りおり、貨物の積みおろしなどの駐車は警察署長の許可を得た場合は駐車違反にならないと定めていますし、国会答弁でもその趣旨が確認されています。  そこで、当県としても、この45条1項を生かし、申請者には許可証を発行すべきと思いますが、警察本部長の御見解を伺います。  なお、最後に、松本、小諸青年の家閉所に伴う事業補助制度の創設についてですけれども、ぜひ施設使用の多くが青少年育成事業、そして社会教育関連事業であることを思うとき、事業助成を初め出前講座の積極的な対応など、県としての支援を強く要望申し上げ、質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)先ほど少し説明不足だったところがございまして、北海道と東京都と富山県、愛知県、そして本県が、こうしたウイルス肝炎の医療費給付というものを行っていると申し上げました。別に金額の多寡で申し上げるということではないかもしれませんが、富山県はちなみに全体で1,000万円という形でございますので、人口1人当たり、肝炎がある地域のみが著しく多いというようなことではなかろうかと思います。多少のばらつきはあるかもしれませんが、先ほど申し上げたような国家的な過誤によってでございますから、全国にあるわけでございます。こういたしますと、富山県の場合には人口1人当たり約9円という予算措置でございます。東京都の場合、2億5,000万円でございますが、人口1人当たり21円という措置でございます。愛知県の場合は2億3,000万円でございまして、人口1人当たり33円でございます。本県は2億6,000万円でございまして、人口1人当たり117円という形でございます。  ですから、多寡で申し上げる、単純に言い切れるものでないとおっしゃるかもしれませんが、少なくとも全国47都道府県の中で5都道県が行い、そしてその中において私どもはけた数が1けた違うという形で支援をさせていただいているというものであります。  今、議員からは、低所得であられる方々あるいは御高齢であられる方々というようなことへの言及がございました。この実情について、まず改めて調査をいたしたいというふうに考えております。       〔警察本部長渡辺巧君登壇〕 ◎警察本部長(渡辺巧 君)駐車の取り締まりに関する駐車許可証の発行の件でございます。  警察署長の駐車許可の発行基準は、道路交通法第45条第1項、御指摘の条文であります、また、長野県道路交通法施行細則第7条に基づきまして、公益上または社会慣習上の必要から一定のやむを得ない事情がある場合に、交通の安全、円滑への支障などを総合的に判断して許可するものであります。やむを得ない事情といたしましては、故障車両のため応急修理を必要とするもの、5分以内に貨物の積みおろしができないもの、冠婚葬祭等社会慣習上使用するもの、警察署長が特にその必要性を認めたものが限定的に規定されております。  この基準に照らしますと、いわゆる一般的な配達業務に関しましては原則として駐車許可の対象とはなりません。駐車場所の確保など、自助努力をお願いしているところであります。今後とも、各方面からの御意見を参考にしながら適正な運用に努めてまいります。 ○副議長(佐野功武 君)次に、田口哲男議員。       〔2番田口哲男君登壇〕 ◆2番(田口哲男 君)御苦労さまです。私は2点の問題について質問をさせていただきます。最初に、知事にお伺いをいたします。  知事は、「こわすから創る」、そのステージに進もうということで、5年半、約6年ですか、頑張ってきたと思います。特に、知事は「コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」ということを盛んに言っておられるわけでありまして、一体これは何なんだろうかということを私も常々考えておりまして、ああ、そうだ、これは5直し、八つの宣言に書かれていることを果敢に遂行することが「コモンズからはじまる、信州ルネッサンス革命」ではなかろうかというふうに、県会議員をやって3年たってようやくこのごろ気がついたと、こういうことなんでございます。  5直しは、水、森、道、田、街。そして、八つの宣言は、変えます県庁から始まる八つの宣言。つまり、八つの宣言の主なものは、今までの長い長野県庁の体質というものを徹底的に変えようと、こういうことでの行政組織の見直しが主に八つの宣言だというふうに考えておるわけであります。  そこで、知事に、やり過ぎだ、壊し過ぎだといろいろ言われ、しかも協調がないといろいろ言われておりますが、この信州ルネッサンス革命を遂行するための5直し、八つの宣言は、知事として今時点どれだけ進行しているのか、あるいはまだ物足りなさがあるのか。まずお伺いをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)ただいまのお話でございます。大変に的確な御認識をいただけていて、まずうれしく思います。  5直しという中で、今議員もおっしゃられた、森であり、田であり、水であり、道であり、街と。あえて申し上げれば、先日の提案説明でも述べたように、私はやはりこの信州の空気というものもコモンズの共有物であり、またこれをはぐくむということは大変大事なことであろうと思っております。  こうした中で、公共事業の改革というのはこれは費用を縮減することなのではなくて、以前から申し上げているように、循環型経済、循環型の社会というのは環境だけではございません。緑のダム構想なのではなく、なぜ脱ダム宣言であったかと言えば、これは、費用に関しても、雇用に関しても、地域でできることは排他的な山国意識ではない形で循環型にするということであります。それが脱ダム宣言の精神でありまして、こうした中で、道直しや、森直しや、田直しをより進めるべく入札改革というものを行ってきたと、このように思っております。  そして、その中におきましては、出直し知事選のときにはまだ確たる形ではございませんでしたが、例えば信州型木製ガードレールというものがございます。これは、私、あるいは私どもの職員の想像をはるかに超えて、全県下あるいは全国の方々に非常に御賛同いただいたわけです。このことは、ごらんになればより実感をされると思いますし、写真をごらんになったり、あるいは全国知事会の場で言葉で説明するだけで大変な反応があるということは、すなわち21世紀の脱物質主義の社会に私たちが生きている、あるいはその中で新しい社会をつくらねばということを皆が無意識の中においても非常に持っているということじゃなかろうかと思います。  本県の道路というものは、県管理の道路だけでも5,172.3キロございます。そして、この中で、県管理の道路でガードレール、これは有料道路は別でございます、の延長は1,934.3キロメートルでございます。この中で、私どもは、平成16年度、17年度、18年度の計画も含めまして、3年間で木製のガードレールの設置延長は16.6キロにとどまっております。  実は、耐用年数は、木製ガードレールがおおむね15年、鋼製のガードレールがおおむね20年強というふうに言われているわけでございます。そういたしますと、これはよい意味で皆様に御理解をいただける循環型の雇用や経済になってきます。  鋼のガードレールは全国で製造メーカー5社しかありません。すなわち、脱ダム宣言同様、本県以外の場所に本県民の税金が流れていくという形です。ある意味では、私の最大の、マニフェストという言葉は私は苦手でございますけれども、行うべきことは、林野庁も積極的に補助金をつけて公共事業の質的転換を図ろうとしているときに、本県がこの木製ガードレールを、数値目標を設定するわけではございませんが、1,934.3キロある県道の例えば1割とか5割とかが木製ガードレールになるということは、それを見ることによって、これこそが実体のある老若男女のよい意味での情操教育といいますか、私たちの社会のあり方の学ぶべき姿があるということかと思います。  5直し、8宣言というものに関しまして、先ほども申し上げたように、60項目のうちおおむね55項目以上は実際に行っていると申し上げました。しかし、この点に関しては、木製ガードレールというものをふやす、そのことは、実は、先日も、武蔵野美術大学の教授であります柏木博氏を初めとする信州型木製ガードレール開発事業技術審査委員会というものが6月20日の日に行わせていただきました。これは、独立行政法人の森林総合研究所でありましたり、財団法人の土木研究センター技術研究所の方でありましたり、あるいは私どもの林業総合センターや、信州大学の農学部、あるいは私どもの工業技術総合センターの者が入っての議論でありますが、それぞれの三つの形も、それぞれの場所の景観によって非常にマッチぐあいがよいもの、あるいはこれはここの場所がよりよいというような非常にすばらしい議論をいただいております。私は、このことを鋭意進めることが本県から変わる象徴になろうかと思います。  同時に、信州きこり講座に関しましても、既に1,625人の方々が平成13年から17年度までの間に修了されました。このうちの54%の方は建設あるいは造園の方でございます。林業の方は14%でして、そのほかの方、NPOの方やボランティアの方、あるいは新規にIターン、Uターンされた方々であります。こうしたことも行っていくことが必要でございます。  無論、私は、議員も先ほど申し上げました、広葉樹と針葉樹が現在4対6であるものを、これからの50年間で6対4へと逆転をしていくということを掲げております。そして、この点に関しましては、御存じのように、私どもは林業に関しましての新しいプランを立てて、実績間伐という形であったものを計画間伐で、具体的に目標を設定してきちんと毎年間伐を行う、そしてその中で広葉樹をふやしていくということを行います。これも、ある意味では、大事な、結果として、水や森や土だけでなく、空気をも変えることになろうと思っております。       〔2番田口哲男君登壇〕 ◆2番(田口哲男 君)ガチンコ勝負がいつのまにか勇み足で、私がまだ質問してないのに答弁というこういうことになったそうですが、これから伺います。  実は、森直しの中に、先ほど知事からもお話がありましたが、広葉樹と針葉樹の比率を変えていく、そして豊かな森林の再生を推進する、このように書かれております。また、ガードレールについても、ガードレールや小学校や高校などのいす、机等についても、でき得る限り県産材を使っていく。つまり、森直しの中では、単に間伐だとか森林を整備するということと同時に、使う側の受け皿をつくっていくということで、私はこの点については評価をしたいというふうに思います。  確かに、私は、森直しの面で言えば、平成13年、この表で見ると、なるほど田中県政というのはしっかり針葉樹と広葉樹の比率のための具体的な施策をやっているんだということをちょっと数字で申し上げたい、このように思います。  田中知事が平成12年の10月に就任をし、したがって実質上13年までは前県政を継承したと思うんです。平成13年では、苗圃、苗木の業者は広葉樹を186万5,000本程度植えておったわけです。ところが、平成14年度から、このように広葉樹と針葉樹の比率を適正化するという田中県政の指針に従って、実は、619万7,000本、一気に3倍近く苗木業者もそれにこたえて植えているということなんですね。これは評価していい、正当に私は評価すべきだというふうに思うんです。  が、しかし、現実に林相構造改善事業というものは進んでおるのかということを私は林務部長にお伺いしようと思ったら、いや、これは環境面だから生活環境部長だと。私はちょっと唖然としたんですね。林相構造改善事業というのは、森林行政の中では一番柱とするものである。が、しかし、それが生活環境部に移管ということはまことに遺憾であるというふうに私は思っておりますが、林相構造改善事業の現状について生環部長にお伺いをいたします。       〔生活環境部長木曽茂君登壇〕 ◎生活環境部長(木曽茂 君)お答えいたします。  林相改善事業の現状についてでございます。針葉樹と広葉樹が適度に入りまじりました森林は、針葉樹の人工林に比べて、多様性に富み、森林の持つ多面的な機能を持続的に発揮することができると考えております。このため、信州の森林づくりアクションプランに基づき、間伐の実施に当たりましては、通常2割程度の伐採を3割以上に伐採する強度間伐を推進しておるところでございます。これによりまして、林内の明るさを確保し、種子の発芽を促すなど、自然の力を最大限に活用したり、必要に応じて広葉樹の苗木を植栽するなどして、地域の在来植生である広葉樹の発生を誘導、育成し、広葉樹と針葉樹が適度に混交した森林を造成してまいります。  林相改良に結びつく間伐事業につきましては、昨年度は県内で約1万6,000ヘクタールを実施したところでございますが、本年度におきましては、より計画的に間伐を進めるため、森林所有者が利用しやすいように補助制度を大きく再編し、1万7,000ヘクタールを目標に取り組んでおります。  以上でございます。       〔2番田口哲男君登壇〕 ◆2番(田口哲男 君)私は、過去、この議場でもこういう言葉を言ったことがあります。尾根松、沢杉、中ヒノキと、こういう言葉ですね。これは、当時、戦後、長野県の植林をする場合の合い言葉になっていたのですね。私も、南木曽の実家の方には若干の山がありまして、当時、小学校高学年からおやじに連れられて、その言葉どおりに木を植えてきた経験があります。当時は1町歩3,000本運動というのをやりました。したがって、5町歩というと1万5,000本の木を植えなきゃいけないということで、恐らく1万5,000本を私が20歳ごろまで植え続けましたので、相当かかったと思うんですね。  尾根松、沢杉、中ヒノキというのは、尾根は乾く、乾燥に強い松を植えよう。それから、沢筋は水分がある、したがって杉を植える。あるいは、木曽の方ではサワラを植えるんですね。サワラの方がはるかに値がいいということで。それで、真ん中の一番いいところは高いヒノキを植えると、こういうことで植えてきたんですね。  これを改善していこう、針葉樹ばっかりになってしまった。したがって、これを民間の協力を得ながら林相構造改善事業をやる。松本でも幾つか取り組んでおりますが、なかなかこれは大変なんですね。ですから、ただ単に環境面だけでシフトしちゃって、果たして、この事業を今までやってきたわけですね。今、生環部長の話のあったとおりやってきたんですが、林務部との連携というものを非常にきちっとやらないとこの事業進んでいかないんじゃないかと。少なくとも、長野県は105万ヘクタールの森林を有した全国でも有数の森林県なんですね。やっぱり、ぜひとも連係プレーをやっていっていただきたい。この点について、生環部長、どのような考え方を持っているのか。もう一度お伺いをいたします。       〔生活環境部長木曽茂君登壇〕 ◎生活環境部長(木曽茂 君)私どもが、この4月に組織改正によりまして、林務の一部の事業を引き継ぐことになりました。その中で、今申し上げました針葉樹、広葉樹の混交林の重要性につきましては林務の方から強く要請をされておりまして、先ほど申し上げましたように、信州の森林づくりアクションプランに基づいた間伐に沿った形での強制間伐の中で針葉樹それから広葉樹の混交林の促進ということで、林務部とスクラムを組む中で進めてまいるということでございます。  広葉樹の森においては、非常に植生も豊かになりますし、また、伴って動物の種類も多くなるというようなことで、有用性が非常に高いというような部分がございまして、自然保護にも結びつく部分がございますので、引き続き林務部との連携を密にする中で進めてまいりたい。これは、鳥獣保護対策というような部分が生環部に参りましたけれども、その部分とも非常に関係する部分でございますので、林務部との連携は重ね重ねやっていきたいというふうに思います。  以上でございます。       〔2番田口哲男君登壇〕 ◆2番(田口哲男 君)次に、林相構造改善と関係があるんですが、東京都では、花粉症対策本部というものを設置して、杉とヒノキについて本格的に伐採をするんだ、そして花粉を飛ばさない杉苗、ヒノキに植えかえていくということを長期プログラムとして出しているわけですね。全国に約3,000万人と言われる花粉症、私は花粉症こそが衛生部へ行くものだろうと思っておりましたら、いや、これは林務部だよということなんですね。どうなっちゃっているのかなということだったんですが、それで林務部長にお伺いします。  特に、花粉を飛ばすのは杉、ヒノキで30年物と、こう言われておりますが、長野県には今、杉、ヒノキ30年物、大体どれくらいあるのか。お伺いをいたします。       〔林務部長加藤英郎君登壇〕 ◎林務部長(加藤英郎 君)ただいまの御質問ですけれども、ちょっと手元に正確な資料がございませんが、杉の人工林が県内の人工林の17%ですか、ヒノキ、サワラで同様の数値だというふうに私今記憶しております。齢級別のパーセントまで正しいのはちょっと承知いたしておりません。       〔2番田口哲男君登壇〕
    ◆2番(田口哲男 君)日本の国土が約3,800万ヘクタール、そのうち森林が2,500万ヘクタール、そして、そのうち杉、ヒノキが1,000万ヘクタール植わっているそうであります。しかも、そのうちの半分が30年物。したがって、爆発的に花粉が飛び交うという状況。そして、3,000万人の人々が花粉症で悩まされると、こういう状況なんですね。  「シンシューベリーマッチ。」というスローガンを掲げておいしい空気をと言っているんですが、知事、脱花粉症を本格的にやる、そういう決意でぜひやっていただきたい、こういうふうに私は思っております。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)その点は、石原慎太郎氏もかねてから、花粉症に突如おなりになられて以降、物書きは本来想像力が、自身がそうでなくても、あるかと思いましたが、実体験されると非常に大きな声でおっしゃっています。  ただ、他方で、皆様御存じのように、屋久島という島があります。これは、屋久杉と言われるくらいで、杉の宝庫であります。ただ、屋久島にお住まいの方、あるいは屋久島にその時期に私のようなものが出かけてもさしたる花粉症、私も花粉症はもう20年以上でございます。これは極めて不思議な話でございます。それは、中国が非常に緑が荒れる中で、そこで生息できない杉の花粉が、人間の生きる意欲同様に、遠くにまで飛んでくるということと同様で、屋久島のような場所の杉は心穏やかに育っているということでもあろうかと思います。  もう一方で、詳しくは医師でもあります副知事の澤田祐介にお聞きいただいてもと思いますが、メビウス理論というのがございまして、毒は薬であり、また薬は毒となるというところがございます。すなわち、花粉に思い切りさらされることによって逆に治療効果を上げるということもございます。  森林整備に関して評価をいただいておりますが、これはまさに2年とか4年で成果が出るものでは箱物行政と違ってありませんから、多くの方が理念としては掲げられても、森林整備に県単独で踏み出すという地域が少ないわけでして、私たちは、目先のためでなく、50年後、100年後のために県政改革を行っているわけでして、それが森林整備につながっております。  あるいは、空気ということで言えば、廃棄物の条例を出させていただいているのも、まさに信州を守るためにこの廃棄物の条例をつくらねば、緑が荒れ、水が荒れ、空気が荒れる、土が荒れるということになるわけでして、これに御理解をいただけない方というものは信州を滅亡していく企てをお持ちの方であるということにほかなりません。  戻りますと、メビウス理論もございますので、少しくこの点は、御助言もいただきましたので、早急にさらに実践的検討を、あるいは検討の上の実践をできるようにと思っております。ありがとうございます。       〔2番田口哲男君登壇〕 ◆2番(田口哲男 君)ちなみに、沖縄と北海道は花粉症患者が極端に少ない。先般、ある旅行社が脱花粉症ツアーということで募集したら大変な応募があって、沖縄に行ってきた、そして1週間いたら治ったと、こういうニュースが出ておりまして、あっと思ったのです。私が言っているのは、30年物の杉、ヒノキが花粉の源なんだと。屋久杉が花粉の源ではないということですから、誤解のないようによろしく。  最後に、リニアの問題について御質問をさせていただきます。  リニアは国家的なプロジェクトでございまして、この2月にも古田議員がリニア促進のための質問をしていただいたわけですが、私も同感だと思っております。  先般、JR東海は株主総会を開催しまして、リニアを本格的に稼動させるために山梨にある実験線を約2.5倍、48キロ延長する、3,000億円かける、こういうことを株主総会で提案しまして了承いただいたわけだと、こういうことであります。そして、48キロを長大トンネル等々で実験を行って、そして実現可能かどうかについての見きわめを10年以内にすると、こういうことであります。  知事は党首でございまして、国政も十分にらんでおられる。したがって、このリニアについてぜひとも実現のために奮闘をお願いし、その決意を伺って私の質問を終わります。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)これは以前にも述べたかもしれませんが、私は寺島実郎氏と意見を同じくする点で、成田の新東京国際空港と東京駅と羽田の東京国際空港を地下リニア新幹線で結べばこれはわずか20分ほどになるわけでして、すなわち空港が一体化しますし、新幹線と結びつくことで、地方の、静岡空港を初めとする、皆さんが首をかしげるような箱物に投ずることなく、これは国家的な利益を生むというふうに述べております。  同様に、私は、いわゆる中央リニア新幹線と言われておりますものもこうした日本の国家的な利益を生むものでありまして、これは単なるハードパワーではなく、このことによって人口の6割の首都圏、近畿圏、中京圏を結ぶ、7,000万人の人口の場所を1時間で結ぶという、結果としてソフトパワーになるものだと思っております。  今、議員からお話がありましたように、JR東海、東海旅客鉄道は、単独で3,000億円を投じてこの山梨県の、私も試乗したことがありますが、リニア新幹線を延ばす。私は大変な志だというふうに思います。  長野新幹線は、乗務員の方あるいは長野駅の駅員の方は大変に愛想がよろしゅうございますが、ちなみに東京駅でJR東海とJR東日本の駅員の方をごらんになれば、もうこれは雲泥の差でして、JR東日本の駅員の女性の方や男性の方はあいさつがございませんし、ただ単に自動改札口のところで立っていて、切符がつっかえると初めて飛んでくる、荷物を持った旅客がいても声すらかけない、旅客よりも機械が大事だという形で、これは、長きにわたって公安調査庁の調査対象である東日本旅客鉄道の役員の方々は真剣にお考えいただきたいことだと思っております。こうした中、JR東海、東海旅客鉄道の東京駅におけるサービスのよさというものは、それが今回3,000億円を自力で行うという大変な英断になっていると思います。  この点は、新党日本の滝実も、元消防庁長官でございますが、奈良の選出で、過日も、私どもの新党日本のパーティーの翌日に、彼は支持者とともに山梨のリニアの試乗を行わせていただいております。  これは、本当に真の意味でハードパワーをソフトパワーに変える内容でありまして、この点はきちんと私も従来から述べておりますし、より皆様と御一緒に推進をさせていただく。  そして、これが完成の暁においても、中南信地域が単なる通過点になったり、あるいはこのことによって駅前がまさにコンクリートジャングルになるというようなことのない形で、真の意味で、南信州を含めて、リージョナル・コモンズの魅力をはぐくめる形のリニア新幹線を真のソフトパワーとして活用できるというための知恵や努力を皆様と出し合いたいというふうに思っております。 ○副議長(佐野功武 君)次に、向山公人議員。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)本年3月に、平成の合併と言われた、最後の大トリの合併をいたしました伊那市選出の向山公人でございます。田中県政の検証についてお伺いをしてまいります。  田中知事は、平成12年10月、長野県知事に就任して以来、2期目の任期も最後の議会を迎えました。私は、この間の行動の中から、幾つかの課題について、本当に長野県のためにやってきたのか、また長野県のためになってきたのか、検証をしてまいりたいと思います。  初めに、市町村との関係についてであります。  今議会の知事議案説明の中で市町村との水平協働の精神にのっとりと提案を呼びかけたり、お互いの関係を強調するときにはまことに耳ざわりのいいまくら言葉から始まるのに、私も今まで心地よく挑発されてしまうのがワンパターンでありました。  しかし、よく、あなたが、全国で初めてとか、また先駆けてとか、自慢気に言われますが、今、長野県は市町村との関係はまさに全国でも飛び抜けたワーストワンであります。長野県の発展を実現していくには県民の一番身近である市町村との連携が必要であることは、今さら私が申し上げるまでもありません。  就任直後、長野もうでは必要ない等との理由から市町村長からの面談を廃止したのがスタートだったと思いますが、いまだ、6年になろうとしておるのに、その関係は修復どころかさらに悪化状態であります。2005年末の市町村長アンケートを見ても、田中県政を評価しないが約40%、特に、市長会においては60%を超える人が評価しないと答えております。地方分権が叫ばれている今日、自治体の両輪である県と市町村の関係は住民福祉実現のために不可欠であります。県政運営の中で連携を密にして進められるよう、さまざまな施策を持って市長会、町村会へ説明をしております。  また、コモンズ支援金の創設も、地域づくり総合支援事業の趣旨であった市町村の意見を反映する補助の仕組みが生かされず、新たな施策の提案や、市長会、町村会等と協議することを拒んでいるのではないかとまで声が出てきています。お得意の口では集落単位から活力を取り戻そう宣言をし、お出かけ知事室などを実施、緊密な協力関係を築くとしてきましたが、ほとんど成果は上がっていないようであります。  しかし、お気に入りの市町村や地区へは足を運ぶ回数も多いようですが、気に入らない課題や市町村には訪問しないというように見えます。とても、水平、公平の精神とはほど遠いようでありますが、こうした知事の日程はどこのポジションでお組みになっておられるのか。また、すべてこうしたことは知事の意向だけが優先されて、県としての考え方は反映をされていないのか。まず戦略局長にお伺いをいたします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  知事の日程については、これは、秘書チームの中の知事の秘書と、それからチームリーダー、ここでそれぞれ知事の日程を決めていると、こういうことでございます。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)その中に県として、当然、県のトップリーダーでありますから、知事の日程等は県の組織としての考え方はこういった中に反映されていないのか。再度お答えをいただきたい。  また、知事には、職員との関係も同様ですが、いろいろの皆さんから出されておりますが、基本は人を信頼できない、よって人に任せることができないということが大きな原因だと思いますが、自分ではそのことに気がついておられますでしょうか。お聞きします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)昨日の朝日新聞に、茅野實さんという、ちょうど6年前の8月6日、今度の選挙の投票日でございますが、その日にお目にかかって、私にぜひ選挙に出てほしいというふうにおっしゃった方のコメントが載っておりました。公共事業の削減や入札改革で利権集団は崩壊したというふうにおっしゃっているわけです。それ以前に、平野稔さんという方とのインタビューが同様に朝日新聞に6月1日付に載っておりましたが、政策はよいものがたくさんあるので、政策面での問題は何かと聞かれると困るとおっしゃってはおります。読ませていただくと、公共事業は普通なら業界の反発が恐ろしくてあんなスピードで減らせない、また、きちんとした入札制度を導入したので利権集団は崩壊した、同和対策事業の見直しもなかなかできないことだったと思うと。でも、私からすれば、皆様の御協力や御理解を得て、ごくごく当たり前のことをさせていただいたにすぎないと思っております。  他方で、茅野實さんが、県議や市町村長との関係がまずいとおっしゃっているんですね。でも、政策はよい、利権集団を壊したその結果もよいと過分な言葉をいただいているわけです。でも、そうすると、もしこの利権集団を壊すということにおいても、その政策の実現においても、同じ考えの方々が職員や県議会議員や市町村長にいられたならば、これはおのずと歩み寄れたということになるはずでございます。  手前みそかもしれませんが、一般県民の深い御理解や御協力を得て、私たちは信州・長野県を変えてきたんでございます。しかしながら、変えてきた政策もよい、結果もよいとおっしゃる方々が、しかし違うとおっしゃるのは、すなわち私たちは変えたくないということを隠喩、暗喩なさっているのではなかろうかと私は思います。  本日付の中日新聞では、町村会長であられる藤原忠彦川上村長が「多くの町村長は現職に対して疑問を持っている。」とおっしゃっています。すなわち、私たちが変えてきたことに対して、私たちは変えたくないとおっしゃっている部分もあろうかと思います。無論、私がこれからもより皆様とともに努力をさせていただくということは当然でございます。しかし、藤原さんも、恐らく御自分の命をかけてこういう御発言をなさっているのだと思います。  午前中にも申し上げましたように、私は、少なくとも、多くの現場の職員を含めて、日々県民と接し、また、自分が一人の県民としてよりよくしていこうと思っている多くの職員は、この6年間において、着実に、そして明確に意識を変え、人々への接し方を変え、仕事の質も変えてきているというふうに思っております。  すなわち、私の行っている政策がよく、その成果もよいとするならば、その過程が悪いとおっしゃるのかもしれません。しかし、もし、その政策と結果とを異なる過程によってもたらされるということができるのならば、あるいは私が及ばぬ力の方がいらっしゃるかもしれませんが、それはより具体的にお示しをいただきたいと私は思います。  いずれにしても、より県民のための職員であり、自分が県民であるという意識のもと、職員がともに働いてくださることを願いたいと思っております。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)では、なぜ、あなたが任命したり、あなたのそばへ行く人たちから一人一人が、毎年毎年、知事の側近と言われる人たちが去っていくのかがよくわかりません。  また、市町村との関係であなたの言う自律は、山口村の合併を初めとする、今行われました各地区の合併についてはさぞおもしろくない気持ちでおられると思います。私は、あなたの言う自律の中にも、合併しない自律と、また合併をしていく自律というものがあると思っております。  平成15年9月の千曲市をスタートに平成18年3月の伊那市まで、12市4町2村の56市町村が該当し、合併が行われました。新設、編入等の違いはありますが、それぞれ将来に希望や期待を持って実施されたことでしょう。これからが大変だとは思いますけれども。  そこで、合併された市町村、また知事の言う合併をせずに自律の道を選ばれた市町村に対しては、どのような指導をされておるのか。お聞きします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)もう一度お話しますが、垂直指示や垂直依存のピラミッドではない社会、フラットな社会をつくろうと申し上げているんです。そして、それは、自主、自律、自己責任ということです。すなわち、私のみならず多くの県民の方が、実際に南信州の下伊那郡の町村を訪れて、無論、町村長によって個別の施策のお考えの違いはあります。しかし、南信州の地に訪れたときに、議員もそのすぐ北にお住まいでございますが、そこにはやはり、一人一人の町村長のみならず、町村民にも自主、自律、自己責任の気持ちがあり、具体的に歩まれているから、南信州観光公社のような全国的に実体のある形で評価されるものがあり、ゆえにそれを一緒に手伝おうとするものがあり、先日、ヘラルドトリビューンというニューヨークタイムスとワシントンポストがディスパッチして運営をしている新聞に、カラーで、泰阜村のグリーンウッドという、子供たちのための施設が長文の紹介がされたのも、これはたまさかではないと思うわけです。  私たちは、清内路村が仮に財政の状況が危機的であるから職員を派遣して一緒にお手伝いをしているのではありません。無論、それは一つのきっかけかもしれませんが、そこには櫻井久江村長を初め村民の方々の意欲がある。今までPTAや消防団に村から出ていた補助のお金も、こんなに苦しいんだったら、我々のまさにずくを出すゼロ予算でやっていく、そんなところに村費は使わなくていいよと言って、今、やらまいか運動という形で、人数が減った村役場に村民が来て一緒に仕事を手伝うということをしているわけです。やはり、こうしたものが清内路村においても水平協働だということです。その意識のあるところに、私たち信州・長野県は一緒に水平協働ができるということです。この基本認識を分かち合えるまさに意識がなければ、どんなにか制度を整えたとて、これはある意味ではスポイルしていく垂直依存や垂直指示になっていってしまいます。  私たちは、個別具体的にどういう施策をしているかということは各市町村によって違います。そのことは、委員会の場でも、あるいは私どもの職員にお聞きいただければお答えを申し上げます。  ただ、基本認識として、今の点を共有できる自治体の方々がリージョナル・コモンズであり、それが県とフラットな関係を、あるいは願わくは国に対しても同様にフラットな関係でネットワークをつくっていけるということです。この部分の御認識が同じである形で願わくはこの後の御質問もいただけることを願っております。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)では、この平成15年度から2年半にわたり合併が実施されてきましたが、合併によっては百数十年という歴史に幕を引いたところもございます。長野県の社長である知事は、この合併記念式典に対してはどのようなお気持ちで臨まれたのか。あわせて、各町村においては閉町式、閉村式も実施されておりますが、各地区の県民の思いをごらんになっての御感想をお聞かせください。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)私のつたない頭脳では御質問の趣旨がいまいち判然としない部分もございますが、セレモニー、儀式というのは、儀式のためにあるわけではないと思っております。私は、以前から、小学校の時代から、始業式や終業式にいつも同じ季節のごあいさつのような由なしごとを語られる校長の方がいらっしゃると、学級委員長を務めながらも少し退屈な時間を過ごした覚えがございます。  すなわち、セレモニーを開催することが何か目的になる。そして、セレモニーに参加される方とて限られています。ましてや、そこでごあいさつをなさる方はより限られています。多くの市町村民は、その瞬間も学び、働き、暮らしているわけでございまして、セレモニーに参加をすることが何か私たちのそれが水平協働のあかしであるというようなものではなかろうと私は思います。今議員がおっしゃられたように、真の水平協働は、セレモニーにとどまることなく、あるいはセレモニーを超えて、私が、あるいは私どもの職員が一緒にその自治体を、リージョナル・コモンズという、地域のきずなという地域の良識という認識のもとで、ともに歩ませていただくということだろうと思います。  ちなみに、私は、残念ながら、後に岐阜県、現在はなっております旧山口村の閉村式には出席をさせていただきました。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)触れていない思いを、自分の頭の中で私はお聞きしたわけではありません。  それでは、松林戦略局長に聞きます。  この間行われた20になろうとする合併記念式典、それから閉町式、閉村式が40ほどになろうかと思いますけれども、これに対する知事の出席の状況をお知らせください。  また、青山出納長にお伺いします。  長きにわたり長野県政に身を置き、合併式典や閉町式、閉村式にも出席されて各地区の県民の声を直接聞かれた中で、最高責任者、知事が今のような形の答弁をもってされていることが本当に知事としての責任を果たしていると言えるのか。出納長の御意見もお聞かせください。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  現在、私の手元に、知事の過去のそういった経過、それからデータ、こういったものは持ち合わせておりませんので、この場でお答えすることは不可能でございます。       〔出納長青山篤司君登壇〕 ◎出納長(青山篤司 君)閉村式なり、あるいは合併の新市の発足等、何回かにわたりまして私が出席をしております。その中で、閉村式等につきましては、今知事の方でセレモニーというお話がございましたけれども、一つの区切りとして行われているんじゃないかと思いますし、その中で、やはり今まで自分たちが生活をしてきた村なり町なりが閉じるという一抹の寂しさというのがそのセレモニーの中で一つあったような気もしますし、そしてまた、一方、合併によって新しくここでスタートを切って、新しい町づくりというか、そういう方向での希望の光みたいなのも一つ感じられたということで、特に閉村式につきましては一言で言うと非常に複雑な気持ちで出席した思いがございますし、一方、合併の式典につきましては、新しい町づくりのスタートということで、明るい雰囲気という感じがしました。  その中で、私が感じたのは、新たに合併された村なりあるいは町なりという、そこで育ってきた伝統文化というのを失ってはいけないという、合併によってそういう地域文化が失われるということが一番私は危惧するところでございまして、そういう伝統文化を継承しつつ、合併した新しい市なり町の発展を図っていくというこれが非常に大事であって、そうすることがこれからの21世紀の町づくりにつながってくるんじゃないかなと、私は、そういう感じで、閉じる式、それから新しく出発する式で感じたことを今率直に申し上げました。  以上でございます。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)私が各市町村から聞いている話では、知事が1カ所も出たというお話を聞いておりません。今のお話のように、それぞれの地域の住民の皆さん方は、思い出を思い出として、次へのステップへ心を新たにスタートを切るときに、長野県のトップが1カ所も行かないというのは、私は知事としての責任がこれでいいのかなということを疑問として申し上げておきます。  市町村との水平協働がいまだできない状況において具体的な指摘については、私の後に質問をいたします次代を担う世代の西沢正隆議員が聞かれると思いますので、私はこれで閉じます。  次に、県内経済の現状について。  知事は、みずからの財政改革をホームページや県の広報を初めあらゆるところにおいて声高らかに都合のいいところだけを吹聴しております。全国で唯一、県債残高が減少、県の貯金ともいえる基金を取り崩すことなく黒字に、一方では既に基金が枯渇寸前になっている県も出ています、このような状況の中でも長野県は大幅な収支改善を達成したと公表しています。  国の地方分権21世紀ビジョン懇談会の席にも、長野県のお話が出ました。長野県の借金残高は5年間で605億の減に対し、基金も541億円の減と同額を取り崩しているとの話も出されました。また、安川県経営者協会会長も、対談の中で、総務省の資料を見ても負債も減っているが、同じくらい積み立ても減っている、費目が変わっただけで不透明だと指摘されています。こうした数値の見せかけをよくしようとしているだけでは、本来の活性化は図れないと考えております。  経済を活性化させなければ税収もふえてまいりません。企業、団体等のトップアンケートを見ても、経済対策に対しての評価はほとんどできていないわけであります。  また、評価しない中にも、県政に優先して取り組んでほしいとの分野で景気、雇用への取り組みを上げているのが過半数を超えております。具体的な例を挙げれば、県の信州ものづくり産業戦略会議で、地域企業と産・官・学連携による研究開発を積極的に推進していこうと決めておきながら、そのかなめである県テクノ財団への職員や人件費を廃止するという一貫性のなさが経済対策不足と言われるのではないだろうかと思います。こうした現況を商工部長はどのように考えられまして対応されているのか。お聞きします。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)ただいま、ものづくり産業戦略会議の提言が生かされていないのではないかという指摘が経済界からあるということについてどう思うかというお尋ねかと思います。  信州ものづくり産業戦略会議につきましては、平成13年の10月から平成14年の12月まで現在の経営者協会の安川会長を座長にお願いをいたしまして、御提言をいただいたところでございます。  この中では幾つかの御提言をいただいております。重立ったものといたしましては、産・学・官連携による市場競争力を有する製品の開発支援、あるいは販路開拓支援、それから二つ目といたしましては、新技術、新製品開発に取り組む中小企業へのさまざまな支援、それから、いわゆるスリー・バイ・スリーというふうに現在では言っておりますが、現在の基幹産業から健康、福祉、環境、教育への融合と申しますか、そういったことへの新分野への進出、あるいは人材育成、技能、技術の研修等の実施といったことが提言を受けているわけでございます。  このことを受けまして、私どもといたしましては、新しい産業振興策といたしまして、基本的には長野県の基盤産業でございます製造業、あるいは観光・サービス業の足腰を強くいたしまして、一方では、産業構造の変革、新産業の創出、具体的には、ものづくりに力点を置きながら、新製品あるいは新技術の開発支援を行うとともに、新世代への産業分野の着実なシフトの支援をしていくことに尽きるだろうというふうに考えております。  そのために、この18年度につきましても4本の柱に沿いまして施策の展開に取り組んでいるところでございまして、こういった施策を展開していく中で、バトラーサービス等で企業等の生の声をお聞きしながら施策について改善すべき点があれば積極的に改善をしながら、中小企業への真の支援になるようにこれからも努力を続けてまいりたいと、こんなふうに考えております。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)この6月の定例議会にも、県税収入として補正予算を歳入で10億ほど計上をいたしておるわけでありますが、県税収入が上がっているというのは大手の企業が大幅な利益を出している結果であって、知事の言う成果の結果とは違うのではないかという経済界の受けとめがあることも事実でございます。  国税庁が発表している統計を見ましても、2004年度の長野県内の法人数は4万7,471社で、前年と比べ277社減少しております。そのうち欠損計上をした法人は3万7,224社あり、赤字法人率は78.4%で、全国の中で2年間続けてワーストワンになっております。原因としては、知事が大変力を入れておるにもかかわらず、スキー客の急減によるホテル・旅館業、飲食業、また公共事業の急激な大幅な縮小による建設業の業績の悪化が主たるものと考えられています。  また、規模的にも、今商工部長が話されましたように、中小零細企業が大半を占めており、県内各地区の経済を支えてきた規模の企業層が苦しんでいる現況であります。大手の企業は自助努力する力がありますが、こうした規模の企業は県や市町村の支援が必要であり、その成果が県内産業の熱気と意欲にあらわれてくるのではないでしょうか。安川県経営者協会長も、戦略を議論したときの熱気は失われてしまった、完全に空洞化したと言っていいと総括しています。このような現況であるからこそ、数値の上では景気が上昇ぎみと言われながらも、県民個人には実感がないという意見が多数を占めていることにもつながると言えるでしょう。  知事は、県が成果として公表されていることに、県内産・官・学を初め経済団体の受けとめ方に大きなギャップを感じますが、今日までの経済対策をどのように総括されておられますか。お聞かせください。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)冒頭に議員がおっしゃられた国の何か長い名前の21世紀うんだらかんだらの点でございますけれども、提案説明をもう一度虚心坦懐にお読みいただければ、私どもは、17年度に関しては、基金の取り崩しがないという形の中で、42億円の一般会計の収支は黒字になり、そして基金をさらに15億円積み増しているという形になっているわけでございます。  そして、議員が御指摘になられました総務省の調査というものは、本県とほぼ同じ人口規模や面積であります岐阜県との比較でございます。  本県は、御存じのように、平成3年のバブル経済崩壊以降に巨額の起債をいたしまして、これが非常に本県の財政状況を圧迫化いたしておりました。しかし、本県は一貫して、累積債務を減少させる、プライマリーバランスを黒字化するということをつなげておりますので、この総務省の内部調査の報告というものは、今後5年間、他方で岐阜県を初めとする多くの自治体は累積債務がふえておりますので、5年後にはほぼ長野県と岐阜県の財政状況は同じ状況になると。すなわち、本県は回復基調にありということを示しているものだというふうに伺っております。この部分は必ずしも公表あるいは報じられてはいない部分かとは思います。  本県の景気動向の調査結果というものは、先ほど山極もお話をしているところでございますが、まさに平成14年以降、平成15年度からはよい意味で経済指標は、製造品の出荷額や県内総生産、こうしたものは増加をいたしております。また、私どもの県民所得、あるいは法人所得というものもバブル期よりも上回るという形になっております。そして、いわゆる中小企業等の業況調査と呼ばれるものも好転したというふうに述べているものが、平成18年の4月分におきましても、前年同期と比べて34.8%という形でございます。悪化したという企業の割合は21.2%ということで、DI値と呼ばれるものは2期連続のプラスとなっているわけでございます。また、従業員300人以下の企業においても4月のDI値はプラスとなっているわけです。日本銀行の松本支店も、6月の6日に、長野県経済は緩やかで着実な回復が続いていると言われております。
     無論、経済というものは、永遠の右肩上がりも右肩下がりもないとは思います。ただ、この中で、従来の発想の量の拡大ではなく、繰り返しますが、質の充実という形においての利益率、イールドの高め方を目指さねばならないということです。それが私どもの新しい産業構造への転換、あるいは福祉、医療や教育や環境あるいは観光という分野への人的投資あるいは事業投資ということにつながっているかというふうに思います。  いずれにいたしましても、この問題というのは一喜一憂することなく、従来型の大きな県外のナショナルブランドのメーカーの工場ができても、三重県の亀山市に見られますように地元雇用は2けたの前半の伸びでしかなかった、それに対して県費が100億円近くも投入され、また、IT産業と言われるものは、いかに環境に配慮していても、これは山河を著しく汚染をしてまいるということが防げません。  私たちは、既存の産業団地において、その空き地に関して鋭意御購入をいただくということ、また環境に配慮した企業への投資応援条例に基づいての支援ということは行っております。しかし、まさに地場に根づいた方々に対して、自主、自律、自己責任の方にさらに引き続きバトラーサービスを中心としてきめ細かく対応させていただくということが大事で、三重県に見られますような一点豪華主義的な投資というものはこれは持続的なものとはならないというのが、私たちの基本的な考え方であります。  こうした中において、今申し上げましたように、皆様の御協力を得ての着実な回復、あるいはよい意味での充実という成長が行われているというふうに認識しております。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)田中知事の心、長野県にあらずという御説明がよく理解できました。  次に、知事としての役割についてお伺いをいたします。  地域のきずなを大切にと、みずからの考え方を述べられました。しかし、あなたのやってきたことは、県民に向けて発信する言葉とは全く裏腹に、その大事だと言われるコモンズ、いわゆる個人が日々生活している地域社会において、住民票問題等をもってみても、知事は物の見事にあそこまで一般社会の常識を壊してきた姿には、県民の大多数が唖然としたことは記憶に新しいことであります。長野県のトップリーダーがこのようなことを正しいと受けとめているとすれば、県民が近所においてお互いに助け合いながら日々の生活を営んでいる地域の中で、自分だけは住民票を好きなところへ持っていき、地域の人たちの納める税金で自分の生活は賄い、そして自分の責任は放棄することを認めることと同じであります。こんな発想もすごいが、知事の行動には生活のにおいも県民の生活感覚も感じられません。  そこで、側近の中で羅針盤が正確に作動していると思える澤田副知事に、この住民票問題が長野県の知事としてやるべきことなのか、どこが県民益と解釈できるのか。受けとめられている素直な気持ちをお聞かせください。       〔副知事澤田祐介君登壇〕 ◎副知事(澤田祐介 君)お答えいたします。  泰阜村の事件といいますかトラブルについて、私は一県民として見ておりましたけれども、私は、知事として、そのような地域に根差した、そのときは新聞報道で聞いておりましたコモンズに根差すという、そういう物の考え方があるのかというふうに考えて、私自身としては非常に好もしく考えておりました。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)やはり人は環境によって左右されることがよくわかりました。  長野県知事があえて新党日本の党首を兼務することが、なぜ長野県に必要なのか。2期目の選挙に圧倒的な勝利で当選された知事は、何をやってもいいと県民は認めてくれたと解釈し、新党日本を設立し、党首に就任されました。さすがに県民も、長野県が再建団体に陥ると財政危機を訴えていた知事だけに、このようなときにまさか政党の党首に就任するなんて、80%を超える県民が拒否反応を示したことも記憶に新しいことであります。  しかし、ここがあなたのすごいところなのか。自分の意見に同調できなければ、たとえ県民であろうと無視をしたまま現在に至っているが、こうしたことが、現在、人の話を聞かないと指摘されるところでもあるわけです。  今、このように最も厳しい状況、県民も苦しい中、一日も早く経済の安定を願って我慢しているのに、知事としてなぜ新党日本の党首をやることが長野県の県民益になるのか。県民にわかりやすく御説明をいただきたい。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)幾度かこのお話はさせていただいていると思いますが、改めて向山公人議員の御要望に応じて議員にお話を申し上げるところであります。  すなわち、信州・長野県は、長野県だけで単独で生存し続けるわけではないということです。これは県内の市町村も同様です。集落も同様です。しかしながら、繰り返し述べるように、今までは中央、地方という、セントラル、ローカルという、縦軸のピラミッド志向だったということです。私たちは、繰り返しますが、集落も、村も、県も、国も、これは水平協働をしていくネットワークだということです。  本県においてさまざまなことを行わせていただいております。しかしながら、御存じのように、林野庁の中での森林整備の予算はいまだ8%のままです。そして、例えば宅幼老所というものも、当初はこうしたものに対しての国の補助がありませんでした。新しい建物をつくらなければ補助が出ない。ようやっと、既存の建物でも持ち主と事業者が同一であるならば補助が出るという形になっています。でも、さらに一歩進めて、意欲のあるNPOの方、そしてそこに暮らしている方であるならば、建物はほかの方が所有して、あいているものを改修して宅幼老所としていくこと、デイサービスとしていくことにも補助が出るというような形で、三位一体なのではなくて、補助金を廃止することではなくて、その補助金のあり方を変えていくということが大事だというのが私が知事を務める中で痛感してきたことであり、その同じ思いを自治省の官僚出身で消防庁長官であった滝実と、また同じく福島県の地において県議会議員を経て国会議員を務めている政界の一寸法師とも言われている荒井広幸とともに、地域から国全体を変えようというのが新党日本のこれは実践的理論であります。  すなわち、私が知事として、あるいは知事会の一員として陳情の書類を出すだけでなく、質問主意書を含めて、先ほどのような制度の改正、補助金のあり方の改正を国会の場においても議論をしていくということがとても大事だということです。  そして、それは、皆様がそれぞれもしや政党に所属されていれば、その政党も行われているかもしれません。ただ、それは政党の中における上下の関係ととかくなりがちで、私たちは水平の関係としてそれを行うということです。すなわち、信州から日本を変えるということでありまして、それは信州単独だけでは変えられない。私たちの現場において変えていく中での矛盾というものを国全体で変えていくということのために、リージョナル・コモンズの政党としての新党日本があるということであります。そして、このことは、西部邁氏を初めとするそうした碩学の方々にも私たちのこのあり方というものが、櫻井よしこ女史も含めて高く御評価をいただいているところで、そのことを身を引き締めてさらに私は信州から日本を変えるということを実践させていただきたいと、このように考えているところであります。       〔41番向山公人君登壇〕 ◆41番(向山公人 君)信州から日本を変える前に、信州から長野県をよくしてもらいたいと思います。  平成15年9月に、好きな町に納税したいという知事の思いから行動がありました。住民の受益と負担を原則とする住民税の基本理念を覆す行動であり、それによって、長野市、泰阜村及び長野県に大きな事務負担を発生させました。例えば、先ほど藤沢議員からも出ました難病患者による相談所の開設に年間130万ほどかかったと。この住民票で言えば、長野県自身が住民票の認定審査に44万、訴訟に89万、これはどう考えても長野県のための出費とは思えません。  私は、新党日本の問題につきましても、長野県民の皆さん、そして経済界の皆さんからも、県政を優先して取り組んでほしいという声が聞かれております。あなたは、その原点である県民の声も無視していこうとしています。新たなリーダーには、混乱、破壊を繰り返すのではなく、つくっていくことができる方を…… ○副議長(佐野功武 君)向山公人議員に申し上げます。申し合わせの時間が経過いたしました。 ◆41番(向山公人 君)県民は望んでいると思います。  以上で終わります。 ○副議長(佐野功武 君)この際、15分間休憩いたします。         午後2時59分休憩          ──────────────────         午後3時16分開議 ○議長(萩原清 君)休憩前に引き続き会議を開きます。  続いて順次発言を許します。  西沢正隆議員。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)先ほど、同僚議員、向山議員から過分なるエールをいただきました次代を担う政治家、長野市選出、政信会、西沢正隆でございます。  最初に、浅川治水対策についてお聞きします。  6月9日、青山出納長は、国土交通省関東地方整備局と協議した結果、浅川の中下流部で治水安全度が30分の1確率から60分の1確率と異なる計画原案を見直し、対象区間全流域で50年確率で検討するとの方針を明らかにいたしました。その経緯を出納長にお聞きします。       〔出納長青山篤司君登壇〕 ◎出納長(青山篤司 君)浅川の整備計画につきましての御質問でございます。若干、国との協議経過をお話をしたいと思います。  今まで、スタートしたのが12月で、この6月9日まで7回の協議をしてまいりました。もちろん、その中には説明をする時間も含めてやってきました。  それで、私どもの1回、2回の協議のときに国から指摘された問題点と申しますか課題は、一つは、今回、20年間で実施する整備計画の治水安全度が30分の1から60分の1ということで、どうも目標がアンバランスじゃないか、これはどういう形で説明するんですかというのが1点です。  それから、もう一つ、100分の1、100年に1回の洪水に対応するということで、目標は100年確率にしますというお話を申し上げる中では、それじゃ、今回じゃなく、次の整備計画では100分の1に達成するメニューを説明してくださいと。これは、必ずしも、次の整備計画ですから、その施設を、あるいは対策を確実に実施するという意味じゃなくて、一応、100分の1を目指すんだったら、100分の1はどういう形で達成するんですか、そのメニューを示してくださいという、これが、1回、2回目の国土交通省の指摘された事項でございます。  私どもとすれば、まず第1点の治水安全度の問題ですが、確かに30分の1から60分の1、これは、河川改修、ため池、遊水地、そういうものを組み合わせて、30分の1、上流、下流、60分の1という、そういう考え方で説明したのは事実でございます。  しからば、その30分の1、60分の1はどういう形で私ども説明したかというと、これは、私どもが求めている、今回整備計画の中ではそうですが、いずれにせよ100分の1を達成するためですから、中間的に生じる治水安全度。ですから、100分の1を達成する場合につきましては、全部、上流まで100分の1の流量配分がちゃんと計算上出ているわけですよ。したがって、これは中間段階ですから、これにつきましてはいずれにせよ解消するのが一つ。  それから、2点目としましては、浅川というのは御存じのとおり下流の方がいつも被害をこうむっているんですよね、災害の歴史から言うと。そうすると、上流より下流の安全度をとる方がより住民のためになるんじゃないですかというのが2点目の説明です。  3点目につきましては、確かにアンバランスですけれども、次の整備計画の前倒しと考えればいいんじゃないですかという3点につきまして、30分の1、60分の1と説明しました。  それで、もしアンバランスだとすれば、今回の整備計画の目標は30分の1で私どもやっていきますと。だから、下の方の50分の1、60分の1というのは、今申し上げましたように、河川改修をベースにしますから、安全度がたまたま中間的に上がるだけだ、将来は解消するんだ、だから30分の1の整備目標でやっていきますと。それじゃ、わかりましたと。30分の1につきましては、低いとか、あるいは高いとか、そういう指摘はございませんでした。ですから、私どもは、30分の1の整備目標を掲げることにつきましては、国の方からは評価をいただいたと判断したわけです、少なくとも。  それで、30分の1、60分の1につきましてはどういう形で整備計画に文章として書くかにつきましては、また協議しましょうというお話でございました。  それで、もう一つの課題である、その次の整備計画のときに100分の1にすると。じゃ、メニューは何ですかということで、これは2月県会で申し上げましたように、放水路につきまして説明しました。  それで、その中で、しからば、そういう形で説明したら今度はどういう指摘があったかということなんですが、一番は、途中段階で解消することはわかった、30分の1にするということもわかったと。でも、アンバランスはアンバランスでお互いに認めているんです。私ども認めているんですよ、それは。  しからば、将来解消するという100分の1になるんだったら、100分の1になる放水路ですね、放水路についてもう少し構造的に説明してくださいと。要するに、実現性について私ども判断したいと。具体的に言えば、放水路ののみ口、それから吐き口。これについてもう少し構造的に、ちゃんと水が入るかどうかを含めて、そういう技術的な説明をしてほしいと。それで、私どもの方とすれば、わかりました、それじゃということで、ちゃんと土木の職員も優秀な人がそろっていますから、それに従った技術的な資料をつくって説明申し上げました。それで、計算ではちゃんと水が放水路に流れる、入るという計算をしまして、それにつきましては計算上はちゃんと立証したわけですよ。  それで、私どもは、そこのところを、山を越せば、国の方でおっしゃっている課題は解決するんだと読んだわけです。ところが、そこまでいったら、今度はまたもとへ戻りまして、いや、30分の1、60分の1ではアンバランスでだめだ、幾ら放水路が実現されてもだめだと、こういう話になっちゃったわけですよ。(発言する者あり)皆さん、私が言っていること、おかしいんだったら、また後で議事録を読んでください。  それで、しからば、私どもの方とすれば、もとへ戻りましたから、それじゃどうなんですか、30分の1、60分の1、だめなんですねと言ったら、だめですと、こう言われたんです、今度は。今まで絶対言わなかったんですよ。30分の1、60分の1は将来解消するんだからいいですよという私は読みでしたんですよ。だけれども、もとへ戻って、30分の1、60分の1については整備計画上では認められませんと、こういう話になったわけですよ、私どもが確認したら。  そうなりますと、整備計画の認可を得るには、上下流、同じ治水安全度を中間の整備計画では持っていかなくちゃいけない、そうでないと認可が難しいだろうと、こう判断したわけですよ。  それで、私どもとすれば、これだけは誤解しないでお聞き取り願いたいと思いますけれども、50分の1というのは、県として、案として決めたわけじゃございません。しからば、私どもとすれば、今言うように、認可が得られる検討材料ということで国と議論をしたということなんですよ。それじゃ、上から下まで50分の1、50分の1の治水安全度なんですよ。じゃ、それはどうやってやるか。それは河川改修の若干の変更で済むわけですよ。  具体的に言いますと、上流につきましては30分の1、60分の1より若干、上流につきましては河川の掘削を深くして対応できますし、それから下流につきましては60分の1から50分の1ですよね。だから、今までの計画より掘削を少なくして、途中でとめておけばできるんですよ。だから、50分の1というのは、上流から下流でそういう河川改修のやり方をいわば調整することによって治水安全度の統一的なものができたわけですよ。こうだったらどうですかというお話を申し上げたんですよ。そうしますと、今回の整備計画の50分の1から50分の1、上下流統一、それはそれでいいですよと。  もう一つの課題として、100分の1になったときにも、ちゃんと上下流100分の1、100分の1になってくださいよと。こういうことで今終わっているんですよ。  これは、50分の1だからって、50分の1で終わるんじゃないですよ。目標は100分の1なんですよ。100分の1で、今回の整備計画を通るのを50分の1の治水安全度で上下流としたもので何とかできないだろうかという今議論をして、それで、国の方も、上下流同じだったらいいし、また100分の1のときも同じだったらそれはそれで認可になっていきますよと、こういうお話になってきているわけですよ。  いずれにしましても、私どもとすれば早く認可を得るということが最大の目標ですから、国の方の認可を得る、そういう指摘を、私どもとすれば早くその指摘に対応できる案をつくって、それで国の方の認可を早く得たい。これは、交渉過程で、交渉というか協議過程でだめだと言われればしようがないじゃないですか。よりよいものを、だって治水安全度を50分の1に上げるんだから、いいことじゃないですか、それは。  いずれにしましても、国の方も、現在の段階では私どもの状況というのをよくわかっていますし、協議につきましても非常に積極的に応じていただいておりますので、私どもとすれば、今申し上げました一つの検討材料、それは一つの検討材料です、一つの検討材料も含めて早急に認可が得られる努力をさらに重ねていきたいと、このように思っておりますので、よろしくお願いします。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)今、長々と説明あったわけなんですけれども、私、渡辺審議官ですか、国の方へちょっとお電話していろいろお話を聞いたんですが、今出納長の言われることとちょっと違ったニュアンスで、毎回いろんなメニューを出されて我々も困っているというようなニュアンスでありました。  そして、安全度が50分の1になるということは、先ほど、30分の1のところを深く掘る、また60分の1は掘らない、そのままでいいということでやっていけばいいということだったんですが、ほかの遊水地だとか放水路、放水路はまだあれなんですけれども、遊水地のためる量とか、50分の1だと変わってくるんではないかなということも渡辺審議官は指摘をしておりました。  その点、技術的な点でございますので、土木部長に、50分の1確率にしたら回りのほかの計画、内水の計画等は変わるのか。その点の確認と、先ほど議事録とおっしゃいましたので、この審議官との話し合いの議事録ということだと思うんですが、それを出していただけるか。出納長に確認をさせていただきたいと思います。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えをいたします。  先ほど、50分の1になった場合の方策、これについて出納長御説明しましたとおり、いわゆる河川改修で対応をいたします。先ほども説明いたしましたが、上流は30分の1を50分の1にしますので、若干の河床の掘り下げをいたします。それで、下流については60分の1を50分の1という形で余裕が出てまいりますので、当初考えておった掘り下げ、それを途中段階で取りやめる。ですので、まだ最終的に掘り下げる部分は残しておくという、そういう形で50分の1になります。  それで、こうなりますので、ため池、それから大幅な手戻りがないということを前提にしておりますので、ため池とか遊水地、これらについては、従前の機能、それから規模、これをそのままにして50分の1を確保することとしております。  それから、当然、内水につきましては、これは外水とは別でございますので、これは従来どおりの考え方でやっております。       〔出納長青山篤司君登壇〕 ◎出納長(青山篤司 君)議事録、会議録なんですけれども、国の方とお話しまして、国の方の了解を得たら出しても私ども何ら差し支えないと思います。私ども単独でやっているんだったらいいんですが、要は国との協議の中でつくっていますから、その結果を待って考えたいと思います。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)30分の1のところの掘り下げの部分ですね。そこは、根つけという形で、1メーターぐらい下に根つけというブロックをつけるんですけれども、掘り下げるとその1メーターでは足りなくて、護岸をもうちょっと広げなければいけないということを懸念する方がいたんですが、その点、大丈夫か、確認をさせていただくことと、議事録、先ほど出納長は見てくださいと言ったわけですから、どこかにあるんではないかなと思うんですね。国との協議ということでございますので、これは、いつまでに、土木委員会が始まる、いわゆる今週中までに出せるか出せないか。その点の確認もさせていただきたいと思います。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えいたします。  先ほどの上流区間で50分の1にしていますのは、河床を若干下げるということでお話しましたが、上流区間はまだこれから改修をするところであります。ですので、それにあわせて若干掘り下げるという形になります。そこの部分は根継ぎ工法という形で従来の護岸をそのまま生かしますので、掘り下げますと根入れという部分が若干少なくなります。それに対して、根入れは当初から根入れ対策という形でやることになっております。若干掘り下げる部分の数十センチ分だけは根継ぎ部分の長さがなくなりますが、それはこれからやる部分でございます。  それと、下流につきましても1メーターの掘削が残っておりますので、これも今後やるものでありますので、特にそういう施設の手戻りという形にはなっておりません。  それから、議事録とかいろいろございますので、私も出納長と一緒に国の方へ説明に行っておりますので、出納長の言ったことにつきまして何ら国の方と意見が食い違う、また国の意見を正確に出納長は発言をしておるということで、私もそういうことで補足をさせていただきます。       〔出納長青山篤司君登壇〕 ◎出納長(青山篤司 君)毎回毎回、双方で、会議録というものは案をつくって確認し合ってサインしているんですよ。したがって、少なくとも、今スケジュール的には(30番西沢正隆君「あるところまで」と呼ぶ)だから、できたところまでは委員会には間に合わせるような形で指示したいと思いますので。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)次に、檀田遊水地についてですが、傾斜地で曲がっている河道から分水する計画について技術的指摘を国から受けているようですが、現在の計画で問題はないか。お聞きします。  また、浅川ダム建設に当たっては地質調査を行いましたが、遊水地計画箇所についても地質調査の予定はあるか。お聞かせ願いたいと思います。土木部長にお聞かせ願いたいと思います。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えいたします。  檀田遊水地の分水の施設、これは傾斜地につくるので問題はないかということでございますが、分水の方法は幾つかございますが、そういう中で、私どもは、河川の上下流の循環、こういうものを阻害しないような形でやりたいということで、横越流方式で今考えております。横越流方式になりますと、流速、水の流れる速度ですね、これが普通の静水の中から分水するのと違ってまいりますので、その分だけの切り欠き部を長くしたり、それから流れる水の幅のところを変えたりして調節をしております。  しかしながら、これは国におきましても確とした論拠ということはまだ持っていないわけでございまして、いずれにしても、これは模型実験をしないと実際の正確な、例えば時間的な流入量、こういうことは模型実験でないと出てこないわけです。計算上では当然あるんですが、それに対して国の方でもこれでいいのかどうか疑問がある、わからない、わからないといいますか、いわゆる不明だということで今なっております。  しかしながら、勾配があそこは50分の1ぐらいなんですが、約700分の1ぐらいに緩くいたします。700分の1といいますと、浅川の一番下流側が1000分の1ぐらいでございますので相当緩い、そんな勾配になりますので分水については問題がないというふうに思っております。  それから、ダム地点の地質ということですが、当然、大きな構造ではございませんので、水路をつくるという形のものです。水路で分水して、それからトンネルの中へ入りますので、地質的な問題、また地形的な問題はございません。これはやはりダムを当時計画したところでございますので、それよりももっと簡易な構造になりますので、そういう問題はございません。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)先ほども出納長がおっしゃったメニューの中の放水路についてでございます。  国も、放水路建設を前提とする計画ならば、放水路の実現性など詳しい説明がなければ今回の計画の可否は判断できないと指摘をしています。  また、長野市においても、河川整備計画案では、20年後のこととはいえ、100分の1確率の全体像を示すことが先決であるとも言っています。当然、これを示さなければ、手戻りになってはならないという国からの指摘にこたえられるかが証明されないからです。国と協議されている放水路案について具体的にお示しください。  檀田遊水地の上流で分岐し、トンネル水路で千曲川へ放流する放水路案が示されていますが、具体的に示すということでございますが、その分水する位置、どこを通って千曲川に行くか。また、トンネル区間の距離、出口の状況はどのようになっているか。そして、建設費等についても具体的に土木部長に御説明願います。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えいたします。
     浅川の改修の100分の1のダムにかわる代替案、これを放水路ということで御説明申し上げておりまして(「代替案」と呼ぶ者あり)代替案でございますね、それで、放水路と先ほどの遊水地等を含めたものが代替案でございます。これを国の方に今説明をしておりまして、この放水路の計画、これはまだ皆様方にお示しはしていないんですが、私ども、まずは、構造的、技術的に可能かというお話が1点ございます。そういう中で、場所は先ほど言いましたダム地点のところ、ここが地形的、地質的に安定しておりますので、ここをのみ口といたします。  それから、ルートは、若槻の北部、あそこから真っすぐに行きますと内水の遊水地がございます。あのあたりに吐き口を設けまして、一たんそこで受けて、浅川が洪水がなくなって水位が低下した段階で、ためた分、いわゆる調整したものですね、流速とか流量を調整しておったものを自然流下で、洪水が去った後、浅川に戻します。ですので、千曲川に直接やる形ではございません。  それから、あと断面ですが、今考えていますのは4メーターのほろ型といいまして、いわゆる荷馬車のほろですね。ああいう形です。これは地下トンネルになりますので、非常に余裕を見てございます。通常の流量からいきますともっと小さくてよろしいんですけれども、相当構造基準上、安全をとっておりますのでそれだけの寸法になっております。それから、距離は、先ほどのように真っすぐつなぎますと約6キロ程度。  それで、これの費用ということでございますが、私どもでは、メーター当たり150万、キロ約15億を考えております。これは内空の寸法によって大分費用も変わってきますが、おおむねそのぐらいを考えております。というのは、放水路というのは、従来から、美和ダムとか、現在やっております松川ダム、こういうところでやっておりますので、そういう実例をもとにしたものとして15億程度で考えております。  そんなようなことで、具体的にお示しするのは、今、国と打ち合わせをしておりまして、従来は30分の1から60分の1での放水路ということで説明しておったんですが、今回、国の方で50分の1のアンバランスのないようなという形の御意見もありますので、そういうことであわせて、また国とも協議はまだしておりますので、具体的になりましたらまたお示しをしていきたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)放水路の地中のいわゆる土地買収が必要であるかの確認と、放水路が出た受け皿、どのくらいな大きさの受け皿をそこに考えているのか。その点を確認させていただきたいと思います。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)河川トンネルになりますので、買収は通常は坑口部のところ、通常は坑口とか実際に地形をいじるところは買収いたします。と同時に、潜っていって地表と5メーターぐらいなところ、この部分までは補償として考えております。それ以上につきましては、特に地上権のあるもので必要なものについては行いますが、用地の買収は通常トンネルはいたしておりません。通常のトンネルと同じでございます。  それから、吐き口部の用水地の大きさということですが、これは今後詳細に、先ほど申しましたとおり50分の1というような考え方もございますので、こういう中でまた変わってまいります。一応、今、勾配的にはそこのところで落ちつく、そこでまた受け入れられる。地形的には内水の低いところでございます。そういうところというふうに考えておりまして、これは詳細の中でまた考えてまいります。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)受け入れる場所については、大きさは別にして、イメージとしては、そこも大きな池みたいなものをつくって、そこもまた用地買収等も考えなきゃいけないのか。その点を確認をさせていただきたいと思います。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)池の買収とか、そういう問題でございますが、これはほかの内水とか、それから外水に対する調整池もございます。こういう面で、買収の方式というのはまたそれぞれとバランスをとって考えていくこととなりますので、これはまた詳細の中で、地形とか、それから利用の仕方を見て考えてまいりたいと思います。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)今、長野市では、そこの点、いわゆる放水路の具体的な案を提示してほしいということが強く要望されていると思います。一刻も早く放水路の具体的な案、いわゆる100分の1確率に向かっての全体像をあらわしていただきたいと思います。  先ほど、国と7回ほど協議していると言われましたが、毎回案が変わっているということで戸惑っていると言っておりました。また、技術的に困難なところを解消し、地元住民の合意が先決とのことですが、入り口の部分で滞っていてなかなかスケジュールどおりにいかないのが現状であります。目標スケジュールでは、長野圏域河川整備計画案を示し、地方公共団体の長による意見を聞いている時期であります。長野圏域河川整備計画案認可に向けての原案がはっきりしないことから、今後どのようにスケジュールを進めていくおつもりか。土木部長にお聞きします。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えいたします。  先ほど、案が変わっていて非常に戸惑いがあるというふうに国の方から御意見があったというふうにお聞きするんですが、私ども、案は全然変わっておらないんです。当初から30分の1での整備計画をつくります。それから、100分の1を見せてくださいということで放水路を示しておるんです。  そういう中で、国の方ではアンバランスがあってはだめだということで、ここでひっくり返っちゃったんですね。ですので、アンバランスがないものをつくったらどうですかというアドバイスがありましたので、じゃ50分の1で考えてみますということです。  ですので、アンバランスでだめですよということが最初からあれば、そこから出発ができたわけですよ。ですので、国の方の戸惑いというよりも、私どもはそういう流れの中で整理をしてきておりまして、これから整備計画をつくるとしましても、アンバランスのない整備計画、これで国の方に持っていきます。と同時に、100分の1でもアンバランスがあってはいけませんよということでありますので、こういうものを調整しなきゃならないということで時間が今かかっております。  そんなようなことで、それぞれ個別の課題、例えば計画論とか、それから施設構造論とか、こういうものについてはそれぞれの個別具体的なものでは詰まってきております。方向さえ決まれば、ある程度早くこれから動けていけるのかなというふうに思っております。と同時に、国の方では十分に地域の方の皆さんの理解を得てくださいということを言われております。これは当然、私どもも、そういう面で、従来から国に説明する前にも地域の皆さんにお話をしております。できるだけ早く100分の1の案というもの、これを地域の方に示していきたいというふうに思っております。  そういうことで、十分に個別の具体的なものについては話が進んでおりますので、ある段階になりますと相当早まってくるかというふうに思っております。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)浅川の河川の改修についての期成同盟会をすると毎回必ず上がるのが、河川整備計画を樹立し、国の認可を得て治水事業を推進すること、こういう要望が毎年出ているんですね。たしか、私が、2003年ですか、田山企画局長のときも、認可できるかできないかということをこの場所で質問をして、頑張るという答弁があり、そして、そのときは2003年度中というのが、次の小林河川課長のときに2007年度の秋ぐらいには認可をとりたいということになっていて、そこから忘れてしまいましたけれども、今いろんな計画が二転三転する。これは、もともと100分の1の確率の代替案があるという知事のこの意見が、なかなか代替案が出てこなかったというのがここまで滞った原因になっていると思います。この段階の中で、やはり地域住民、流域住民の安全というものがさらされているのが現状でございます。  そういう中で、一刻も早く河川整備計画を示していただき、できるだけ早くということだったんですが、今の考えの中でいつまでかということを示していただきたいと思います。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えいたします。  当然、私ども、国と精力的にやっておりますし、国の方でもそういうふうにお聞きをしていただいております。それぞれ問題点というのは詰まってきておりますので、国の方でも逡巡しておりますのは、このようなところに遊水地をつくって、経験がないということをこの間も言われましたが、傾斜地に遊水地があると。しかしながら、遊水地というものは、いわゆる私どもの遊水地というのは土を掘るわけですよね、檀田で。ですから、安全性はまずあるんですよ。のみ口ののめるかどうかというところだけだと思っているんです。ですので、それらが国の方でも判断ができないということでなっております。私どもは、こういう形で、計算上こうやってのめますよということで説明しているんですが、国の方ではなかなか判断ができませんということですので、これは私どもの説明と同時に、国の方でもまたどういう方法があるのか、これをアドバイスいただきたいというふうに国の方にもお願いをしているところであります。  そんなようなところで、ポイントはもう絞られてきていますので、整理ができればすぐに認可になろうかと思っております。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)その答弁がやはり県民の不信感になってくると思います。認可には、学識経験者の意見を聞いたりだとか他機関の協議、また地方公共団体の長の意見、これがあるわけでございます。そこである程度合意を得なければ、なかなか認可までにいかない。今、長野市の現状を見ると非常に難しいのかなと思っている状況でございます。  次に、北陸新幹線についてでありますが、用地未取得の長野市長沼地区の約3キロ区間は一部測量に入り、残りは、測量の予定はあるようですが、用地買収についての見通しについて土木部長にお聞きします。       〔土木部長原悟志君登壇〕 ◎土木部長(原悟志 君)お答えいたします。  北陸新幹線の用地買収の進捗状況でございますが、県内の用地買収の進捗状況、これは17年度末で約84%になりました。なお、本年の4月の28日、北陸新幹線長野―金沢間ということで工事実施計画の変更がございました。これによりまして、消雪基地や電気施設等、約6万2,700平方メートルの新たな用地取得計画が追加されたところであります。  こういうことで、従来の面積に加えまして約30%増となりますので、合計で約27万3,500平方メートルということになります。それで、このため、従来の進捗状況の84%は、この変更によりまして約68%という形になっております。ちなみに、長野―金沢間全体での用地取得についてでございますが、参考までに申しますと約48%、こんな状況でございます。  それで、用地が未取得であります長野市の長沼地区の3キロメートル区間でございます。これは北町団地を含めます約1キロ区間、これは昨年の12月から独立行政法人の鉄道建設・運輸施設整備支援機構、略称が鉄道・運輸機構でございますが、これが用地測量をしまして、これにあわせて県で物件調査を実施して、本年3月末までにもう終了しております。  残ります約2キロ区間、これはリンゴ畑と水田でございますが、これについては現在最終的な用地買収幅を確定するため、つけかえとなる用水や道路等の詳細設計をしておりまして、地元の了解を得て用地測量等を進める予定だというふうに鉄道・運輸機構から聞いております。  まだ用地単価の段階まで至っておりませんが、こういうような状況で進めてきておりまして、いずれにしましても、長野―金沢間の平成26年度末の開業に向けまして、県としましても地域の課題解決に向けて積極的に取り組んでおります。そのようなことで、平成18年度末までの事業用地の取得、これに一層努めてまいりたいというふうに思っております。  以上でございます。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)もともと反対している理由というのは、いわゆる長沼地籍の皆さん、長野建設事務所長、そして長野市長、昔の鉄建公団、そこで確認書ということで交わされておりまして、オリンピックのときまでには浅川ダムをつくると。これはちょっと難しかったかもしれませんが、いわゆる約束事があったわけでございます。その約束事があるにもかかわらず、県の対応について、今の現状ですね、二転三転する治水対策について憤りを感じ、それによって用地買収に応じないと聞いております。  平成18年末に更地は可能かということで、鋭意努力するという話でございますが、その点を、県民感情をよくかんがみて今後交渉に当たっていただければなと思う次第でございます。  次に、市町村との関係でございますが、先ほど向山議員から、知事が閉町式、閉村式並びに合併記念式典にどのくらい出たかという質問がございました。明確な答弁がなかったので、再度確認の上で質問をさせていただきたいと思います。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  知事は山口村の閉村式に出席をされております。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)他の町村には出席していないということでよいか確認をさせていただきたいと思います。  あと、市町村への権限移譲。いろいろ知事も積極的にやっていきたいとの答弁が今までの県議会であったんですが、実際に、権限移譲、現在までにどのくらいやられているのか。経営戦略局長にお聞きします。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  まず最初の合併、それから閉村式の関係でございますけれど、合併記念式典には、副知事が3回、出納長が6回、それから総務部長が3回、以下、現地対応が4回と、こういうことでございます。  それから、市町村への権限移譲についてのお尋ねでございますけれども、本県では、知事の権限に属する事務の処理の特例に関する条例に基づきまして、平成18年4月1日現在、451項目の事務を市町村に移譲しているところでございます。これは、平成17年4月1日の422項目と比較いたしますと29項目がふえていると、こういう状況にございます。  御存じのとおり、市町村の権限移譲につきましては、平成16年の11月の地方自治法の改正によりまして、市町村議会の議決を経て権限移譲の要請がなされたときは知事は市町村長と協議することとなってございます。  昨年、平成17年の10月から11月にかけまして全市町村を経営戦略局の各チームリーダーが訪問いたしまして各市町村長から御意見をいただき、これらを踏まえまして、ことしの2月に今後の取り組み方について公表したところでございます。  市町村への権限移譲につきましては、サービスの受け手である住民の視点から、これまでのように市町村に一律に事務を移譲するのではなく、希望する市町村とまさに水平補完、水平協働の立場に立って進めてまいります。  具体的には、類似項目をセットにしたり、また、単に権限のみではなくて、人材の派遣とセットで移譲するなどのオーダーメードでのメニューを提示できるよう、現在、担当部局と内容について検討を行っているところでございます。その後、要望のございます市町村、それから広域連合などと個別に協議を行ってまいる所存でございます。  以上です。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)先ほどお示しいただいた権限移譲の件なんですが、多分、長野市が中核市になったことによっての権限移譲だとか、そういうところが入っているかと思うんですが、たしか岩手県では、県の職員を市町村に派遣して市町村にある県道を一緒に直すと、そういうことでサービスが向上したという、そういった事例があります。長野県特有の権限移譲というものはあるのかないのか。その辺をもう一度質問させていただきたいと思います。       〔経営戦略局長松林憲治君登壇〕 ◎経営戦略局長(松林憲治 君)お答えいたします。  岩手県の例は、権限と、先ほど言いました専門職員をセットで一括移譲する方式を実施していると、こういうふうに聞いております。  ただ、より詳しく聞いてみますと、これには、移譲してもなかなか県の仕事が減らないという実情があるということと、それから市町村においてもなかなか、移譲を希望するところが今のところ4市町ということで、非常にそこら辺が一つの課題としてあるという話を聞いてございます。  したがいまして、先ほど申し上げましたとおり、県としましては水平補完、水平協働の立場に立って、市町村から御要望があったものに対してはしっかりと協議をさせていただくということは、2月議会で知事もお二方の県議の先生方に対してお答えをしているとおりでございます。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)権限移譲には、県が積極的に移譲を進める姿勢を示して市町村と連携するというのが必要であると思います。今の市町村との関係では非常に難しいのではないかなと思っております。  次に、長野市との関係は非常に悪化し続けています。その一つの例として、2月県議会の提案説明で、昨日、長野市に長野養護学校の移管を要望したところでありますと知事は表明しましたが、その後の状況について教育長にお聞きします。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)お答えいたします。  長野養護学校の長野市への移管につきましては、ことし2月に申し入れを行ったところでございますが、その後の経過について御説明申し上げます。  まずは、県と市が抱える障害のあるお子さんへの教育環境などの課題や今後の自律教育の推進につきまして、ともに考える場を持つことを長野市へ御提案申し上げ、本年度に入りましてからはこれまで3回長野市教育委員会と話し合いをしております。  話し合いの中では、国における義務教育教員人事権の中核市を初めとする市町村教育委員会への移譲の動き、長野養護学校の児童生徒数の増加や長野市在住者の割合が約8割を超える現状、プレハブ校舎増築に伴う狭隘な教育環境、地域で学びたいという願いに基づく自律教育地域化の流れなどを踏まえまして、長野養護学校に通う児童生徒のよりよい環境づくりを目指して引き続き粘り強く長野市と協議してまいりたいと考えております。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)私が確認したところによると、5月18日に長野市教育委員会教育次長のところへ自律教育チームリーダーともう1人担当の方が来て自律教育全般について協議したと。そして、昨日、議会に合わせて行ったのかちょっとわかりませんが、同チームリーダーが同じく長野市教育委員会教育次長と懇談をしています。  しかし、長野市の教育次長はお二人いるんですが、一切、養護学校移管に関しては協議していないと、そういうことでございますので、そのことは教育委員会の皆さんに申しさせていただきたいと思います。  今までやってきたこういった市町村との関係、いつも逆をやるんですよね。大体、協議を最初にやって発表する。それが欠けているから、いろんな溝が深まっていくと思います。  脱ダム宣言の発表、高等学校改革プランの再編対象校の発表、30人規模学級への市町村からの協力金、コモンズ支援金の選定等々、協議なしで突然発表されることにより市町村との溝が深まり、信頼関係が希薄になってきています。腰原市長会長も、市町村と調整せず一方的に政策を決め、混乱させているから、市町村と関係が悪化していくと述べています。もっとやり方さえうまくいけば、政策の実行もされていったものも多々あったのではないでしょうか。知事は常に市町村とは対等であると言いますが、これは現状の市町村との関係から言動不一致としか言えません。  幾つかの例を挙げましたが、市町村との間でいたずらに混乱を招くような手法をとることが多かったことと思います。悪化した市町村との関係を踏まえて、市町村との関係について4年間の総括を知事にお聞きします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)本日、幾度か同様の御趣旨の御質問をいただいているかと思います。これは、私どもは、繰り返しますが、政・官・業・学・報のこの県庁舎、とりわけ議事堂を中心とした全国4番目の広さを誇る県土の中の極めて小さな場所における内向きなピラミッドというものの利権構造を溶解させていく、溶かしていくということを行わせていただいたわけです。ですから、すなわち変えてきたわけでございます。  そして、その利権構造は、先ほど他の方の言葉を引用を新聞紙上からいたしましたように、これは崩壊してきているわけです。しかし、崩壊したにもかかわらず、昔のままの意識の仮に首長の方や議員の方が恐れ多くもいらっしゃるとすれば、これは私たちは変わらないと宣言をされているわけであります。すなわち、利権構造のピラミッドが崩壊をして、そこにまさに芽生えが起きてくるときに、崩壊をした場所は戦火の焦土と化したようなものだと居直られているに等しいことです。  こうした形においては、私どもが繰り返し述べている県民に立脚をした水平協働という中で、真の本県をよりよくするためのお互い胸襟を開いた議論というものが果たして生まれ得るであろうかということです。  繰り返しますが、私は、県民の多くの方々とともに、私も一人の県民として、サーバントリーダーとして、こうした認識をお持ちいただける方々とともに、それは焦土と化しているのではなく、むしろ私たちがより豊かな本県の緑あふれる山河というものを人々の高い意識とともに築き上げていくということであると思います。しかし、それを以前と同じ意識の中で行おうとされる方がいれば、まさに政策そのものはよい、その成果もよい、けれども生理的に相入れないというだだのようなものになるのではないかと。  私は、私どもがより謙虚にこれからも行わせていただくということを誓った上で、皆様こそがやはり今ピラミッドが崩壊しているということを的確に認識され、その中で真の県民益は何かということを、首長においても、議員においても、あるいは報道機関においても、政・官・業・学・報という大変小さな本県の中のピラミッドがすべてだと錯覚されていた方々が正しい覚せいした認識をお持ちいただけることを願ってやみません。       〔30番西沢正隆君登壇〕 ◆30番(西沢正隆 君)県民益ということだったんですが、こうやって意見が食い違うこと、これが県民に影響が出てくるというのが非常にあるわけで、今答弁であったんですが、なかなか我々の意見と一致しない。そして、我々もいろんな提案をしてきたと思うんですよ。それを一切、ほとんど聞いてないというのが現状でございまして、いろいろ我々との見解の違いがあるわけでございます。  先ほどの答弁、私も予想していたんですが、浅川の治水対策においても方針が二転三転することにより長野市及び流域住民との信頼関係が損なわれ、100分の1確率の全体像を出してほしいということにつながっていると思います。  住民、市町村、国、県民、県職員、県議会、それぞれの信頼関係を壊し続けたことが今日の混乱を招いた原因の一つであったと考えます。「こわすから創る」、前回の選挙のとき知事の公約ですが、最初につくらなければいけなかったのが信頼関係であったのではないでしょうか。  以上で質問を終わります。 ○議長(萩原清 君)次に、高橋宏議員。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)高橋宏でございます。監査委員の選任についてお尋ねを申し上げたいと思います。  2月議会の折、議会選任の監査委員を議会推薦をしたにもかかわらず、知事が任命を拒否、知事みずから議員を推薦しました。本人の同意も得ずに、強引というべき手法で議案を提案、議会が否決した経過がありました。また、6月15日に知事が議長を訪ね、監査委員の選任については、平成18年3月27日付で2月議会で議会推薦した者の就任は不適切であるとお知らせしたところです。6月定例議会において、議員のうちから選任する監査委員の人事案件を提示するに当たりましては、以上の経過や公正、中立な監査委員の重要性を任命権者として熟慮し、下記の3名が適任者と判断いたしました。いずれも監査委員としてふさわしい方々ですので、3名のうちから議会も同意をいただける方を1名お伝えくださいとのことでありました。  また、現行の制度では、監査委員は議会の同意を得て首長が選任されることとされています。しかしながら、監査を受ける立場の首長が監査委員を選任していることは、私はいささか不条理ではないかと考えます。首長からの監査委員の独立性をより確保する観点から、議員選出の監査委員が現在不在である状況を一刻も早く解消するためにも、議員選出の監査委員の選出のあり方について改めてここで議会と話し合いや検討をすべきと思いますが、知事の御所見をお伺いいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕
    ◎知事(田中康夫 君)旧自治省、現総務省の自治行政局行政課がまとめました地方自治法質疑応答集というものがあるわけでございまして、この中で、地方自治法第196条第1項中、議員のうちから選任する監査委員の選任方法についての解釈という記述がございます。「本件について考察すれば監査委員選任同意の議案提案権は長に専属するものであると解されている以上、」「長が一方的にある議員を選び、選任同意を得ても問題はないものである。」というふうに記されております。  私は、もう皆様御存じのように、2月県議会においては、宮澤敏文議員を議会の方々は議会選出の監査委員としてというお話でございましたが、しかしながら、宮澤議員は私に対してのある意味では不信任同様の告発の当事者であられた方でありました。この点に関して、宮澤議員を議案として提出をすることは私はできかねるということを萩原清議長と佐野功武副議長に申し上げたわけでございまして、この点に関して御了解をいただきました。そして、私は、永井一雄議員を選任をさせていただきたいという議案を出すということに関しても、議長、副議長がこれを結果として御了解いただき、議案としてこの神聖なる議場において採決に及んだわけでございます。  すなわち、ここまでの段階において、県議会の方々は、この地方自治制度研究会という総務省の中の会合が編いたしました地方自治法質疑応答集に記されていることを正しく御理解いただき、これにのっとって御了解をいただけて、さきの2月県議会における人事案件の採決が行われたわけでございます。残念ながら、これは皆様の御同意をいただくことがかないませんでした。  そして、私は、その後、約1名の方に私が選任を申し上げたいということを語りました。しかしながら、この方は、さまざまな職務が多忙であるというお話でございました。しかし、これは、一般の県民の方に例えば何がしかの委員をお願いするときに、さまざま多忙であられる、あるいは自分はその任にあらないのではないかという御遠慮をなさるということは容易に想定できますし、あるいはこれは許容されることではあろうかと思います。  しかし、この議場に今いらっしゃいます、病気欠席の方もいらっしゃいますが、58名の方というものは、県民によって選ばれた選良であります。すなわち、私同様、公人でございます。そして、その58名の公人の中から監査委員を1名は選びなさいというふうに規定されているわけでございます。私としては、先ほど言いました選任権のある者がお願いをするときに、例えば大変な長期病気療養中で実質的に職務が遂行できかねるというならばわかりますが、そのほかの事案によって多忙であられるということは、これはいささか有権者であり納税者である方々には御理解がかなわぬところではなかろうかと僣越ながら思います。  そして、過日、皆様が既に、また表現者によっても報道されておりますように、森田恒雄議員と本郷一彦議員と保科俶教議員の3名に関しては私は極めて適任の該当の方ではなかろうかということで、この中から、紳士的な申し入れとして、県議会の方々がどなたかより適任の方を1名御同意をいただくことができれば幸いであるということを申し述べました。しかしながら、1名の方からは電話で、2名の方からは文書で、私は監査委員を受けかねるという趣旨の文面の返答をいただきました。これは大変に残念なことでございます。すなわち、公人であられる58名の方々が、県の執行を常に鋭くチェックなさる方々が、こうした職を行う意欲をお持ちでないということはこれは大変に一人の県民として悲しいところでございます。  しかしながら、私は、引き続きこの問題に関しましては、今手元に的確な文章がございませんが、議長が報道機関に述べられたように、同意をされて、ありがたくもという方がいれば議案としてそれを審議することはやぶさかでないという御発言をいただいております。  なお、今回、これは報道されておりませんので名前をお出しするところではございませんが、この御同意をいただけなかった方、先ほどの3名とは別の方でございます。正確に申し上げれば、私は2名の方に個別にお願いをいたしましたが、いずれも固辞されました。その1名の方は、仮に知事がこのように選任をしていく、規定されているわけでございますが、こうしたことになると、よしんば、今回は田中康夫という知事が私を、その方は、ありがたくもそうした委員にというお話はいただいたが、仮に田中康夫でない知事になった場合においてはそうではない人たちが選ばれてしまうというような御趣旨のことのお返事でありました。  これはおかしなことで、知事は県民から選ばれます。貴族院の議員じゃありません。そして、その知事が選びなさいというふうに書いてあるわけで、今の田中知事だったら私たちのような中から選んでくれるけれども、田中知事でない人だったら永遠に私たちのようなグループからは選んでくださらないというようなことを公党であられるところに所属されるような議員の方がおっしゃるというのは、私も小さな政党をともに歩ませていただく者として大変不思議な御議論で、これこそがすべて、反田中の方も、親田中の方も、無関心田中の方も、すべて私になってから知事お任せ主義で、結果として知事にあらゆる権力を集中させ、知事頼みになっていらっしゃるのは、何と選挙でお選びになられた58名の中にも少なからずいらっしゃるということに私は大変驚愕をいたしました。  いずれにいたしましても、今まで私が行わせていただいておりますことに関しては、これはいささかも手続の上において瑕疵がないというふうに考えております。そして、願わくは、この議会においても、220万の県民の中から58名を選ばれた中から、必ずや、当然、監査委員という、議会の中から1人は出さねばならないと規定をされていることに関して蛮勇を振るって行っていただける、それだけのノブレス・オブリージュをお持ちの方は必ずや私はいらっしゃると思いますし、そうした方がよもや58名の中に1人とていらっしゃらないとするならば、一体、議会制民主主義の覚悟と気概とは何ぞやという思いに駆られることになろうかと思っております。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)ただいま御答弁をいただきましたけれども、議会から推薦をする、あるいは議会から今までのルールでやってきた、そしてやってきたものが任命されないということになると。そうすると議会と、それでは、監査委員は、今知事が言われた任命権があるから何でもやってもいいんだと。先ほど58人はみんな適任者であると言いながら、3名を指名してくる。具体的に名前は上がりましたけれども、そういうようなこと。あるいは、議会は選任してくださいといって議会に任せればいい、そして任命をしていただければいいんじゃないかなと私は思っています。だから、もしこのことが続くようであれば、先ほど知事が言うように、議員の中からの監査委員というのがなければ大変残念で、また地方自治体としても不思議なことだと思います。  あえて私が申し上げることではございませんけれども、本来、監査委員の財務事務や経営にかかわる事業の管理等を監査する監査委員制度の機能が十分発揮されるためには、当事者である地方公共団体自身も制度の本来の趣旨に即した運用に向けてさまざまな方策を講じていく必要があると考えます。  また、第28次地方制度調査会では、地方の自主性、自立性の拡大のあり方について議論をしており、監査委員については、他の執行機関を牽制する役割にかんがみれば、その権限、組織、運営等の基本的事項については引き続き法律で定めることが必要であるとの結論に至っています。このように、同じ行政委員会でも、教育委員会や農業委員会とは違い、監査委員についてはその職務の独立性を十分確保すべきであると答申が出されているわけですが、この点、知事はどのようにお考えなのか。お尋ねをいたします。  次に、監査委員の構成についてお尋ねをいたします。  長野県では、平成14年10月、条例改正を行い、定数4人のうち、議員選出の委員を2人から1人に減員し、識見を有する委員を2人から3人に増員しております。議員から監査委員を選任することについて、議員は地方公共団体の行政全般にわたって幅広い見地からの監査を行うことが期待でき、監査の結果を実効あらしめるためには有意義であるとする意見や、議会の有する本来の性格から、執行機関をチェックするという監査委員の機能に適しているという意見もあります。  先ほど申し上げました第28次地方制度調査会の答申を踏まえて、18年3月、ことしの3月、地方自治法の一部が改正され、監査委員の人数については、公布の日より、18年の6月7日だそうでございますが、地方公共団体の実情に合わせ、識見を有する者から選任する監査委員の数を条例でふやすことができるようになりました。すなわち、長野県のように定員4名の場合、議員選出の委員は2名まで、識見を有する委員は3人、あるいは4人と増員できることになったわけでございます。  以前から議員選出の委員を1人とすべきではないかとの意見もあった中で、今回の地方自治法改正の趣旨を踏まえると、監査機能の充実を図るとともに、監査委員の職務の独立性を確保する観点からも、他の大多数の都道府県と同様、長野県においても議員選出の監査委員を2人に戻すべきではないでしょうか。  知事の泰阜村への住民票移転問題や、スペシャルオリンピックスに関する県職員の研修派遣問題など、住民訴訟へと発展する住民監査請求が増加していることなどを踏まえると、さまざまな考え、意見を持った監査委員が徹底して議論を尽くしてこそ、監査請求制度の機能が十分発揮されると思われます。  そこで、議員選出の監査委員を2人にし、識見者の増員をするというような条例を改正する意思があるか否か。知事にお尋ねをいたします。       〔知事田中康夫君登壇〕 ◎知事(田中康夫 君)私よりもいささか地方自治の現場に長くいらっしゃる高橋宏議員に少しく僣越かもしれませんが、私の認識を改めて述べさせていただきたく思います。  今回の地方自治法の改正趣旨は、いわゆる識見委員と呼ばれる議員以外の識見をお持ちの方々の増員に関するものでありまして、議員が今おっしゃられました議会選出委員は従前どおりの規定内容でございます。  今、私の乏しい法律的な用語の認識の中で感じましたのは、議員のお話は、どうも任命権というものと執行権というものをいささか混在された上でお話をなさってはいまいかといういぶかりを感じるわけでございます。これは何かといいますと、すべからくこのような公正であるべき職務の方々は、これは、多くの国において、そして本国日本においても、日銀総裁を初めとする方々はポリティカルアポインティーです。すなわち、首相であったり知事であったりのサーバントリーダーが任命をいたします。しかし、日銀総裁は、まさに公正無私な判断を、行動も、ともに行わねばならないわけです。法律に、あるいは日銀の内規にそのような文面はなかろうとも、まさにマイケル・ポランニーが言う暗黙知としてそれはそうあるべきなわけです。  そして、日銀の総裁は理事会で互選するわけではございません。最高裁の大法廷が長官を互選するわけではありません。これは、まさにすぐれてポリティカルアポインティーなんです。すなわち、任命権というものは、知事であり、あるいは首相でありにあるということです。極めて政治的な任用です。しかし、そこで選ばれる者であればこそ、まさに公正であることが求められているということです。それが執行権の独立性ということであろうかと思います。  なお、つけ加えさせていただきますると、県議会議員の皆様からは、私も物を書いたり話をしたりとか、いろいろとそうしたことも随分と行っているという御指摘をときにいただくことがありますが、ちなみに58名の県議会議員の方々のうちの私が認識しているだけでも、約半数を超える方々は例えば企業の取締役を初めとする役職におつきで、そこからの報酬も少なからず得られている方々であります。政務調査費を入れれば、恐らく年間の県税からの支給額は1,700万円近くに上るかと思われます皆様のうちのさらに半数は、そうした県議会議員の職務の専念義務などはどこにもございませんが、県議会議員にプラスして、さまざまな社会貢献を民間の株式会社の場で営まれていらっしゃいます。とするならば、それだけの余力のあられる大変に有為な方々は、なおのこと議員の中から選ばれるべき監査委員というものに関して、よい意味で積極的に応じ、務めていただけることが、まさに執行権の独立という観点からも強く求められているのであるということを加えてお話をしておきたいと思います。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)条例を改正することができる、やるかやらないかと聞いただけでございまして、次に行きます。  青少年の非行防止、健全育成の問題に関しては、県民一人一人の自分自身の問題として受けとめ、家庭、学校、地域、関係業界並びに県、警察を初め行政が一体となって県民ぐるみの運動を展開するという基本方針に立ち、当県におきましては、青少年保護育成条例を制定せず、県民の理解と協力による住民運動の展開、関係業界による自主規制、行政の啓発努力の3本柱を総合的な施策として取り組んでいることを承知しています。  しかし、全国的に、少年による殺人事件など、社会を震撼させる事件の発生が相次いでおり、長野県においても、いつこのような事件が発生してもおかしくない状況にあるように思います。  社会情勢の変化に伴い、青少年の行動形態や非行の内容が大きくさま変わりしており、私どもの地元である中学校でも、非行グループが女性問題をネタに同じ中学生を恐喝したり、傷害事件を起こしたり、果ては担任の先生の車を壊したりといった悪質な非行が発生しています。また、少年がコンビニやゲームセンターなどへ深夜に出入りをするという状況もあり、さらに、有害図書の自動販売機設置や携帯電話、インターネットの普及により、少年が性にかかわる有害情報を安易に入手できる状況でもあります。  一方、他県では、下校途中の小学生が誘拐され、殺害されるといった、子供たちが被害者となる大変痛ましい事件も発生しております。当県では今のところあのような反響の大きな事案は発生はしていないものの、女子生徒が下校の途中に性犯罪に遭うなどの事案はしばしば発生しているやに聞いております。  このような青少年を取り巻く環境は、少年非行と子供たちの安全確保の両面で大変問題が多い状況にあると認識しておりますが、この深刻な状況を踏まえ、警察では取り締まりや補導、警戒活動を強化していただいておりますが、地域のボランティアの皆さんは子供たちの登下校の見守り活動や街頭補導を行ったり、地域が一体となった有害環境の浄化活動を展開するなど、青少年を守るためのさまざまな活動が行われているところです。  そこで、こういう現況を踏まえまして、青少年の非行防止、健全育成と子供たちの安全確保という観点から、長野県の少年非行の現状と最近の傾向、少年の福祉を害する犯罪の状況、子供を対象とした犯罪の発生状況と安全確保について県警本部長にお尋ねいたします。       〔警察本部長渡辺巧君登壇〕 ◎警察本部長(渡辺巧 君)お尋ねの件でございますが、まず少年非行の現状と傾向でございます。  次代を担う少年が健全でたくましく育つこと、これは、全県民の願いでありまして、大人の社会責任であると考えております。警察といたしましては、強く優しい少年警察の運営を基本方針としまして、少年の非行防止と健全育成のため組織を挙げて取り組んでいるところであります。  昨年、検挙、補導した非行少年の総数は2,264人で、前年比マイナス11人、マイナス0.5%とほぼ横ばいでございますが、成人を含めた刑法犯総検挙人員は4,811人でありますが、うち少年の検挙人員は1,943人で全体の40.4%を占め、全国平均の32%より8ポイント高くなっております。憂慮すべき状況にあります。  傾向といたしましては、刑法犯少年の約7割が万引きや自転車盗などの初発型非行であります。また、車上ねらい、乗り物盗、器物損壊など、県民の皆さんの身近なところで発生する街頭での犯罪の検挙総数に占めます少年の割合が約6割と、高い比率を示しているのが特徴であります。  一方、少年の福祉を害する犯罪の状況でございます。精神的に未熟な少年を食い物にしている少年の福祉を害する犯罪は、潜在化、巧妙化の傾向にあります。これらの犯罪は、少年相談や街頭における補導活動を通じまして常にその実態を把握し、あらゆる法令を適用して取り締まりを徹底しております。昨年は、児童買春・児童ポルノ禁止法、児童福祉法、風営適正化法などによりまして46人を検挙し、被害少年47人を保護しております。  特に、児童の淫行に関しましては、対償の供与、約束のない淫行、あるいは年齢知情のない淫行は現行の法律では取り締まりができないため、本県以外の都道府県では、青少年保護育成条例の中に淫行禁止を規定し取り締まりを強化するなど、厳しい姿勢で臨んでいる状況にあります。  昨年、17年中、全国で児童買春で検挙された者は1,326人、各県の条例の淫行規定で検挙された者は1,268人であります。条例のない本県では児童買春による10人のみの検挙となっておりまして、人口比率で比較いたしますと全国平均の4分の1以下の検挙人比となっております。児童に対する淫行に関する厳しい状況は全国的傾向でありまして、本県においても例外ではないところから、もう一歩踏み込んだ取り組みが期待されているのではないかと危惧しているところであります。  子供の安全対策につきましては、子供が被害者となる凶悪犯罪は絶対に起こさせないという基本方針のもと、子ども安全総合対策室を設置し、県警の最重点課題として取り組んでいるところであります。  本県では、幸いにも、社会を震撼させるような凶悪事件の発生はないものの、子供対象犯罪、これは子供が被害者となる犯罪のうち18歳以下の少年に対する身体に直接的に危害が及ぶおそれのある強制わいせつ、公然わいせつ、傷害、暴行など一定の犯罪を指定したものでありますけれども、本年1月から5月までの発生は94件で、女子生徒、児童に対する公然わいせつや体を触るなどの性犯罪が増加しておりまして、心配な状況が続いております。また、声かけ、つきまといなどのいわゆる声かけ事案は108件発生している状況にあります。  このような厳しい状況に対処するため、子供安全総合対策として登下校の安全対策を推進し、新学期になりましたので、改めてすべての小中、自律学校、合計617校を個別に訪問し、教育委員会、PTAなど学校関係者と連携しながら、学校安心カルテに基づく2回目の検証を行っているところであります。  現場では、学校安全連絡会の構築や見守り隊など、ボランティアの皆様方の組織化が進んでおります。また、集団登下校の実施、児童の目線に立った安全マップの作成など、安全対策が着実に進んでいることが感じられております。  また、不審者情報が学校関係者や保護者の皆さんに直接到達する情報配信システムを現在構築中であります。  子供の安全対策は、引き続き、教育委員会、PTA、地域のボランティアの皆さんの御協力をいただいて、強力に推進してまいる所存であります。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)今、お話をお聞きのとおり、大変長野県も憂慮する事態にあるのかなと、こんなふうに思いました。  過日、緑新会では、奈良県におきまして、奈良県少年補導条例、これがことしの7月1日から施行だそうでございますが、奈良県本部を視察してまいりました。この条例の目的は、不良行為少年の補導に関し保護者や県民の責務を明らかにするとともに、警察職員及び少年補導員の活動に関して必要な事項を定め、もって少年の非行を防止し健全育成を図ることです。もう少し具体的に申し上げますと、深夜の徘回などの不良行為というものを定義づけし、不良行為防止のため県民等の責務を定め、警察職員やボランティアである少年補導員の活動内容等について定めたものであります。  また、本県の少年非行については幾分減少傾向にあるとはいえ、先ほどのお話のように、検挙人数のうち少年の検挙数が約4割と高いこと、街頭犯の6割は少年の犯罪であるというようなことが、いまだ深刻な状況にあると思います。  青少年の保護育成条例については、県下では長野市のみが設置しており、佐久市、東御市では検討中とのことであり、県には条例がないことから、少年の福祉を害する事件の取り締まりなど困難があり、有害図書を初めとする浄化についても地域住民の方々が大変苦労をしているとお話を聞いています。  少年に対し有害環境を与えている有害図書などの状況について、また、こうした少年を取り巻く深刻な状況に対応するため、非行の入り口になる不良行為の段階で補導し、その後の非行を防止するため指導していくという、こうした奈良県の条例について県警本部長の御所見をお尋ねいたします。       〔警察本部長渡辺巧君登壇〕 ◎警察本部長(渡辺巧 君)まず、有害図書の浄化対策であります。  少年に有害な図書につきましては、長野県を除く全国の都道府県の条例によりまして、平成17年中、約2,500種類の雑誌が有害図書として個別指定されております。そしてまた、そのほか包括指定された図書も多数あります。県内の有害図書の自動販売機は407台と全国8位の多数に上っておりまして、販売業者の自主規制が十分に及ばず、他県で有害指定されたものが県内で販売されている可能性が危惧されております。こうした状況を大変心配した地域住民の皆さんによる撤去運動が現在行われておりまして、その御努力に敬意を表するところであります。  ある町では、平成元年ころから少年に悪影響を与えるおそれのある図書を収納する自動販売機が多数設置されましたので、平成6年になりまして、地区やPTAの皆さんによりまして浄化対策推進会議が設立されまして、署名活動、議会に対する請願、土地所有者、関係業者への働きかけなどを行いまして、台数をある程度減少はさせましたものの、いまだ完全撤去には至ってない状況があるようでございます。これは一例でございますが、地域の皆さんが大変な御苦労をされて大きな負担を負っているのが現状でありまして、私としても、申しわけなく、また気がかりであるところであります。  こうした有害図書の問題など、少年を取り巻く環境が悪化していることを考えますと、条例があれば、少年の健全育成を害する大人の行為から少年を守り、また少年非行防止活動を推進する上でよりベターであると考えております。  御指摘の少年補導条例についてでございます。  警察では、非行を防止する活動の一つとして、不良行為少年の補導を積極的に行っております。国家公安委員会規則の少年警察活動規則では、不良行為少年を、「非行少年には該当しないが、飲酒、喫煙、深夜はいかいその他自己又は他人の徳性を害する行為をしている少年」と定義いたしまして、少年が非行に陥る前の時点で補導することを定めております。  議員御指摘の奈良県の条例におきましては、不良行為少年の補導活動につきまして、補導活動を社会全体で取り組むこと、補導活動の範囲や根拠、手続を明確にすること、少年ボランティアの身分を明確にすることなどを内容とする条例を全国で初めて制定したと承知しております。この条例では、例えば正当な理由なく深夜に徘回することも不良行為として規定いたしまして、この補導に関する手続を整備していることから、適切な補導活動を推進することができるようになっております。  本県におきましては、条例がない中で、ボランティアとして警察本部長が951名の少年友の会員の皆様を委嘱し、警察とともに、少年の健全育成のための補導活動に御協力をいただいているところでございます。  非行の入り口となる不良行為少年を社会全体で補導することを定め、また、警察や少年ボランティアの補導活動手続の明確の根拠となる条例があれば、少年の補導活動はもとより、保護者に対する支援を推進する上でもよりベターであると考えているところであります。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)本部長に申し上げます。お願いをしたいと思いますが、有効であるということなら、さらに検討をしていただいて有効な条例ができるよう御努力をいただきたいと、こういうことを要請しておきます。  次に、キノコの生産関係会社に2億5,000万円の補助との報道に、不況と経営難に苦しむ農家から私のところに相談が寄せられました。長野県農政の考え方について聞きたいとのことでありました。信州ものづくり産業投資応援条例で設備投資を応援します、で商工部が実施したものであります。環境への配慮型投資助成とのことであるが、県下のキノコの個人生産者や関係者が不況に悩み、廃業農家がふえ続けている中で、企業への助成はいかがなものかと関係者の切実な訴えでありました。  県下のキノコ産業は、森林県であるおが粉を利用し、雪国の自然条件を生かし、農家の副業的な産業から、関係団体や農家の努力によって今日の長野県農業の柱となって全国生産量1位の地位を築いてきました。昨今、大規模生産工場の進出や輸入農産物の増加、価格の低迷等により廃業する農家もふえてきており、今回の事業に戸惑いと不安を感じるとともに、農政、林業行政のあり方に疑念を抱かざるを得ません。  農政部長、林務部長にお尋ねいたします。  この事業について事前に相談はあったのかどうか。今後、キノコ農家を初め、園芸農家、関係者に経営安定対策、生産振興対策、また消費拡大対策等、具体的な対策を今後どのように進めていかれるのか。農政部長、商工部長にお尋ねをいたします。       〔農政部長柳沢直樹君登壇〕 ◎農政部長(柳沢直樹 君)お答えいたします。  農政部といたしましては、商工部が、雇用の確保、それと県内経済の持続的発展を目的に、このキノコ生産会社が長野市に建設しておりますエリンギ生産工場につきまして助成金を交付する事業として認定を行ったというふうに聞いております。  商工部とともにキノコの生産というものについて取り組まなきゃいけないというふうに考えておりまして、現在、キノコ価格というものが一時に比べて下落をしているというような中で、急激に上昇する見込みが今は見込めないというような中で、キノコ生産農家の経営安定を図るためにはやはり安定的な取引先の確保が重要と考えておりまして、このため、商工部とは特に、食品加工メーカーとの契約取引などによる新たな販路開拓に向けて、部局の枠を超え、それぞれの部局の持っている専門的知見でありますとか情報、こういったものを生かしながら、連携を強化して事業を進めてまいりたいというふうに考えております。  それで、今お話のございましたキノコを初めとした園芸作物、この辺の生産振興、経営対策という面で農政部からお答えをさせていただきますけれども、本県の園芸作物、農業生産額の全体の約65%を占める重要な部門でありまして、県としましても、これまでも園芸品目の生産振興を重点的に支援をしてきております。  特に、園芸作物に対する経営安定対策といたしましては、キノコ経営安定促進事業など、農業経営の分析、指導を行うソフト的な支援に加えまして、指定野菜価格安定対策事業などの価格安定制度等により生産者の経営安定を図っているところでございます。  昨年度、農産物価格が全般に低迷したことから、野菜、花卉、キノコの価格安定事業について、県として本年度は10億円余の予算を措置しているところでございます。なお、平成19年度には国の野菜価格安定制度の改正も予定されておりまして、この動向を注視しつつ、農家の経営安定に向けた取り組みを検討してまいります。  また、特にキノコにつきまして、今後でございますけれども、まず生産面では、長野県のオリジナル品種となる新しい品種の育成や、キノコの共同培養、こういったものの一層の推進などによる生産コストの削減を、またさらに流通面では、惣菜の製造、販売を行ういわゆる中食業者や食品加工業者との契約取引などによる流通コストの削減といったものを目指して、生産者などと協働して進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。       〔林務部長加藤英郎君登壇〕 ◎林務部長(加藤英郎 君)お尋ねの件につきましては、5月18日の認定証交付ということで、間接的に知ったところでございます。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)キノコを初めとした園芸作物の消費拡大についてのお尋ねでございます。  県におきましては、信州農産物PR協会と連携をし、メディアを活用した信州農産物のPRや農林水産祭への参加などで販売促進活動を行っております。キノコに関しましては、信州きのこ消費拡大協議会がございまして、キノコ料理コンクールなどを開催し、消費拡大とPRを図っているところでございます。  また、信州あぐりブランドプロジェクトや信州・長野県観光協会が行っております信州フェア、あるいは観光物産展におきまして、信州農産物のPR、販売促進の活動を行っております。ほかには、大手百貨店などが主催いたします商談会へ農業者等の参加を進めるなど、新たな販路開拓につながる支援を行っているところでございます。  今後、県内外の企業や一般の方からの信州農産物や加工品等に対するお問い合わせに対応するために、信州農産物について一元的なデータベース化を図り、ホームページ等による情報発信を行ってまいりたいと、今、鋭意作業を進めているところでございます。  18年4月から農産物のマーケティングにつきましては商工部が担当しておりまして、農政部と連携しながら、飲食店や観光施設、食品産業等へ県内産農産物の利用推進を働きかけ、キノコを初めとした園芸作物の消費拡大に取り組んでまいりたいと考えております。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)農政部長さん、事前にお話、協議、合い議はありましたか。       〔農政部長柳沢直樹君登壇〕 ◎農政部長(柳沢直樹 君)認定を行ったということをお聞きしたということでございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)これからまた質問をさせていただきますが、今まで農政部が一生懸命キノコ農家を育て、経営を安定させるべく、あるいは長野県の農業生産額を、そして農家の福祉あるいは所得増大に向けて努力をしてきたにもかかわらず、片一方では、こういうような100戸も、このことでいくと100人ぐらい雇用が促進できるということですが、100人の農家がやめれば同じことなのかなというふうに思うくらいでございます。特に農政部長には、これからの対応、特に農家への個別な、あるいは団体への指導をしっかり協議をしていただきたい、こんなふうに思います。  それから、商工部長は、いろいろな施策をやっていると、こう言っている。今までの生産量よりも消費量が伸びなければ、あるいは消費量が商工部の宣伝によって伸びなければ、今までと同じということは価値がないということになるわけです。その辺のところを強く要望しておきたいと思います。  また、新聞報道によれば環境配慮型投資助成とされており、新規雇用、先ほど申し上げましたが100人以上、ISO14001などの環境関連の認証を取得する製造業となっております。この会社は、県内のほかにも工場を建設、その廃おがくずを土壌改良と称し、農家に配達し、田畑に置いてあることでもあります。この廃おがくずは産業廃棄物となるのではないか、あるいは、田畑に置いてあるとすれば産業廃棄物の処理が不適切ではないかと思われます。その企業に環境配慮型投資とされる助成金の認定、交付とは、まことにおかしな話にならないか。商工部長、生活環境部長にお尋ねいたします。  また、この事業は総事業費25億円と聞いております。完成後には2億5,000万円の助成金を交付することとなっておりますが、昨今、建築業界の状況から判断すると入札率が80とかございました。そういうような事業費が縮小されたときの判断、あるいは総事業費が基本的な結果であるかどうか。その判定等について実際はどのように判定をなさるのか。商工部長にお尋ねをいたします。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)ISO14001の取得が条件であるのに、このキノコ工場への助成金の交付の決定は適格ではないんではないかという御質問でございます。  確かに、助成金の認定の条件といたしまして環境規格の取得がございます。そのうち、当キノコ工場につきましてはISO14001の取得を計画しております。事業計画書によりますと、平成19年度中に取得を予定しているものでございます。  なお、助成金の交付でございますが、この交付につきましては、この環境規格の取得後に行うこととしておるところでございます。
     次に、補助金の入札差金の問題でございます。  入札差金等によりまして、実際の事業費、今回の事業計画によりますと25億円でございますが、この事業費が認定段階の分も下回った場合におきましては、実際の事業費に基づきまして交付額を決定することにいたしております。具体的な手続につきましては、変更承認の手続をしていただくことになっております。  以上でございます。       〔生活環境部長木曽茂君登壇〕 ◎生活環境部長(木曽茂 君)廃おが粉の処理についてお答えいたします。  キノコ製造業者から廃棄物として排出された廃おが粉は、事業系の一般廃棄物として法律上区分されております。  お尋ねの件でございますが、現状を把握の上、廃棄物処理法の基準や廃棄物の再資源化推進の観点から必要な場合は市町村とともに指導、支援をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)商工部長に再度お尋ねいたします。  例えば、総事業費25億円と言われています。皆さんのところで設計図とかそういうものをやってその25億円が正しいかどうかということを判断しているとすれば、私と同じ建築にはずぶの素人が多いんじゃないか。例えば、住宅部、あるいはそういうところできちんとした査定をして、この25億円が本当の事業費として正しいかどうかというのも、これは審査の対象にすべきだと私は思うわけでございまして、その辺のところ再度御答弁をお願いしたいと思います。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)実際の助成金の交付の時期でございますが、先ほど申し上げましたように、この工場が操業を開始して2年以内に環境規格を取得するということが条件になっております。したがって、この環境規格を取得した後に助成金を交付すると、こういう段取りでございます。  したがって、環境規格を取得した後には、建物あるいは設備等、既に操業を開始しているわけですから、すべて実績と申しますか、投資額が確定しているわけでございます。したがって、その確定した投資額を私どもで審査をさせていただいて、その額の10%以内、3億円を限度で助成金を交付すると。したがって、当初の事業計画が25億円で、実際の額が例えば20億円で済んだということであれば、その1割の2億円が交付の対象になると、こういうことでございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)今私が申し上げているのは、ある人は、25億円じゃ、あれは事業費が高いんじゃないかと、こういうように私のところに相談に来ているんですよ。私はわかりませんよ。  だから、そういうようなことを、例えば簡単に事業費が終わってそういうふうになったらそのときにやればいいと、こういうふうにおっしゃいますが、一体、今の事業計画の中で事業費がそれでいいのかどうか、そういうことはだれが認定するのかと、こうお聞きしているんです。       〔商工部長山極一雄君登壇〕 ◎商工部長(山極一雄 君)助成金の交付の対象にしておりますのは建物と設備、いわゆる機械類等を対象にしております。事業計画書には、どういった建物で幾ら、それから設備については幾らということで積算したものが事業計画書として上がってきております。  したがって、この計画が上がってくる段階ではあくまで計画でございまして、先ほど議員御指摘のように、入札等によりその額が変更になってくる場合が当然ございます。そういったことも含めて、変更承認が提出された時点で現場等で具体的に審査をして、きちっとそこで対応してまいりたいと、こんなふうに考えております。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)私が申し上げているのは、例えば正しい価格で買うというか、そういう建築の事業費とか、そういうものについては、本当は事業認定するときに住宅部が一通り目を通して、そして、これは正しいですよと言ってやるのが私は普通だと思いますよ。ところが、知事が先ほどから言っている水平協働だかなんだかわかりませんが、横の連絡がないからそこに頼まないということでしょう。だから、私は、そういうふうにやるのが知事の言っているようにホウレンソウだかポパイだかわからないけれども、そういうようなきちんとした連絡をとってこの事業を進めるべきだと申し上げているんですよ。  だから、私はこれ以上申し上げませんけれども、そういうようなことをきちんとしてこの事業をやって、認定をしていくというのが、私は事業執行の責任かなと思うわけでございまして、そのことを強く要望しておきます。  次に、教育委員会に対して少し質問をさせていただきます。  教育委員会に対しては、行政の中立性、独立性を保ち、県民に信頼される委員会運営を行うよう求める決議、これは、18年の3月23日、本会議で議決されました。  なぜ、こんなことが議決をされなければならなかったのかな、教育委員会に対して大きな不信感を抱かれる事象がたくさんあるからだろうなと、こんなふうに思います。  具体的には、先ほど西沢議員が御指摘になりました長野養護学校の長野市への移管、あるいは高校改革プランに関連してでも3回意見書案が可決されている。どうしてだろうと、こういうふうに私は思うわけです。そして、瀬良教育長が施主は教育委員会だと言った稲荷山養護学校にしても、100条委員会の対象になるような事象。同様に、おはなしぱけっと号にしても、教育委員会の管轄でありながら100条委員会の対象になったような事業。このことから教育委員会が本当に県民から信頼されているのかどうか、私は非常に不安と疑問を抱いているわけでございます。  また、昨年までは、児童館あるいは児童センターについては一切補助金は出しませんと言っていた。ことしの事業費には2件あります。ころころと変わる行政の不安というか、時と場合によりけりだということになれば、いいのかどうかわかりませんが、そんなようなことをしたり、あるいは昨年の6月24日、たたき台として高校改革プランを出しましたが、何回要望しても、あるいは意見を申し上げても、ただいま推進委員会の審議中であります、あるいは計画はこれからでございますからと言っておきながら、あっという間に計画はできてしまう。このことをもってしても、教育委員会に私どもは信頼できるのかなと私は思ったわけでございます。  そのほか、たくさんまだございますが、例えば高校改革プランで申しますと、宮澤委員長はあれだけ本会議場で一斉実施だよと答弁を繰り返しながら、任が解かれようとしたら、あれはできるところからやればいいと。これでどうやって教育委員会を信用するんですか。また、葉養検討委員会の委員長も、長野県の場合は時間がかかるよと言って答申を出された2年後に実施でございますから、大変なことなのかな。それで、例えば吉江次長は、それは長野県の教育委員会が責任を持ってやりますと答弁をしております。  このようなことの教育委員会で、本当に県民が責任を任せられる教育委員会なのかどうか。教育委員長、教育長、行政、教育両次長にそれぞれの腹のうちをお聞きしたいと思います。       〔教育委員会委員長松田泰俊君登壇〕 ◎教育委員会委員長(松田泰俊 君)お答えいたします。  3月の23日に出されました決議についてどう思うかというお尋ねでございますけれども、教育委員会は、地方自治法の第180条の5に規定されております自立性、独自性を持ち、地方自治法第180条の8及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条に規定する職務内容を行う執行機関であります。毎回の県の教育委員会においては、多くの教育課題の解決に向けて、委員の自由濶達な議論が交換されております。教育委員会としての機能を十分に果たしているものと認識しております。  なお、高校改革プランについてでございますけれども、3月の30日に策定をいたしました高等学校改革プラン実施計画では、推進委員会の報告書や地域での説明会、提案募集などで寄せられた意見を十分に考慮いたしまして、多部制単位制への転換時期、飯山市内の3校統合について2段階による実施、上田市内に夜間定時制を1校配置する、岡谷南高校、岡谷東高校について当面両校舎を活用するなど、地域の実情に沿ったさまざまな配慮をしたところでございます。  私は、今回の対象校を中心に、県下の高等学校を拝見させていただいてきました。実施計画に掲げた高校改革は、見させていただきまして、適切であると判断しているところであります。実施計画に沿って高校改革を進めることが教育委員会の使命であると考えております。       〔教育長丸山愰君登壇〕 ◎教育長(丸山愰 君)3月23日に出された決議についてどう思うかとのお尋ねでございます。  教育委員会の職務につきましては教育委員長から御答弁いたしましたが、さらに具体的に申し上げますと、地方自治法第180条の8及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律第23条に基づき、学校、教育機関の設置、管理、廃止、教育用財産の管理、教育関係職員の任免、人事、児童生徒の就学、入転学、退学、学校の組織、教育課程、学習指導等であります。これらについて、委員全員で真摯な議論を行った上で、委員会の総意として決定しているところでございます。  また、地域の皆様からいただいた教育に対するさまざまな御意見、御要望を反映させているものと認識しているところでございます。  なお、決議の中にあります信濃教育会研修派遣や長野養護学校の対処方法についてでございますが、2月議会でも申し上げましたとおり、これらの案件はいずれも教育委員会の決定事項ではございませんが、事務局で論議したものを私からその都度報告し、委員の了解を求めながら行っているものでございます。       〔教育次長吉江速人君登壇〕 ◎教育次長(吉江速人 君)3月23日に出されました決議などについてのお尋ねでございます。  教育委員会は、行政委員会の一つといたしまして、行政の中立性、安定性の確保や行政の専門、技術的な執行等を目的として設置されておりまして、独立した執行機関として中立、公正な職務を執行する使命がございます。  教育委員会の委員には、子供や保護者、地域の皆様などの声を大切にしながら、県民の皆様から信頼され、望まれる長野県教育を築くために御努力をいただいているものと認識している次第でございます。       〔教育次長米澤修一君登壇〕 ◎教育次長(米澤修一 君)3月23日に出された決議についてどう思うかというお尋ねでございますが、教育委員会では、新たな教育改革の動向を見定めつつ、時代の変化に適切に対応し、一人しかいない自分が自分らしく成長できる信州教育の実現を目指して、多くの教育課題の解決に向けて取り組んでいるところでございます。  教育委員は、子供が初めにありきという原点を大切にしながら、学びの主体が児童生徒にあるとの観点から、児童生徒が生き生きと充実した学校生活が送れるよう、濶達な御議論をいただいていると考えております。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)今それぞれお答えをいただきました。長野県の教育委員会はどうなるかわかりませんが、28次の調査会の答申によると、委員会は長が置いても置かなくてもいいと判断できると。だから、市町村の教育委員会は19年の4月1日から長の判断によってできるようになるわけでございます。そうすると、先ほどいろいろ申されましたけれども、それはそれとして、では、なぜあれだけの高校改革プランについても、委員会で決めたのはたった2時間の委員会で計画を決定しています。我々の委員会は、議会の委員会は、毎回、何時間も高校改革のプランについては検討をしてきた。  この間、実は委員会と教育委員の面談、あるいは懇談会をさせていただきました。ある委員さんは、恐ろしくて夜そこら歩けない。ある委員さんは、いや、長野県の全体のことは言うけれども、個々のことは私はわからない。ある委員さんは、少し遅れて委員になったものですから、それぞれの意見を。委員長は堂々とこうあるべきだと言っておる。それで、どうして決まったんだと聞いたら、ちゃんと事前に書類が送ってあって、みんなよく勉強してあるから、それで決めたと、こう言っている。それで、現場は、2人はもちろん行ってございません。それで、この長野県の教育の実情に合った高校改革ができるのかなというふうに私は思っております。  例えば、私は、一つだけ、今財政難だと言って、知事は九百何億長野県だけが返したと言っていますが、長期計画、財政投資計画は1,378億円が21年までの投資計画でございます。  そこで、今、残る学校、残る学校という言い方はおかしいんで、統合される方の学校の状況をそれぞれ判断してみますと、大変なことがこれからかかるんだなと。例えば、丸子実業高校にしても設備投資はこれからだと。あるいは、飯山北高、あるいは南高の統廃合、照丘高校、先ほど委員長が申されました。当面2段階でやる、飯山北高に最後は行くと。この建設年数は一体何年になるのか。何年経過しているのか。飯山南高は平成4年でございます。古い学校の方へ統合するというんですよ。もし飯山南高が狭いなら、増築するのが建てかえよりも安いと私は思います。地域に合ったことなら、地域のコモンズと言われるなら、地域の人と話し合ってやるべきだと思う。  私は、よく宮本議員さんに、本当はあそこをあけてもらって飯山の町づくりにやったらいいよと冗談を言いながら話をしました。本当に飯山の新幹線の駅ができてやるなら、飯山北高の校地のところをみんなで上手に使って、飯山を活性化させて、地域の力で南高を応援したらどうですか、統合された学校を応援されたらどうですかと、こういうことを申し上げた経過もございます。  そのことを一つずつ検証していくと、まだまだ数がたくさんある。そうすると、この学校のことについて、耐震審査等いろいろあると思いますが、今、教育委員会はどのような順序でこれからの統合の、校舎も含めた統合計画等を具体的にお話をいただければありがたいなと。これは吉江次長にお願いいたします。       〔教育次長吉江速人君登壇〕 ◎教育次長(吉江速人 君)お答えいたします。  整備計画、その他についてということでございます。  今、御質問にございました校舎の関係で申し上げますと、私どもの方には、基本的には、適正な規模や適正配置などを考えた中で、校舎の必ずしも新しい、古いというようなことを含めては考えてはございません。  御案内のように、県立高等学校の場合には、例えば管理混合教室棟とか、あるいは教室棟とか、大体育館、小体育館というようなものが幾つもございます。それぞれの校舎、あるいは体育館というようなものを、それぞれの建設年次、あるいはそれぞれの大規模改修等の時期というようなものを考えてみますと、必ずしも一律にその学校の、ある学校が新しい、ある学校が古いとは言えないというようなものが状況でございます。  それと、今後の建設のいわゆる方向性といいますかスケジュールというようなお話でございますが、それにつきましては、私ども、かねてより、まずは現有の施設を有効に活用して、その中で必要なものにつきましては、今後、財政当局、さらには議会にお願いしてまいりたいというスタンスに立っております。現時点におきまして、それぞれの学校におきまして、多いところでは20回以上にわたりまして学校での打ち合わせを重ねております。そんな中におきまして、必要な整備あるいは必要な備品等の内容とかいうようなものが煮詰まってまいりますので、そういうようなものが、方向性が固まりまして、ある程度決まった段階でまたそのようなことにつきましてもお願いしてまいりたいと考えている次第でございます。       〔45番高橋宏君登壇〕 ◆45番(高橋宏 君)時間がございませんので順次進めさせてはいただきますが、例えば、A校、B校を足してC校だと。B校なりA校は廃校になるわけですよ。それで、C校に行く前のその学校の校名もこれからだと、こういうわけ。夏休みに学校訪問等があるようでございますが、それで、今、体育館は新しくて校舎は古いから今すぐ一概には言えないと、こう言っている。飯山南は平成4年ですよ。飯山北高は昭和37年に本校舎が建っている。大規模改修が平成3年。改修をやっているわけです。鉄筋コンクリートの話、よくわからないけれども、例えば、40年もたってそろそろ改築だというところへ行って使うというんですから話はおかしいと、こう言っているわけなんです。もっと県の財政も考えてやってもらって、そして、そういう中できちんとしたものをやりながら、これから中学生が夢の持てるような高校にすると言っておきながら、古い校舎に時に来てくださいですからね。  そんなことを踏まえながら、条例に関してもそうです。木曽高校のときにも、できてから条例改正をしたって、この答弁も一時もらったことがあります。ちゃんと前の年の9月にやってある。そういうことを今まで答弁としては平気でやってきた。だから、これからは私どももまたさらに一層委員会で審議をしてまいりたいと、こういうふうに思って私の質問を終わります。 ○議長(萩原清 君)会議規則第13条第2項の規定により、本日はこれをもって延会いたしたいと思います。  次会は、明28日午前10時に再開して、行政事務一般に関する質問及び知事提出議案に対する質疑を日程といたします。書面通知は省略いたします。  本日は、これをもって延会いたします。         午後5時34分散会...